令和6年12月18日(水)
このほど、富士市の農林水産業の振興及び発展のためにご尽力された方々の表彰式が行われ、来賓として出席させていただきました。


市長のあいさつを引用すると、「農林水産業は、人が生きていく上で欠かすことのできない食料と自然を守る仕事であり、受け継がれてきたそれぞれの産業は、留めることなく大切に後世に伝えていかなければなりません。」と述べています。
まさに、今の時代だからこそこの言葉は重要な意味を持ち、市民全体で考えていく必要があります。
食料確保は戦略を持って取り組むべき課題の背景には、世界の政情不安や急激な人口増加により食料確保は地球規模の課題となっています。先進国でも主食になる穀物などは自国内で生産し、十分な確保ができているところが多い中、日本国内での食料自給率は4割を割っており、多くを輸入に頼っています。
さらに、自国内で農業に必要な肥料や飼料などもほとんどが輸入されていることから、これが高騰し、さらに輸入が困難になれば、国民の命に関わる重要な問題です。
このような状況に鑑み、国も農業に対して戦略的な方針を打ち出し、自国内での食料自給率の向上を目指しています。ただ、国土が狭い日本では、効率的な農業を実現するためには多くの課題を抱え、結果としてコストがかかることになり、価格競争では、輸入品と比較すると課題が残ります。
コスト高を販売価格に乗せざるを得ない国内農業の現状と、世界を巡る食料事情を考えると、日本の農業を守るためには消費者の理解が大きなカギとなります。
農家は、生産コストを抑えるための努力を重ねており、それを実現するためには行政の支援も欠かせません。さらに、商品として付加価値の高い、安全で安心な農作物の提供を実現することで、消費者の理解を求める努力も必要です。
厳しい農業を取り巻く環境において、それぞれの分野で活躍されている表彰者は、生産性や技術の向上、新分野の開拓、後継者の育成などにご尽力いただき、受賞に至っています。厳しい食料事情を考えると、受賞者の皆さんの努力をさらに重ね、広げていくことで安定的な食料確保につながることも期待しています。
また林業は、治山治水、そして温暖化対策を進める上では欠かせません。激甚化する豪雨災害などから、人の命を守る、街を守ることにつながる重要な役割を担っています。
受賞者は、茶振興に貢献され功労表彰の杉山孝文氏、林業振興に貢献された渡邉誠氏、果樹栽培で貢献された富士三水園様の2氏1団体でした。私も普段からお世話になっている方々で、今後の更なるご活躍を期待しています。
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