令和3年7月1日(木)
県知事選挙後初めての定例会が始まりました。初日は上程する議案の質疑や知事の所信表明、先議すべき議案の所管する常任委員会における審議と採決などが行われました。
知事選直後だけに、知事がどのような所信表明をするのか関心が集まりましたが、比較的穏やかで、選挙戦中に見せた過激な表現はなかったように思えます。しかし、19日から始まる代表質問や一般質問では、この4年間の県政の舵取りを担うわけですから、ここでの論戦はかなり踏み込んだ内容になることが期待され、今日は単なる顔合わせといった雰囲気でした。
今後の県政運営については、最優先すべきものとして命を守る安全な地域づくりを挙げ、「新型コロナウイルスの克服」と「地震・津波、風水害対策」について触れています。コロナ関係では、検査・医療体制の充実などの実効性のある感染症対策の確立を図り、ワクチン・治療薬の国内薬の開発促進や国と連携した感染症専門病院の設置について検討していくとしています。また、自然災害対策では、南海トラフ地震による想定犠牲者のゼロを目指すとしました。以前は減災という表現で犠牲者を8割減らすとしていましたが、今回はさらに踏み込んだ対策を講じるということになります。
激甚化する豪雨災害対策強化と防災先進県という表現は特に目新しいものでなく、これまで以上の強化策については今後質していかねばなりません。
「地球環境の世紀における自然環境保全と経済活動の両立」については、従来の国土づくりの発想も見直されており、需要予測や危機管理などへの疑問が生じ、建設費用が増加する中、リニアの進め方についても一度立ち止まるべきだという表現を使っています。残念ながら、このことを議論するためには、国の議論に発展させることが必要であり、今の国との関係の中でどのように考え方を伝えていくのか、その先行きは全く見えません。
リニアの課題については、JR東海と科学的根拠に基づいた対話を尽くすことで、県民の「命の水」と南アルプスの自然環境をしっかり守るとしています。この言い方はこれまでと変わらず、私達会派も同じ考えですが、選挙中には過度に国やJRを非難する言動のみが目立ち、どのような意図があるのか理解できませんでした。この件については、知事の本意を質していく必要がありそうです。
知事選挙では、コロナとリニア、人口減少対策が大きな論戦テーマでしたが、終わってみると何を強調していたのかよく分からなくなりました。しかし、県政の重要課題であることは間違いなく、議会活動の中でしっかりと質していきたいと思います。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます