まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

のうまくさんまんだ~♪

2017年03月15日 | 日記

石神井川沿いにあるお不動さん。
なんの信仰心もないバチ当たり者の私ではありますが
たまに仕事帰りに前を通ると
ガラにもなく手を合わせたりすることがあります。



正式には「不動明王像」と言います。
不動明王は真言密教では大日如来の化身と言われていて
大変怖ろしい顔をしていらっしゃいます。
まさに「憤怒」の表情とでも言ったらいいでしょうか
煩悩から抜け出せない人間たちを片っ端から縛り上げて吊るし
力ずくでも救い出すと言う乱暴な仏様です。
私のような煩悩だらけ人間は真っ先に血祭りにあげられそうです。



この日は牛乳とバナナが供えられていました。
いやあ。栄養タップリですねえ。
このお不動さんは普段から近所の人の信仰を一身に集めていて
お花やお供えが絶えたことがありません。
像はかなり古いもので後背の部分は欠けてしまっていますが
なかなか威厳があってご利益がありそうです。



私が写真を撮っていると・・・
乳母車を押したおばあちゃんがやって来て
お不動さんの前に花を供えるとお経を唱え始めました。

  「のうまくさんまんだ~のうまくさんまんだ~」

これは真言のお経ですねえ。
確か「仏の心に帰依します」という意味だったと思うのですが
いい加減なことを言うとバチが当たります。(笑)
それにしても・・・
人が一心不乱に神仏に手を合わせる姿は美しいです。
スキがなく神々しい威厳に満ちています。
邪魔をしたら悪いので私がこっそり立ち去ろうとすると・・・

  「私は今年で93になるのよ」
  「え、あ、93歳ですか!凄いですねえ」
  「こんなに長生きできるのも、お不動さんのおかげよ」
  「毎日、お参りされているんですか」
  「散歩の途中にねえ。雨の日も欠かしたことがないのよ」

おばあちゃんは手を合わせたまま話しかけて来ました。
このお不動さんの前は何度も通っていて
ブログの記事で取り上げたこともあったのですが
人と喋るのは初めてでした。
おばあちゃんはお不動さんへの感謝を口にしながら
またご真言を唱え始めました。

  「のうまくさんまんだ のうまくさんまんだ」

その背中に一礼すると
私はゆっくり自転車で走り出しました。