ぱんくず日記

日々の記録と自己分析。

お冷やのおずる

2012-01-02 20:52:59 | 読書
先日ようつべ動画で断片だけ発見した
1981年大竹しのぶ主演のドラマ『和宮様御留』は
幾ら検索しても何処にもドラマ全編が見当たらないので
この正月休み中に読もうと文庫版を取り寄せた。


『和宮様御留』 有吉佐和子著 講談社文庫(1981年)

 
当時話題になった本であるが、私はドラマを見ただけで読んでいなかった。
ほんの数分のようつべ動画の断片の中にさえ聞き取れず
意味のわからない言葉が幾つもあった。
大竹しのぶの演技は凄いが登場人物の喋る言葉のわからないのも
すっきりしないので、原作を読めばわかるかと思って。


本を読むのは久しぶりである。


「宮さん、本日の御膳は
 お好きさんであらしゃるお冷やのおずるでござります。」
        =宮様、本日のお食事はお好きな冷たいそうめんでございます。
         

面白い。


そうか。
「お冷やのおずる」は盛り蕎麦ではなくてそうめんだったのか。


宮中言葉の表現が珍しく面白い。
お冷やのおずるだけでなく、他にもいろいろ珍しい表現が。


「宮さん、おひなって頂かされ」=宮様、起きて下さい


「…お心配さんでおうろうろしておいでやと思います」
               =…心配でうろうろしていらっしゃると思います。


「今日までは、ほんまにお嫌さんの事ばかりであらしゃりましたよって」
               =今日までは本当に嫌な事ばかりおありでしたので


「お寝り(おしずまり)遊ばされませ」=お休みなさいませ


「何のお動じさんもあらしゃいませなんだ」=何事もありませんでした


「ただちにお召し替え、お楽々さんにして頂かされねばなりまへんよって」
      =ただちに着替えをして、楽にして頂かなければなりませんので


大体こんな意味だろうか。
昔見たドラマでも先日見つけた動画でも、耳で聞いただけでは
意味のわからない表現が多かった。
特に“お動じさん”“お楽々さん”などの言葉は
動画を何度再生しても何を言っているのかさっぱり意味がつかめなかったが、
原作を文字で読んでみてやっと意味が通じた。
外国語並みのヒアリング難易度である。
こういう日本語があるのか。


面白い。
異文化といえば、これ以上の異文化は無いくらいに珍しい。
明日一日、この本もうしばらく楽しんで読もう。

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