まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

渡瀬恒彦さん逝く

2017年03月16日 | 日記

朝、寝ぼけまなこでテレビのスイッチを入れたら
またまた訃報が流れて来た。
俳優の渡瀬恒彦さんが亡くなったと言う。
つい先日、同じ東映育ちの
松方弘樹さんが亡くなったばかりだというのに・・・



兄の渡哲也さんと比べられることが多かったように思う。
確かに日活の青春スターだった兄に比べると
どちらかと言えば地味な印象だが
演技の幅は広くユーモラスな役もこなせる器用な俳優さんだった。
もともと芸能界には全く興味がなく
早稲田出身のエリートサラリーマンだったのに
東映の岡田社長に強引に口説かれてのデビューだったと聞いている。
それだけに変な気負いもプライドもなく
どんな役も貪欲にこなすブロの俳優さんだった。

映画だけでも作品は星の数ほどある。
どれか一つと言われれば・・・
1981年公開の前田陽一監督「神様のくれた赤ん坊」を挙げたい。
桃井かおりさんとの共演だが二人とも呆れるほど若い!
ひょんなことから母親に捨てられた少年を預かることになったカップルが
父親を探して全国を旅するロードムービーである。
喜劇を撮らせたら前田陽一の右に出る監督はいないだけに
笑いあり涙ありのハートウォーミング映画だった。
この年のキネマ旬報・主演男優賞を受賞。
渡瀬恒彦さんにとっても一皮むけた記念碑的作品となった。



後年はテレビドラマで見かけることが多かった。
中でも西村京太郎原作の「十津川警部シリーズ」は息が長く
伊東四朗の「亀さん」との名コンビが秀逸で
ずいぶん楽しませてもらった。



土曜ワイド劇場の「タクシードライバーの推理日誌」も
二時間ドラマの傑作でよく見たものだ。
警視庁の警部補を退職してタクシードライバーとなった夜明日出夫が
乗客が関係する難事件を得意の推理で次々に解決していく。
ある意味、ご都合主義のドラマであったが
渡瀬さんの実直なタクシー運転手がなんとも新鮮だった。



とくに好きだったのが「おみやさん」である。
京都鴨川東署の資料課に勤務する警部・鳥居勘三郎が
部下の女性とともに迷宮入りした未解決事件(通称・お宮入り)を
これまたバッサバッサと解決していく。
学生時代を京都で過ごした私は見るもの聞くもの懐かしく
それだけで楽しかったものである。

こうして見ると・・・
私がいかに「刑事ドラマ」好きだったかがお判りいただけよう。
そして、そこには必ず渡瀬さんがいた。
早稲田では空手部でならした猛者で
芸能界でも喧嘩にはめっぽう強かったという渡瀬さん。
病魔を打ちのめすことが出来なかったのが
なんとも残念でならない。