たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

瀬織津比売

2015-03-07 22:51:57 | 神道・祖霊崇拝・祭り

<荒祭宮 あらまつりのみや>

 

祓戸四神(はらえどよんしん)の一柱である

瀬織津比売(せおりつひめ)は、

古事記や日本書紀には登場せず、

大祓詞の中にのみその名を記す神様です。

ちなみに大祓詞(おおはらえのことば)では、

「早川の瀬に坐す。瀬織津比売と伝ふ神」とされ、

人間の出した罪穢れを、

最初に受け取る役目を担っています。

 

大祓詞の内容からもわかるように、

日本人の価値観や日常生活において、

重要なカギを握る瀬織津比売ですが、

幾多の神社の主祭神だったにも関わらず、

ご祭神の名前を書きかえられたり、

同じご利益を持つ弁財天などと

習合して祀ったりするケースも多いよう。

 

一説によれば、内宮の別宮である伊雑宮も、

もともと瀬織津比売をお祀りしていたという話もあり、

またある史書では、内宮の荒祭宮のご祭神の別名が、

瀬織津姫および八十禍津日神(やそまがつひのかみ)

となっているそうです。

強い力を持つ存在であればあるほど、

表舞台から隠れてしまうのは、

いつの時代も同じなのかもしれません。

 

【八十禍津日神とは】

イザナギが黄泉の国から戻り禊をした際に、

黄泉の国の穢れから生まれた神で、

災いを防ぐとも災いを生み出すともいわれる。