たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

災厄を託す

2015-03-03 14:22:50 | 歴史・神話・旅・風景

 

<都内某所>

 

本日はひな祭りです。

ひな祭りと聞きますと、

着飾った女の子や華やかな人形飾り、

色とりどりのお菓子の類が思い浮かびますが、

この日はもともと無病息災を願う祓いの行事でした。

 

現在のように、女の子の成長を祝う、

おめでたいお祭りとして定着したのは、

戦乱の世が過ぎた江戸時代からだとか。

その昔は陰陽師(おんみょうじ)を呼び、

天地の神に祈りお供え物をした上で、

紙の人形(ひとがた)に災厄を託し、

丁重に海や川に流したそうです。

 

ほんの数百年前まで、

幼くして流行病で亡くなったり、

戦乱で命を落としたりする子どもが、

想像以上にたくさんいたのでしょう。

こうして当たり前のように

ひな祭りの行事を楽しめるのも、

今の日本が穏やかな時代だからこそ。

季節の行事にこめられた意味を噛みしめながら、

春の訪れを待ちたいですね。