バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

塩分 胃の敵

2008年10月13日 | 予防 胃がん 
塩分を取り過ぎると胃がんになりやすくなります。
統計的データによると東北地方では胃がんの死亡率が高く、反対に塩分をあまり摂っていない沖縄や九州では、胃がんの死亡率が低いです。
あと同じ東京を見ても、塩っ辛いものが好きな下町に住む人たちには胃がんになる人が多く、山の手に住む人には少ないそうです。

イクラやうに、たらこ、明太子や漬物といった塩分の多い食品を毎日のように食べる人も胃がんによる死亡率が高かったそうです。


塩分がなぜ、胃に悪いのか・・・。
それは塩分が胃の粘膜を溶かす作用があるからです。
溶けてしまいやすい状態になると胃の壁が傷つきやすくなってきます。


外食には塩分が高めで、味付けが濃いものが多いので気をつけたいところです。

とはいっても神経質になり過ぎると今度はそれがストレスになってしまうかもしれません。なのでほどほどに塩分を摂りましょう。
何事もほどほどが良いですね・・・。



内視鏡 治療(ESD)

2008年10月13日 | 胃X線撮影
組織型が分化型で、粘膜内に留まる初期の段階ならリンパ節転移などがないため、リンパ節を幾分か切り取る手術(リンパ節郭清)を行う必要はありません。
したがって、胃を切る必要もなくがんの存在する胃粘膜のみ切り取れば、根治は可能です。
今日はそんな初期のがんに対して行う内視鏡的治療を説明していきます。



①まず病変の周囲に目印をつけます(マーキング)


②切除する範囲が広いため, 粘膜下層に薬剤(粘稠度の高い薬剤;ヒアルロン酸ナトリウム)を注入し, 膨隆させていきます。


③内視鏡の鉗子口から専用のナイフを挿入し、高周波電流を使用してマーキングの外側を切開します。


④粘膜下層を剥離し切除終了となります。切除終了後は切除面に出血がないかどうか確認します。血管を認めたら止血鉗子で処置し,術後の出血予防をします。終了後は止血剤を散布します。治療時間は病変の大きさや発生部位によって異なりますが, 30分~3時間が目安のようですよ。

追記・・・。
分化型のがんは内視鏡の治療対象になりえますが、ごく初期の段階に限られます。
初期のがんを見つけるためには、年に一回の定期的な健診が必須です。
胃がんの中には、転移リスクの高い未分化型がんも(スキルスもそのひとつ)あります。この場合には基本的に胃切除を余儀なくされますが、どちらにしても早期発見は大切です。