バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

胃癌の自然史 を見てみよう。

2008年10月02日 | 早期胃がん発見 Point



胃癌の自然史を知る目的としては以下が考えられるようです。



○胃癌の自然史を知る目的

  臨床的視点から胃癌の自然史を知る目的として

〔1〕 微小な早期癌の発見効率を高める

〔2〕 発育速度の速い、悪性度の高い癌の特徴を知る

〔3〕 胃癌の発育速度から、検診の検査間隔を設定する

〔4〕 胃癌のうち穏やかな発育をするものを内視鏡的粘膜切除術の適応に設定する


次に早期胃がんの経過を観察した場合の結果は以下のとおりのようです。



○ 早期胃癌の経過観察

 内視鏡生検で早期がんと診断され、6ヶ月以上追跡された71例を対象とした観察。56例を長期間追跡。
経過中、20例は早期胃癌のままであったが、36例は進行癌へと進展した。
早期癌から進行癌への進展に要する時間は44ヶ月であり、5年間の観察期間中進行癌へ移行する累積確立は63%と見積もられた。
また、手術がされなかった38例の5年間の累積死亡率は37%と見積もられた。
この結果、早期胃癌は放置されると死に至る疾患であるが、その発育経過にはばらつきがあり、比較的穏やかであると考えられた。



次に胃がんの進展について・・・。


○胃癌の進展様式

 胃癌を肉眼像、進達度、組織型等の特徴で分類して観察した研究から、

〔1〕胃癌の発育速度を左右する最大の要因はsmに浸潤するか否かである

〔2〕組織異型度の低い隆起型腫瘍の中に、除じょに水平方向へ増大し異型度が明瞭な癌になる病変が存在する

〔3〕未分化型癌は分化形癌に比べて垂直、水平方向への進展が早く、リンパ節転移を起こしやすい

〔4〕隆起形は、潰瘍非合併陥凹型に比べて発育が遅くリンパ節転移を起こしにくい

などといったことが提唱されている。

長期間の観察で早期癌に留まっていたものは、すべてm癌であり粘膜筋板がbarrierの役割を果たすことが推測されている。



最近、検診間隔が2年空いている人で、進行胃がんとなってしまっている人の写真を多く見ます。


毎年、定期的に受診していただきたいです。




今回は
http://www.happycampus.co.jp/docs/983432282701@hc05/1243/

から、引用しました。


カメラでもない、ドックでもない、集団検診で見つけるのですよ。

2008年10月02日 | 胃(全般)
写真には、胃がんが写っております。内視鏡結果は胃がんという掲載のみ・・・。
最終結果まで追えていないのが残念です。

私見としては、分化型のⅡa+Ⅱc様と思われます。肉眼的には早期の胃がんと思われます。


内視鏡写真との対比を行って、実際にX線的に病変を的確に捕えているかを検討したいです。それがレベルアップに繋がると思うから・・・。



X線的に集団検診という短時間で発見する、そのレベルは内視鏡に決して劣らない。このレベルはかっこいいと思いませんか!?


X線検査に情熱を燃やす技師さんが増えたらなぁと思います。