まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

わたしは、ダニエル・ブレイク

2017年03月21日 | 日記

ちょっと気になっている映画がある。
最近、新聞のコラムなどで
しばしば取り上げられていて興味を持った。

その映画とは・・・
イギリスの巨匠ケン・ローチ監督が
昨年、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)に輝いた
新作「わたしは、ダニエル・ブレイク」である。
ケン・ローチは80歳の高齢で引退したと思っていたのに
わざわざこの映画のために引退を撤回してメガホンを取ったと言う。
うーん、それほどの力作なのか!
これはぜひ映画館に足を運んで観なければならない。



毎日新聞の連載「映画愛」で
東大の藤原帰一先生もこの映画を絶賛していた。
イギリスの失業者の話である。
ケン・ローチと言えば半世紀にわたって一貫して労働者や移民の問題を
ユーモアをまじえながら鋭く描いて来た監督だが
この映画はその集大成だと言う。



心臓病で医師に仕事を止められた59歳の大工と
都会のホームレス宿泊所を追い出された
27歳のシングルマザーとの心の交流を描いた映画である。
彼女は二人の子供を育てながら
大学で学んで人生の再出発を図ろうとしている。
しかし、援助一つ受けようとしても
複雑でしゃくし定規な社会制度と温かみのない役所の対応に
ひたすら降り回されて疲弊していく。
そんな彼女に手を差し伸べるのが主人公である。
拡大する格差社会の中で追い詰められていく労働者たち。
これはイギリスの現実であると同時に
まさに日本の現実でもある。

私は人間だ。犬ではない。ダニエル・ブレイクである。
ケン・ローチの「怒り」を観て見たい。