まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

レンゲ畑でつかまえて

2017年03月14日 | 日記

住宅街のど真ん中で
思いがけず「レンゲ畑」に出くわしました。
今どき東京にこんな風景があるなんてちょっと驚きです。

レンゲと書きましたが
正式には「ゲンゲ」と言うそうですね。
子供の頃は家の周りのあちこちに一面のレンゲ畑があって
よく寝転がったり走り回ったりしたものです。
蝶々がヒラヒラと飛び回ったり
ミツバチがブーンと鼻先に飛んで来たり
レンゲ畑は遠い少年時代の記憶と懐かしく重なり合っています。
そう言えば「春の小川」なんて唱歌もありましたね。

   春の小川はさらさら流る
   岸のすみれやれんげの花に
   匂いめでたく 色うつくしく
   咲けよ咲けよと、ささやく如く。

うーん、レンゲがどんな匂いだったか記憶にありません。
寝転がると青臭い草の匂いと
むせかえるような土の匂いつつまれて
何やらせつないような気持ちになったことを覚えています。

レンゲ畑ではありませんが・・・
サリンジャーに「ライ麦畑でつかまえて」という小説がありました。
もうすっかり忘れてしまいましたが
確か高校を退学になった主人公の17歳の少年が
クリスマスのニューヨークをさ迷い歩くような話だったと記憶します。
社会の矛盾や欺瞞にウップンを抱く少年の心情が
当時の若者たちの支持を受けた古典的な「青春小説」でした。
それより何よりショックだったのは
ジョン・レノンを射殺した犯人マーク・チャップマンが
逮捕直前までこの「ライ麦畑でつかまえて」を呼んでいたという事実で
なんとも衝撃的で忘れられませんねえ。

あ、レンゲ畑とは関係のない話で申し訳ありません。



ぼんやりレンゲ畑を眺めているうちに
ドンドン陽が陰って来ました。
寝ぐらへ帰るムクドリの群れが上空を大きく群舞していましたが
カメラを向けても何も写っていませんでした。
仕事帰りに自転車で道に迷って遭遇した一面のレンゲ畑。
もう二度と見ることはないかも知れません。