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鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

県庁を訪れたインターンと会話して

2025年08月17日 | 議会活動
令和7年8月17日(日)

 最近、通勤の途中で就職のための企業訪問に向かう服装とみられる若い人たちを見かけます。これから社会に出て行く準備期間を迎え、なんとなく緊張感が漂ってきます。私も何十年も前に就職試験を受けに行った頃を思い出し、彼らの心中が分かるような気がしました。

 先日、県庁には将来、県庁職員を目指す大学生がインターンとして訪れ、短い時間でしたが会話することができました。
 県庁には行政機関と議会が同居しており、私も議会側の一人として行政との連携についてお話をさせていただきました。

 私を訪れたのは、県内東部と西部出身の二人でした。彼らが県庁職員を目指す考えを聞くと、行政職に対する思いを子どもの頃から抱いていたことや、その理由などを説明してくれました。
 行政職は、経済が上昇機運の時は民間企業に目が向くと言われ、ここ数年は県庁職員を含め公務員になるための受験者数が少ないと言われています。学生にとっては「売り手市場」であり、就職率や希望する企業に入社できる可能性が高くなっています。
 その環境下にあって、二人のインターンは公務員になることに迷いはなさそうに感じました。貴重な人財と言えます。

 私は市議会議員を経て県議会議員になったことや、政治の世界に入った経緯について。二人が文系であることに対し私は理系出身であることなどについて触れ、議員は様々な社会や職業を経験した人たちが集まり県政をチェックしている機関であり、それ故に多面的な議論ができる場と説明しました。何よりも選挙で選ばれた県民代表であることやその義務と責任について触れました。
 県職員も議員も県民のために仕事をすることに変わりませんが、議会の役割を理解して行政職になることは重要なことです。

 一人が地方のルールを条例化することに関心があったので、行政だけでなく議会も自ら条例提案できる仕組みがあることを伝え、その背景には2000年の地方分権一括法の施行によるものであり、その後に議員を目指す人は自分たちが地方を変えていく意志が強くなったことを伝えました。

 熱意あるインターンとのふれあいは、私自身が忘れかけていた政治家になった原点を思い出す機会でもありました。彼らと県庁のどこかで職員として再会できることを期待しています。
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終戦80年を迎えて

2025年08月16日 | 議会活動
令和7年8月16日(土)

 昨日は終戦80年を迎え、私の地元でも市が主催する戦没者追悼式が市幹部や市議会議員及び県議会議員、遺族会などが参加して開催されました。
 終戦80年は、戦争の悲惨さや平和の大切さを後世に伝えていく大きな節目となり、本県も「静岡県終戦80周年平和記念式典」など特別な事業に取り組みました。



 市の戦没者追悼式は、例年と変わることなく淡々と進行しましたが、参加する遺族会の方々も高齢化し、年々、減少していくことを実感しました。
 一部の遺族会では次世代に引き継いでいるという話を聞きますが、さほど進んでいるようには思えません。また、戦争で犠牲になった遺族を中心とした追悼式ではありますが、国民全体でこの教訓を生かし平和な世界の実現につなげていくことが重要であり、行政や議員のほかにも遺族以外の一般の方が参列し、共有していくことがあってもいいようにも感じました。

 追悼式以外では、若い人たち、特に子どもたちには平和学習として戦争体験者などの貴重な話を聞く機会があり、その様子は報道などで知ることができます。地域に住む方々が、自分たちの戦争体験を今伝えないと、今後その機会がさらに失われていくとの危機感から、私のところにも学校などで話す機会を作ってほしいという相談も受けたことがあります。学校側も、そのような申し入れがあれば快く受け入れてくれ、実現した例もありました。

 私も子どもの頃、祖父母から戦争について何度も話を聞いたことがあります。父は終戦に年に徴兵され、祖父母が近くの駅まで父を見送りに行き、戦争が激しくなった中での徴兵であり、生きて帰ることができるか心の内を話してくれました。また、列車を待っている間に駅近くの軍需工場には米軍の戦闘機による空襲があり、急いで駅の地下道に隠れてやり過ぎした時の恐怖感は、より一層、自分の子どもの出征を不安なものとしたに違いありません。

 我が家の戦争体験も、祖父母がいなくなってからは話題になる機会がほとんどなくなりましたが、終戦80年を機会に、我が家の戦争体験として家族には伝えていきたいと思います。
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厚生年金加入漏れの背景は

2025年08月15日 | 議会活動
令和7年8月15日(金)

 老後の生活を支えるための年金制度は様々な課題を抱えながらも、重要性は変わりません。特に厚生年金に入る要件を満たしながら、国民年金にしか加入していない人が2023年時点で約97万人に上るという厚生労働省の推計に関する報道もありました。
 事業者の保険料負担逃れがその理由とされ、厚労省と日本年金機構は国税庁から提供を受けた事業所の情報を活用し、未加入の事業者を割り出し指導しており、2024年に200万人近くの厚生年金加入漏れがあったものが2023年には97万人と減少しています。

 厚生年金は現在、全ての法人事業所と従業員5人以上の個人事業所の一部業種を除き加入義務があります。将来の年金受給額を手厚くするために、政府はパートなどの短時間労働者の加入対象を拡大しており、今年6月に成立した年金制度改革法で、企業規模が従業員51人以上と年収要件が106万円以上の撤廃が決まっています。
 保険料率は18.3%で、事業者と従業員とで折半します。事業者が保険料負担を避けるために手続きせずに適用逃れするケースがあり、厚労省の推計では25年3月時点で15万事業所が加入逃れという報告もありました。

 事業者の理解が重要なカギとなりますが、賃金上昇や保険料負担などは雇用を確保する上でも重要な責務です。しかし、現実的には物価高騰にあえぐ、特に中小零細企業にとっては大きな負担である現実があります。事業が安定していなければ支払うものも支払えないという声は、ここしばらく経営が厳しい状況が続く、業種を問わず特に規模の小さな事業者から私たちのところにも届いています。
 企業努力を前提としても、事業者への支援が十分でないと働く場が失われることもあり得ることで、保険料負担問題は労使ともに抱える課題として考えていく必要があります。

 厚生年金を巡ってはこれまでも様々な課題がありました。年金漏れは大きな社会問題になりました。例えば、厚生年金の保険料が給料から天引きされていたのに、加入期間に反映されず、記録もない場合があります。証拠となる資料がないと、泣き寝入りをすることになりますが、「関連資料」と「周辺事情」により「第三者委員会」によって救済される制度があります。
 厚生年金の場合は「給料明細」「雇用主の証言」などにより、加入記録として認められることがあります。ただし、厚生年金をまとめて支払うべき事業主が、故意に報酬月額を低く見積もり、支払うべき保険料を減額していたり、全く支払っていなかった場合には、年金漏れとして認められないことが多いといいます。
 事業主が保険料を納付していない場合は、一般の時効は2年となっていますが、2年より前の保険料についても事業主に支払うように請求することが可能です。

 年金制度については雇用される側も、年金という将来の生活を支える大切なものを守るためにそのしくみを知っておくことも必要と考えます。
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新県立中央図書館問題で今後の見通しは

2025年08月14日 | 議会活動
令和7年8月14日(木)

 老朽化が進む県立中央図書館の建て替えは、JR東静岡駅機南口を候補地として進められていますが、財源確保の不手際から建設推進が暗礁に乗り上げ、先頃閉会した県議会6月定例会では所管する文教警察委員会は定例会中の審査が終わらず、閉会後の継続審査となり、その原因究明や検証、再発防止などについて集中的な議論が交わされました。

 数回にわたる継続審査が終了し7月31日には、所管委員会はその審査結果を踏まえ、県教育長に対し事務の適性執行を求めた申し入れを行い、とりあえずの収拾を図っています。

 申入書では、事務の適正な執行を求め、原因のさらなる調査と責任の所在の明確化、再発防止策の報告と県民への謝罪などを求めています。
 申入書を受け教育長からは、「場合によっては第三者による経緯確認も必要になる。報告書をまとめる過程で責任の所在を明らかにしたい。」などと述べています。

 知事は、6月定例会の冒頭で、新県立中央図書館建設に関連し、「昨年11月の入札不調の後、再入札に向けて準備を進めてまいりましたが、当初の計画から財源の見通しが大きく変わることが明らかとなりました。
 こうした状況を踏まえ、一旦立ち止まって整備方針を見直すことにいたしました。東静岡地区にふさわしい施設を目指し、デジタル技術の進展などの社会情勢の変化や、関係の皆様の御意見も踏まえながら、年内を目途に方向性を示せるよう、庁内に部局横断的なプロジェクトチームを立ち上げ検討を進めてまいります。」と説明していました。

 一連の動きの後、知事は記者会見にて今回の申入書に関するコメントを発しています。「今回の事態を大変重く受け止めている。大型事業は見込みで進めるのでなく、しっかりと財源を確保した上で全長一丸となって取り組むことが必要だ。教育委員会はしっかりと調査した上で、再発防止策を検討し、県議会に報告してほしい。」と述べています。

 所管委員会の申入書には、教育委員会への戒めのほか、今回の事案を教訓に全庁的な再発防止を求めており、知事の発言にはこのことに関する姿勢が明確ではありませんでした。来月には9月定例会が開催され、新県立中央図書館建設に向け新たに発足したプロジェクトチームの動向が注目されます。このチームは全庁的に取り組むとしており、県政のトップとしてこの取り組みにより挽回するためにも、明確な再発防止に向けた姿勢を示すことが必要と考えています。
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南海トラフ地震臨時情報防災対応ガイドラインの改訂

2025年08月13日 | 議会活動
令和7年8月13日(水)

 先日カムチャツカ半島付近で発生した大地震により、国内各地で津波が観測されました。東日本大震災の震源地よりもさらに遠方で発生した地震は、岩手県内沿岸で1.5mを超える津波高を観測し、巨大地震への恐怖を改めて感じました。

 南海トラフ巨大地震はいつ発生してもおかしくない状況にあり、時間経過とともに様々な教訓や知見を生かして、その対策が変化しています。常に見直しをかけることで対策の強化に繋がることはいいことですが、震源域に住む方々の意識を高めておくことが必要で、行政等の対策が進む中、防災の基本である「自助」や「共助」に対する意識の低下を防ぐことが重要です。

 先日、内閣府は南海トラフ巨大地震に関し、臨時情報の発表時に住民や企業がとるべき防災対応を定めたガイドラインを改定しました。
 2024年8月に宮崎県日向灘付近で発生したマグニチュード7.1の地震発生に伴い、初めての「巨大地震注意」が発表され様々な課題が表面化し、それをもとにした教訓を得ました。

ガイドラインに記述された臨時情報の基本的な考え方は、
●地震発生時期・規模・場所についての確度の高い予測は困難であるが、一定規模以上の地震の後に更に大規模地震が発生した全世界の事例等をもとに、南海トラフ沿いの想定震源域で大規模地震が発生する可能性が平常時と比べて相対的に高まった旨を「南海トラフ地震臨時情報」として発表することとしている。

●臨時情報が発表されたからといって、後発の大規模地震が発生するかどうかは不確実である。これを前提としながら、住民は「自らの命は自らが守る」という原則に基づき、行政や事業者等においては「地域や利用者等の安全確保」と「社会経済活動の継続」とのバランスを考慮しつつ、自らの行動を自ら判断することが重要である。

●各主体(住民、地方公共団体、事業者等)は、臨時情報が発表された際に戸惑うことなく地域の実情に応じた防災対応をとるため、日頃から各地域で意見交換・情報交換を行いながら、「臨時情報が発表された時の対応は、あらかじめ決めておく」ことが極めて有効である。

この考えに基づき、ガイドラインの改定は、
●安全確保と社会経済のバランスの重要性を強調。

●「巨大地震注意」発表時の内容を拡充し、鉄道事業者は原則運行規制しない。商業施設は買いだめを控えてもらうよう周知する。

●地方公共団体編を新たに作成し、海抜0メートル地帯を事前避難対象地域に指定するよう促す。
などとなっています。

 災害に関する適切な情報発信はとても重要であり、同時に「自助」「共助」に基づく判断を忘れず行動していきたいと思います。
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