平成30年7月19日(木)
富士山静岡空港の改修と民営化に向けた準備、県内で唯一の私立特別支援学校、ラグビーワールドカップ2019開催準備が進むエコパスタジアムを視察してきました。
富士山静岡空港は、来年で開港10周年を迎えます。空港利用者数は開港当初の平成21年度が52万7千人余で平成23年度は41万1千人余に下がったものの、それ以降は増え続け、昨年度は目標とする70万人まであと一歩の67万人余まで伸びています。特徴は地方管理空港としては国際線利用客数が日本一であり、富士山世界遺産効果など観光で訪れる外国人が増えています。ただ、国際線の1時間あたりの処理便数は1便であり、これを3倍に増やすためのターミナルビル増改築が行われています。便数対策だけではなく、利用客の利便性向上のための飲食や物販スペースを拡大し、ラウンジやイスラム教対応の礼拝室などを整備し、県産材を使ったくつろぎ空間を確保しています。視察では、空港の運営状況とともに工事などの進捗状況を確認しました。また、来年4月から空港経営権が民間企業に移転されるなど、静岡空港は大きく変わろうとしています。
(改装中の国内線ターミナル外観)
(2回の飲食コーナー。県産材がふんだんに使われ、柔らかいイメージが漂う)
(搭乗待合室の椅子も県産材でつくられている)
(貴賓室の様子。壁にはスペイン国王夫妻が静岡空港から帰国した写真が飾られている)
(格納庫や整備建屋も増設中)
ねむの木学園は、女優の宮城まり子氏が1968年に、心身に障害を持ち家庭に恵まれない子ども達を支えるため、日本初の肢体に不自由を持つ子ども達12人を迎えて立ち上げた養護施設です。脳性マヒの子ども達の感覚を集中させること、長時間一つのことをやっていられること、年齢より能力をと考え、絵画・音楽・ダンス・詩・作文・茶道・工芸などの感性を育てることを重視した教育を行っています。
現在、73人の子ども達と80人ほどの職員が、「やさしくね、やさしくね、やさしいことはつよいのよ」という言葉に象徴されるように、すべての人、すべてのものに対して常に慈しみの心を注ぐことが人間としての本来に強さであるという理念のもとに、「だめな子なんて一人もいない」ことを実践していると説明していただきました。
視察では、最初に施設内に併設されている「ねむの木子ども美術館」を訪れ、施設の子ども達が描いた絵画やマフラーなどが展示され、その見事な作品に驚かされました。編み物であるマフラーなどは「匠」の域に達しているともいわれ、茶道も免許を取得するなど、個性を引き出す教育の効果が随所に見られました。
施設には、障害児の入所施設や障害者支援施設などを運営する社会福祉法人「ねむの木福祉会」と、その入所施設で暮らす子ども達が通学する、学校法人「ねむの木学園」があります。この学校法人が特別支援学校の位置づけとなっています。
県議会文化観光委員会は私学振興を所管とすることから、県内で唯一の私立の特別支援学校の取り組みを調査することが目的で視察したものです。
私学でなければできない柔軟な発想と運営が、私達の心を揺さぶりました。91歳になる宮城まり子氏は、今でもホームルームに時々顔を出されるそうで、「施設のおかあさん」として、子ども達に慕われているそうです。
(ねむの木学園の入り口)
(園内全てがキャンパスと作品)
(ねむの木学園について説明いただいた担当者)
(運営理念をスライドで説明)
(ねむの木子ども美術館の外観)
ラグビーワールドカップ2019開催(2019/9/20~11/2)まであと1年2ヶ月ほどとなり、本県では小笠山総合運動公園にあるエコパスタジアムが会場となるため、県が関わる取り組みの進捗状況を視察しました。
準備内容は、交通輸送、警備、開催都市装飾、ファンゾーン、ボランティア、おもてなし計画、機運醸成などがあります。これらの準備には、県と組織委員会、公認チームキャンプ自治体、ファンゾーンでは設置場所となる静岡市と浜松市などとの連携が必要となります。これらの準備は開催直前まで続くといいます。
(エントランスにある機運醸成の展示)
(私達視察団のために、改装された大型ビジョンに映像を映していただいた)
(外観は準備が整っているようにも見えるがまだ未完)
(エコパスタジアムを担当する組織)
施設整備はほぼ平成30年度内に終わる予定で、仮設トイレなど直前に準備されるものも残されています。予定期間内に全て終わる事になっていますが、関係者の皆様は今後さらに作業に拍車がかかると予想され、県民にとって「一生に一度」の大スポーツイベントが成功できるよう、所管委員会として取り組んでいきたいと思います。
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