平成29年3月20日(月)
春の彼岸を迎え、菩提寺にある先祖の墓参りに出かけました。普段足が遠のいているお詫びに、まずはお墓の掃除と花を手向けてきました。
すると、墓標の横にある塔婆立てにはいつも彼岸の入りと同時に塔婆を建ててくれるお馴染みの方々の名前が並びます。父や祖父の代からかかわってきた方々で、多くの皆様との絆の強さに心が和む時でした。
さて、所用で東京に出かけ、久しぶりに秋葉原にある静岡県のアンテナショップ「ふじのくにおいしい処静岡」(通称おいしず)に立ち寄ってみました。
場所は、秋葉原の駅にほど近く、JRのガード下を利用した全国から集まる施設です。正式名称は、日本のいいもの逸品市場「ちゃばら(CHABARA)」で、全国の自治体や民間企業などの70社あまりが出店しています。
静岡県では、平成25年に首都圏での本県産品の情報発信拠点や、販路開拓を支援するために設置されたもので、設置以降、上京の折には時々訪問をさせていただいています。
静岡県コーナーには、県産品(お茶やお茶を加工した食品類、しらすや桜エビ、マグロやカツオの加工食品、静岡県が誇る酒米「誉富士」を使った県内各酒蔵の銘酒など、また、今回は富士宮のニジマスの甘露煮も出展されていました。県のホームページでは、「ここでしか買えない静岡県ならではの商品を販売している」と紹介していますが、いつも見慣れている県民としては、目新しさを感じるものではありません。
しかし、県が言うように、販売コーナーに立ってしばらく様子を見ていると、品物を手に取りじっくりと眺めていく人、たまに購入していく人など様々でした。
私がここに立ち寄る理由は、このコーナーの運営状況がどうなのか、他県のPRの仕方がどうなのか比較することができること、視察で全国各地を周り、その地域の特産品を自分の目で見てきた経験を生かして考察することに関心を持っています。
もう一つ訪問する楽しみがあります。それは、この「おいしず」とは別の一角に静岡県産として積極的に塩辛を専門に売り出す店舗があり、そこの客の動きには大変興味がありました。正確には、商品の製造元の社長が自ら売り子として店頭に立ち、相対で接客をしている姿に興味を引いたということです。
商品は70種類にも及ぶ塩辛を取り扱い、塩辛というと「和」のイメージですが、ここの塩辛はその枠を超越しています。よく考えてみれば、海産物を食材とする国々にはこの類いの食品があるのは不思議ではないのですが、その国を食品をまねたのではなく、日本人が編み出した所に、「和」「洋」の壁を取り払い、かつ日本人の嗜好に合った味付けが人気を呼んでいるのかもしれません。
先日、たまたまテレビを見ていたらこの店舗が、そして店主のインタビューが載っていました。インタビューアーは、店主の話に惹かれお土産に塩辛を買って帰ったのですが、その後の客足に影響があったのは言うまでもありません。
しかし、それ以前から見てきた私は、テレビの影響はあったものの、明らかにこの施設内の他の店舗とは、違うにぎわいを見せてきました。
そこには理由があります。この施設内の物品販売は、各店舗に専従の販売員がいるようではなく、委託でしかも静岡県のPRを期待するには地元情報をどれだけ知っているか不安なところがあります。
先ほど紹介した、盛況の店舗も当初は同じで売り上げが伸びず、社長自ら週末に上京し店先に立ちました。その苦労があって、客が増えていったのだと信じています。
今回訪れた時は、「おいしず」に静岡市内で茶生産を行っている女性が店頭に立って、静岡茶を紹介していました。聞くと、年、2~3回は上京するそうです。私には、試飲の静岡茶を振る舞っていただきましたが、とてもおいしくいただきました。二煎目と後から聞いて驚くほどのお茶の味に、改めて静岡茶の魅力を感じたところです。
私が静岡県人であることを伏せて、彼女は静岡茶の魅力を語ってくれました。
本当の魅力は、生産者である地元の人達でなければ伝わらないのかもしれません。皆さんもお時間があったら、是非お立ち寄りください。
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