まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

長友啓典さん逝く

2017年03月06日 | 日記

今年に入って訃報が相次ぐ。
グラフィックデザイナーの長友啓典さんが亡くなった。
デザイン関係は門外漢の私だが
友人であるアート系の業界人たちには
長友さんを尊敬する人たちが本当に多かったと思う。



訃報記事には「デザイン界の大御所」などと紹介されていたが
そんな偉ぶったところが少しもなくて
いつもニコニコ、いつも飄々とした物腰の人だった。

生粋の大阪人である。
名門の府立天王寺高校を卒業後は
鉄工所の旋盤工や倉庫番などの雌伏の時代もあったと聞くが
二十歳で上京し、桑沢デザイン研究所を卒業。
1963年、日本デザインセンターに入社すると
横尾忠則や宇野亜喜良などキラ星のごとき才能とともに業界の第一線で活躍。
まさに才能が一気に開花した感がある。



長友さんと言えば・・・
やはりイラストレーターの黒田征太郎である。
ともに大阪出身ということで、よほどウマが合ったのだろうか。
1969年、二人で事務所「k2」を設立。
周囲から「双子」と称されるほど仲が良くてどこへ行くのも一緒だった。
一度、ミナミのアメリカ村で開かれたティーチインに
私も参加したことがあったが
普段から才気走って喧嘩っ早いヤンチャな黒田を
いつもニコニコと見守っているような印象で兄貴のようだった。
雑誌、ポスター、イベント・・・
時は全共闘運動が一世を風靡した時代だったが
二人の仕事もまさに一世を風靡した。



ANAの機内誌「翼の王国」でエッセイも担当しておられた。
仕事で東京と大阪を往復するときは
この長友さんのエッセイを読むのが(見るのが)楽しみだった。
本にもなっているとは知らなかったなあ・・・



日本全国の「みやげもの」を取り上げた楽しいエッセイだった。
実際、記事を読んで買ってみた土産物も多かった。
デザインのことはよくわからないが
とても「色彩感覚」に優れた人ではなかっただろうか。
押入れにしまったままの
懐かしいエッセイをまた読んでみたいと思う。
合掌!