バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

側面像へのアプローチ

2009年06月08日 | 胃X線撮影
今日も引き続き、病変に対する側面像について触れていくことにします。
体部小彎に存在するニッシェを側面で描出する場合には背臥位、もしくは腹臥位が良いと思います

どちらが良いのかは現時点の自分ではよくわかりませんが、きれいに描出されて
いるのであれば、どちらでも良いような気がします。
ところで先日も、胃透視の出張先で、また一例胃癌(今のところ疑い)に遭遇し
ました。
ここ4日連続で、胃癌に出会っています。
今回は体上部後壁に病変を認めたため、右向き真横と左向き真横の両方からアプローチしました。
深達度診断には、側面像が重要であるという認識が当たり前のように定着してきましたが、ちなみに私たちのような集団検診施設でそこまで追加撮影しているところはあるのでしょうか??そこまでする必要はあるのか?!と言われればその通りかもしれません。
しかし、やはり説得力のある追加撮影でもって、少なくとも存在診断が確かなものとなれば側面像も非常に有効な手技の一つであると考えます。
内視鏡検査に軽く見られてしまう要因として、集団検診を行っている一次検診施設のレベルの低さが原因と思っています。
学会や勉強会、さらには精度管理をきちんと行っている、モチベーションの高い施設は別として、大半は撮ったら撮りっぱなしのような気がします。
さらなるレベルの高い胃検診をめざしましょう。

胃上部の胃がん

2009年06月07日 | 胃X線を受診される方へ

胃上部は、中部や下部に比べて粘膜が薄いようですね。
そのため、早くから粘膜下層以深に浸潤していきます。

毎年、受診されている方の中でも、上部に発生した胃がんは、進行がんで発見されるケースがあり、注意を要します。

最近では、高濃度バリウム製剤による早期胃がんへの描出率は格段に上昇しました。

しかし結局はバリウムを胃内に塗りつけて撮影しなければ、思ったような粘膜が描出されません。
バリウム検査では、目的部位に流す透視観察と、そのバリウムによる付着へのこだわりを今後も継続していきたいと思います。やはり基本に忠実に検査を施行しなければなりませんね。

 


深達度診断,今後の課題

2009年06月05日 | すきくぴの独り言
今日は前回の続きです。

自分が撮影した胃がんの写真を、深達度診断まで読めるものにしていくのが当面の目標です。

そのためには、
①まずは胃がんの存在(当然、早期胃がんを発見していく)に気づく
②追加撮影を行う。

①はもうできるので、あとは②の追加撮影が課題です。

繰り返しでてきていますが、追加撮影には
)二重造影法の第1法
) 〃 〃 の第2法
)側面像
Ⅳ)圧迫撮影法

があります。

深達度診断には、圧迫撮影もありますが、病変の深さや立ち上がりなどの指標には側面像が非常に有効のようです。
しかし、側面像の描出にはまだ苦戦している状況です。

先日の胃検診では2例続けて胃がんに出会いました。1例は噴門部小彎後壁寄りの胃がん、もう1例は噴門部小彎を中心に前後壁にまたがる症例でしたが、いずれも側面像の描出に失敗してしまいました。
両症例とも背臥位でアプローチしましたが失敗に終わってしまいました。

今考えてみたら、腹臥位からのアプローチのほうが描出しやすかったのかなと思っています。


いずれにしても、普段から側面像の描出を行う訓練をしておかないと、また胃がん症例に出会っても失敗に終わりかねないでしょう。

二重造影法の第1法や2法、いわゆる病変に対しての正面は、部位にもよりますが比較的描出しやすいです。

明日からまた胃検診ですが、側面像まで撮る訓練を積む必要がありますね。

去年までは側面のこだわりがなく、存在診断にばかり気がいっていました。
検診ではまずは存在診断が大切ですが、もうその領域に達しているのならば、次のステップかなと思う、今日この頃です。



深達度診断,進行がん

2009年06月04日 | すきくぴの独り言
胃研究会への考えを模索しているところです。
次回の研究会では透視観察法の基本を話すことになりました。

これは、普段からこのブログに書いている内容と類似することになります。
自分にとっては環境的に見ても、非常に論議しやすい分野です。

最近のマイブームは深達度診断であり、特に自分が発見した胃がんの浸潤具合を知りたいと思うようになりました。
この間までは、早期胃がん特に粘膜に留まる胃がんの発見にこだわっていましたが、最近では発見された胃がんの進行具合を知りたくなりました。

知りたいと根本的に思うのは・・・。
この方(胃がんと診断された方の予後)は助かるのか、と心配だからです。

残念ながら進行がんとなって発見された方の写真を見ると、残念でなりません。
発見されたその日の夜になっても、気になって寝付けなかったこともあります。

最近の意識は深達度の指標の勉強ですかね。



技術の格差を減らす

2009年06月03日 | すきくぴの独り言
とある資料を見ました。
そこには、技術格差訂正について触れてあり、
撮影法講義について、ビデオを用いて透視の流れをつかむ。
と書かれていました。

やはり動画を用いての学習は効果の高いものなのだなと感じています。

次回の研究会では、おおまかな撮影部位に対しての透視の見方を話せればと思います。
ただ動画を見ているだけでは面白くないし、参加者が退屈してしまってもいけないので、何例か時間の許す限り、チェックしてもらおうかなと思っています。

予め、チェックシートを作っておき、そのシートに自分の思う回答を記入してもらい、答え合わせをするのはいかがでしょう。

とりあえず、普段から私たちの見ている(透視している)ところはここなのだ!!ということを伝えればなと思います。
教科書をただ眺めているだけでは、イメージしにくいでしょう。

動画はおおいに役立ちそうです。

追加撮影を行うべき状況

2009年06月01日 | 胃X線撮影

追加撮影を行うべき状況とは・・・。
①なんらかの原因でブラインドになっている部分があり、ブラインドとなっていた部位に対して、本当に何もないかを確認する
②病変を疑う所見が認められる。しかし本当に病変なのかどうか、存在診断がはっきりしないとき
③すでに病変が存在しているのは明らかだが、それが質的診断できそうにないとき

①についてはNPOでは、任意撮影と言ったりしますが、私も広義の意味では追加撮影で良いような気がします。

先日の研究会では、追加撮影の基準化を計ることがテーマでした。
私と同じ施設の後輩も今回から参加してくれましたが、
後輩くんは、追加撮影の意味するものがわかったきました、とレベルアップの実感を感じていたような雰囲気でした。

ある程度のおおまかな部位別に対する追加撮影の基準化を計るのは大切ではなかろうかと思います。

たちまち、今度の研究会では、透視観察法を動画を用いてプレゼンすることになりました。
早期胃がんをはじめ、できるかぎり胃透視で発見していく。そのためには新・胃X線撮影法に準じた基準撮影の徹底。そして透視観察の併用で病変を発見していく。

研究会参加者のレベルが高いので、非常に勉強になります。
今後ともよろしくお願いします。