ファミリーアシスト あすなろ教室(輝く瞳と素敵な笑顔を求めて)

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言葉の質を考える

2008-10-08 | 育児
 最近、子どもを育てる時に育てる側として大事にしたい言葉かけの視点が私の中で明らかになってきた。言葉かけ一つで働きかける側が大事にしているものが見えてきた。その視点は、「環境」「行動」「能力」「信念や価値観」「アイデンティティー」の5つである。そして、これにはレベルがある。
<1>環境レベル 子どもを取り巻く、自然環境、人的な環境などを見る
<2>行動レベル 子どもの活動を見る
<3>能力レベル 子どもの能力を見る
<4>信念や価値観レベル 子どもの見方・考え方を見る
<5>アイデンティティーレベル 子どもの存在そのものを見る
 子ども一人一人を育てたり、学級の質を高めたりすることがこの5つのレベルで見ることができる。
 教室環境や家庭環境などそれぞれ関わっている環境を育ちやすい環境にしておくことが育てる側の責任でもあるし、子ども自身にもその環境を作る働きかけをしなければならない。居心地のよい環境だから頑張れる。その環境が子どもを育てる基盤になっている。落ち着いた行動ができるのも、自分の能力を伸ばすのもすべて環境に左右される。
 行動し続けることにより能力が身に付くし、その身に付けた能力をもとに自分らしい考え方を生み出すことにもなる。それが周りから認められると存在感をもち、自分らしく生きることもできる。
 よく耳にする会話や指導の言葉かけを下位レベルから上位レベルで考える。
・勉強しない(行動)から学力(能力)がつかない。 
・机の周りが雑然としている(環境)から勉強できない(行動)。
・勉強しない(行動)子は、だめな子(アイデンティティー)だ。
 逆に上位レベルから下位レベルを考えることもできる。
・勉強が面白くないと考えている(信念や価値観)から、勉強をしない(行動)のだ。
・勉強できない(行動)のは、勉強道具が揃っていない(環境)からだ。
・学力がある(能力)から無駄な行動をしない(行動)。
 子どものつまずきや手だてを見つける視点としてこれを武器にすることができる。また、問題の本質を見つけることもできる。
 子どもの生活をよりよくするということは子どもの行動を変えることになる。何を変えると行動が変わるかを試行錯誤しながらつかむ。言葉かけのレベルを変えて刺激をしてみる。
 勉強しやすい環境を整える→勉強する(行動)→勉強を続ける(能力)→意図をもって勉強を続ける(信念・価値観)→勉強できる自分(アイデンティティー)という流れを考えたとき、「勉強しなさい。」(行動)だけでは、子どもを育てる指導にはならないことがわかる。
「まずは、勉強道具を揃えよう。」(環境)
「勉強を続けるとこんな力が身に付くよ。」(能力)
「勉強をしているとこんなことが分かって(できて)面白いよ」(信念価値)
「仲間から頼られる子になるよ」(アイデンティティー)
等、いろいろな視点から子どもに働きかけることができる。
 日頃の生活を見ていると行動レベルでの言葉かけが多いことに気づく。心を育てる言葉は、行動レベルの言葉ではなく、能力や価値観などを大切にした言葉のようだ。