バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

内視鏡 治療(ESD)

2008年10月13日 | 胃X線撮影
組織型が分化型で、粘膜内に留まる初期の段階ならリンパ節転移などがないため、リンパ節を幾分か切り取る手術(リンパ節郭清)を行う必要はありません。
したがって、胃を切る必要もなくがんの存在する胃粘膜のみ切り取れば、根治は可能です。
今日はそんな初期のがんに対して行う内視鏡的治療を説明していきます。



①まず病変の周囲に目印をつけます(マーキング)


②切除する範囲が広いため, 粘膜下層に薬剤(粘稠度の高い薬剤;ヒアルロン酸ナトリウム)を注入し, 膨隆させていきます。


③内視鏡の鉗子口から専用のナイフを挿入し、高周波電流を使用してマーキングの外側を切開します。


④粘膜下層を剥離し切除終了となります。切除終了後は切除面に出血がないかどうか確認します。血管を認めたら止血鉗子で処置し,術後の出血予防をします。終了後は止血剤を散布します。治療時間は病変の大きさや発生部位によって異なりますが, 30分~3時間が目安のようですよ。

追記・・・。
分化型のがんは内視鏡の治療対象になりえますが、ごく初期の段階に限られます。
初期のがんを見つけるためには、年に一回の定期的な健診が必須です。
胃がんの中には、転移リスクの高い未分化型がんも(スキルスもそのひとつ)あります。この場合には基本的に胃切除を余儀なくされますが、どちらにしても早期発見は大切です。


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