◇ 2009.5.26 吉祥寺Silver Elephant
<優雅なひと時>
生楽器で美しいアンサンブルを奏でるアコースティック・プログレバンド<Acoustic Asturias>。そのメンバーであるクラリネット&リコーダー奏者<筒井香織さん>。筒井さんは趣味で絵ほんを描くのがお好きなんだそうで。で、CGで描いた絵をアニメにしてみたところ、それに曲をつけたら面白い、と思ってご自身で描かれた絵を動画にしてそれにBGMをつけ、<音楽絵ほん>というタイトルでHPに公開されたそうです。で、その音楽を実際に演奏してみたらどうかということで、同じアコアスのピアニスト<川越好博さん>と、チェロ奏者の<井利智子さん>のお3方で2008年からライブ活動をはじめたそうです。そのライブが5月にあると知って楽しみにしておりました。問題は平日なので仕事の状況によっていけるかどうかというところ。
さて当日。3日前のAcoustic Asturiasの素晴らしい演奏の余韻に浸っているなかでこの<音楽絵ほん>の演奏が観れるのは嬉しいかぎりです。本日のライブは2バンドで、最初がケルト音楽のアコースティックユニットで、その後が<音楽絵ほん>の演奏です。残念ながら仕事の都合で遅くなり、会場に着いたときは前バンドのライブ終盤でした。ゆったりとしたなかにも躍動感も感じられてとっても素敵なサウンドでしたね。機会があればフルライブを観に行きたいものです。
ステージ中央にエレピがセットされ川越さんがセッティングを。、向かって左側で井利さんがチェロのチューニングを。そして右側では筒井さんがクラリネットのセッティング。井利さんはオフホワイトのノースリーブワンピースを、筒井さんは黒系の小さいお花柄のお洋服をお召しになってます。
準備が整った20時10分過ぎから<音楽絵ほん>のライブがはじまります。1曲目は「精神宮殿」。ゲームのBGM用に作られた曲だそうです。ピアノの叙情的で美しいピアノリフからゆったりとはじまり、そこにチェロの伸びやかな音色が加わって、そしてクラリネットがはいって深い味わいのメロディを奏でて。それが徐々に盛り上がっていきます。ピアノの哀愁ただようリフレインのあとクラリネットのソロが。そこにチェロも加わってドラマティックにダイナミックに盛り上がっていって。
曲が終わると大拍手。皆さん丁寧にお辞儀を。「どうもこんばんは!」「今日は平日のお忙しいところ、足をお運びくださいましてありがとうございます」「私達<音楽絵ほん>3人でお送りします」って筒井さんが挨拶を。とっても可愛らしいお声でちょっとドキドキ♪
2曲目3曲目はメドレーで「草原のルカ」「早春」。ピアノのリズミカルなリフからはじまって、リコーダーの元気のいい跳ねるような音色が響いて。ピアノが1段テンポアップしてさらにリズミカルに楽しく。まるで馬が草原を駆け巡っているかのような疾走感も。その後一旦Finしてピアノのゆったりとした美しいソロが。そこにクラリネットとチェロも加わって。中盤ではリコーダーのゆったりとした素朴な音色が響いて、チェロは指で弦を弾いて。そのままチェロのゆったりとした味わい深い音色のソロへ。そこにクラリネットも加わって。終盤、ピアノソロのあとチェロがリズミカルなリフを刻んでパワフルでダイナミックに。ラストはピアノのゆったりとした美しいリフレインが奏でられてFin。
拍手に応えてお辞儀したあと「ありがとうございます」って筒井さん。次に演奏する曲は古楽曲で、始めの曲はデュリという作曲家の曲で、次の曲はヴィヴァルディの曲だそうです。まず4曲目「トルコ人の儀式のための行進曲」。リコーダーのリズミカルでパワフルな音色からはじまって、ピアノのリフをバックにチェロが力強いメロディを奏で、そこにクラリネットも加わって。勇ましい行進曲ですね。時折折り込むトレモロ奏法が印象的です。
続いて5曲目は「モデット~まことの安らぎはこの世にはなく~」。ミドルテンポの明るく爽やかな感じのピアノのリフからリズミカルにはじまります。そしてチェロも加わって、リコーダーの素朴ながらも力強さも感じる調べが。ワルツリズムも優雅な感じの曲です。宮廷で室内楽を鑑賞しているかのような雰囲気がしますね。ピアノのチェロのリズミカルなリフにリコーダーが伸びやかなメロディ奏で、それが徐々にダイナミックになって。雄大な景色が浮かんできそうです。
拍手にお辞儀して「ありがとうございます」って応える筒井さん。ここで<音楽絵ほん>の説明を。その中から次の曲は「洞くつの森」という組曲の第1楽章第2楽章第3楽章を。物語のあらすじは話すと長くなるから無理のようで。「全部で何楽章あるの?」って川越さん。「全部やると16楽章もあるので・・・」って筒井さん。今日のライブでは時間的に無理ですねぇ。でもいつかフルライブでぜひ!ちなみに物語は筒井さんがみた夢を元に書かれたそうです。
まず第1楽章。ピアノのリフをバックにチェロのダークなフレーズがながれ、そこにリコーダーの悲しげなメロディがのって。それが徐々に力強い曲調に。そしてクラリネットがミステリアスなフレーズを奏で、ピアノとチェロも加わってオールユニゾンで。その後もクラリネットとチェロがユニゾンでダークなメロディを奏でて。まさに暗闇の洞窟を彷徨っているかのような、スパイラルで堕ちていくかのような不安げな曲調です。チェロが、そしてリコーダーが力強いメロディを。
クラリネットの調整のあとはじまった第3楽章はピアノのワルツリズムのリズミカルなリフからはじまります。クラリネットが、そしてチェロがゆったりとしたメロディを奏でて。ちょっぴり爽やかで清清しい感じも。森の中を散歩しているような雰囲気かな?
続いて第2楽章。ピアノの哀愁を感じるリフレインからはじまって、チェロとリコーダーがユニゾンでゆったりとした美しいメロディを奏でて。雄大な景色が見えてくるかのようなおおらかな感じが。その後ゆったりとしたピアノソロが。そしてチェロ・リコーダーが加わって。そしてチェロが深い音色のメロディを奏でて。終盤にはリコーダーのエモーショナルかつ寂しげな音色のソロが。それが明るく爽やかな雰囲気になってドラマティックに盛り上がります。 曲が終わると大拍手。「どうもありがとうございました」って筒井さん。
筒井さんがマンガを読むもお好きなんだそうで。次の曲は、坂田靖子さんが描かれた「黄金の梨」という、新米の魔法使いの物語にインスパイアされて作られた曲だそうで。9曲目は「ペンクルーズの魔法使い」。ピアノとリコーダーのゆったりとしたメロディからはじまる、爽やかで素朴な感じの曲です。クラシックのガボット、あるいはメヌエットのような優雅な雰囲気も。ピアノとチェロの力強いリフとリコーダーの早吹きソロの掛け合いも。その後ピアノのチェロのユニゾンでのパワフルなリフにのってリコーダーがメロディを乗せて。
10曲目は「Arch(アーチ)」。不思議な拍子の曲だそうです。筒井さんがクラリネットのリードを調整してからはじまります。ピアノとチェロのゆったりとした爽やかな感じのリフにのってクラリネットの力強いフレーズがながれて。そしてピアノのリズミカルで綺麗なリフレインにクラリネットも加わってユニゾンで。そしてクラリネットの瑞々しい感じのソロも。
曲が終わると大拍手。「ありがとうございました」って筒井さん。「次は・・・」って言いかけたところで川越さんが本日物販コーナーで販売しているCDの宣伝を促して。CDの説明のあと、筒井さんは次の曲の紹介を作曲者である川越さんに振って。川越さん、まずはここまでMCをがんばってくれた筒井さんをねぎらって。
次の曲は先日のAcoustic Asturiasのライブでも演奏された「黄源の舞」。“黄源”とは“草原”と“光の源”がかかっていて、そこで“舞”を踊っているイメージの曲だそうです。ちなみに変拍子なので共演者に「迷惑をかけてる」って。「井利さんにとても大変な思いをさせてしまって・・・」って。爆笑です。
11曲目はその「黄源の舞」。ピアノのリズミカルなリフからはじまって、リコーダーの力強い音色が響いて。フォルクローレ調の複雑なリズムの曲です。リコーダーのソロにピアノも加わってダイナミックな感じに。その後チェロのゆったりとした伸びやかなソロが響き、再びリコーダーのパワフルなメロディがながれて。アコアスのときは自分の席はステージから10m以上離れてましたけど、今日は3mくらいの距離ですからアコアス以上に迫力を感じましたね。
曲が終わると大拍手。「ありがとうございました」って筒井さん。「MCがまだ慣れてなくて固くなってしまって・・・」って。で、次の曲が最後ということでここでメンバー紹介を。「チェロ、井利智子!」「キーボード、川越好博!」「クラリネットとリコーダー、筒井香織でした」って。メンバーそれぞれに大きな拍手が送られます。
次の曲も川越さんの作曲ということで筒井さんは再び川越さんに振って。次の「紅河」はAcoustic Asturiasのアルバムにも収録されている曲で、大河に夕日がいい感じで映っている、ゆったりと流れている景色を思い描いて作られたそうです。で、元々は歌って踊る曲を演奏するバンドのライブに参加していたときに、お客さんが退場するときの曲を急遽生演奏でやることを思いついて、そのとき即興で作曲されたものが元になっているとか。「今日初めてバラすんですけど」って。爆笑です。
本編最後の12曲目はその「紅河」。アコアスでは歌入りですが、今回はインストで。ピアノのゆったりとした美しいリフレインからはじまって、そこにチェロの深く伸びやかな音色が響いて。ピアノの綺麗なソロのあと、チェロとクラリネットの深い音色が。たおやかに美しくながれ、それが徐々に盛り上がってドラマティックな展開に。再びピアノの綺麗な音色のソロのあと、ピアノとチェロのユニゾンのリフにのってクラリネットのメロディがながれ、ラストはピアノのしっとりとした調べが。
曲が終わると大拍手。メンバーの皆さんは立ち上がって深くお辞儀を。そして拍手とアンコールを求める手拍子のなかメンバーの皆さんは一旦楽屋へ行こうとしますが・・・井利さんがチェロを持って行こうか置いて行こうか迷って。チェロスタンドは用意されなかったんですね。なので仕方なく床に横にして置こうとしますが、先に行っていた筒井さんを川越さんが呼び戻して、そのままアンコールへ。
「暖かい拍手をありがとうございます」って筒井さん。そして川越さん「すいません、段取を失敗しました」「ハケるつもりでしたが、チェロのことすっかり忘れてました。ごめんね」って。爆笑です。「予定通りの(アンコール)ありがとうございます」って。
オーラスのアンコール曲は「un chat~灰色猫」。パリの下町に住む灰色のネコの物語で“アンニュイ”な曲だそうです。
ピアノのワルツリズムのリフからはじまって、クラリネットのゆったりとした深い味わいのあるメロディがながれ、チェロの伸びやかな音色が響いて。なんとなくネコが路地裏をこっそり歩いているような雰囲気も。ピアノのリフをバックにチェロの深い音色のソロが。続いてクラリネットのテクニカルなソロ、そしてピアノのミステリアスな感じのソロも。終盤再びチェロのソロ、クラリネットのソロと続いて、ラストはオールユニゾンでゆったりとFin。
曲が終わると大拍手!「ありがとうございました」って筒井さん。メンバーの皆さんは立ち上がって深くお辞儀をして楽屋へ・・・時計を見ると21時20分。約70分のすっごい素敵なライブでした。
とっても優雅で瑞々しく、爽やかで心地よく、しかも優しく美しいサウンドでほんと素敵でした。川越さんのエレピの綺麗な音色、井利さんの味わい深く繊細なチェロの音色、そして筒井さんのときに鋭く、ときにまろやかなクラリネットの音色&良く通る素朴で美しいリコーダーの音色、たっぷりと堪能させていただきました。まさに“至福のひと時”でしたね。そうそう、筒井さんの初々しいMCも可愛くていい感じでしたね。
また機会があれば観にいきたいっす。できれば今度は生ピアノでも聴いてみたいかな。あとスクリーンで絵も映し出してもらえたら視覚聴覚両方でより楽しめるかもしれませんね。
<優雅なひと時>
生楽器で美しいアンサンブルを奏でるアコースティック・プログレバンド<Acoustic Asturias>。そのメンバーであるクラリネット&リコーダー奏者<筒井香織さん>。筒井さんは趣味で絵ほんを描くのがお好きなんだそうで。で、CGで描いた絵をアニメにしてみたところ、それに曲をつけたら面白い、と思ってご自身で描かれた絵を動画にしてそれにBGMをつけ、<音楽絵ほん>というタイトルでHPに公開されたそうです。で、その音楽を実際に演奏してみたらどうかということで、同じアコアスのピアニスト<川越好博さん>と、チェロ奏者の<井利智子さん>のお3方で2008年からライブ活動をはじめたそうです。そのライブが5月にあると知って楽しみにしておりました。問題は平日なので仕事の状況によっていけるかどうかというところ。
さて当日。3日前のAcoustic Asturiasの素晴らしい演奏の余韻に浸っているなかでこの<音楽絵ほん>の演奏が観れるのは嬉しいかぎりです。本日のライブは2バンドで、最初がケルト音楽のアコースティックユニットで、その後が<音楽絵ほん>の演奏です。残念ながら仕事の都合で遅くなり、会場に着いたときは前バンドのライブ終盤でした。ゆったりとしたなかにも躍動感も感じられてとっても素敵なサウンドでしたね。機会があればフルライブを観に行きたいものです。
ステージ中央にエレピがセットされ川越さんがセッティングを。、向かって左側で井利さんがチェロのチューニングを。そして右側では筒井さんがクラリネットのセッティング。井利さんはオフホワイトのノースリーブワンピースを、筒井さんは黒系の小さいお花柄のお洋服をお召しになってます。
準備が整った20時10分過ぎから<音楽絵ほん>のライブがはじまります。1曲目は「精神宮殿」。ゲームのBGM用に作られた曲だそうです。ピアノの叙情的で美しいピアノリフからゆったりとはじまり、そこにチェロの伸びやかな音色が加わって、そしてクラリネットがはいって深い味わいのメロディを奏でて。それが徐々に盛り上がっていきます。ピアノの哀愁ただようリフレインのあとクラリネットのソロが。そこにチェロも加わってドラマティックにダイナミックに盛り上がっていって。
曲が終わると大拍手。皆さん丁寧にお辞儀を。「どうもこんばんは!」「今日は平日のお忙しいところ、足をお運びくださいましてありがとうございます」「私達<音楽絵ほん>3人でお送りします」って筒井さんが挨拶を。とっても可愛らしいお声でちょっとドキドキ♪
2曲目3曲目はメドレーで「草原のルカ」「早春」。ピアノのリズミカルなリフからはじまって、リコーダーの元気のいい跳ねるような音色が響いて。ピアノが1段テンポアップしてさらにリズミカルに楽しく。まるで馬が草原を駆け巡っているかのような疾走感も。その後一旦Finしてピアノのゆったりとした美しいソロが。そこにクラリネットとチェロも加わって。中盤ではリコーダーのゆったりとした素朴な音色が響いて、チェロは指で弦を弾いて。そのままチェロのゆったりとした味わい深い音色のソロへ。そこにクラリネットも加わって。終盤、ピアノソロのあとチェロがリズミカルなリフを刻んでパワフルでダイナミックに。ラストはピアノのゆったりとした美しいリフレインが奏でられてFin。
拍手に応えてお辞儀したあと「ありがとうございます」って筒井さん。次に演奏する曲は古楽曲で、始めの曲はデュリという作曲家の曲で、次の曲はヴィヴァルディの曲だそうです。まず4曲目「トルコ人の儀式のための行進曲」。リコーダーのリズミカルでパワフルな音色からはじまって、ピアノのリフをバックにチェロが力強いメロディを奏で、そこにクラリネットも加わって。勇ましい行進曲ですね。時折折り込むトレモロ奏法が印象的です。
続いて5曲目は「モデット~まことの安らぎはこの世にはなく~」。ミドルテンポの明るく爽やかな感じのピアノのリフからリズミカルにはじまります。そしてチェロも加わって、リコーダーの素朴ながらも力強さも感じる調べが。ワルツリズムも優雅な感じの曲です。宮廷で室内楽を鑑賞しているかのような雰囲気がしますね。ピアノのチェロのリズミカルなリフにリコーダーが伸びやかなメロディ奏で、それが徐々にダイナミックになって。雄大な景色が浮かんできそうです。
拍手にお辞儀して「ありがとうございます」って応える筒井さん。ここで<音楽絵ほん>の説明を。その中から次の曲は「洞くつの森」という組曲の第1楽章第2楽章第3楽章を。物語のあらすじは話すと長くなるから無理のようで。「全部で何楽章あるの?」って川越さん。「全部やると16楽章もあるので・・・」って筒井さん。今日のライブでは時間的に無理ですねぇ。でもいつかフルライブでぜひ!ちなみに物語は筒井さんがみた夢を元に書かれたそうです。
まず第1楽章。ピアノのリフをバックにチェロのダークなフレーズがながれ、そこにリコーダーの悲しげなメロディがのって。それが徐々に力強い曲調に。そしてクラリネットがミステリアスなフレーズを奏で、ピアノとチェロも加わってオールユニゾンで。その後もクラリネットとチェロがユニゾンでダークなメロディを奏でて。まさに暗闇の洞窟を彷徨っているかのような、スパイラルで堕ちていくかのような不安げな曲調です。チェロが、そしてリコーダーが力強いメロディを。
クラリネットの調整のあとはじまった第3楽章はピアノのワルツリズムのリズミカルなリフからはじまります。クラリネットが、そしてチェロがゆったりとしたメロディを奏でて。ちょっぴり爽やかで清清しい感じも。森の中を散歩しているような雰囲気かな?
続いて第2楽章。ピアノの哀愁を感じるリフレインからはじまって、チェロとリコーダーがユニゾンでゆったりとした美しいメロディを奏でて。雄大な景色が見えてくるかのようなおおらかな感じが。その後ゆったりとしたピアノソロが。そしてチェロ・リコーダーが加わって。そしてチェロが深い音色のメロディを奏でて。終盤にはリコーダーのエモーショナルかつ寂しげな音色のソロが。それが明るく爽やかな雰囲気になってドラマティックに盛り上がります。 曲が終わると大拍手。「どうもありがとうございました」って筒井さん。
筒井さんがマンガを読むもお好きなんだそうで。次の曲は、坂田靖子さんが描かれた「黄金の梨」という、新米の魔法使いの物語にインスパイアされて作られた曲だそうで。9曲目は「ペンクルーズの魔法使い」。ピアノとリコーダーのゆったりとしたメロディからはじまる、爽やかで素朴な感じの曲です。クラシックのガボット、あるいはメヌエットのような優雅な雰囲気も。ピアノとチェロの力強いリフとリコーダーの早吹きソロの掛け合いも。その後ピアノのチェロのユニゾンでのパワフルなリフにのってリコーダーがメロディを乗せて。
10曲目は「Arch(アーチ)」。不思議な拍子の曲だそうです。筒井さんがクラリネットのリードを調整してからはじまります。ピアノとチェロのゆったりとした爽やかな感じのリフにのってクラリネットの力強いフレーズがながれて。そしてピアノのリズミカルで綺麗なリフレインにクラリネットも加わってユニゾンで。そしてクラリネットの瑞々しい感じのソロも。
曲が終わると大拍手。「ありがとうございました」って筒井さん。「次は・・・」って言いかけたところで川越さんが本日物販コーナーで販売しているCDの宣伝を促して。CDの説明のあと、筒井さんは次の曲の紹介を作曲者である川越さんに振って。川越さん、まずはここまでMCをがんばってくれた筒井さんをねぎらって。
次の曲は先日のAcoustic Asturiasのライブでも演奏された「黄源の舞」。“黄源”とは“草原”と“光の源”がかかっていて、そこで“舞”を踊っているイメージの曲だそうです。ちなみに変拍子なので共演者に「迷惑をかけてる」って。「井利さんにとても大変な思いをさせてしまって・・・」って。爆笑です。
11曲目はその「黄源の舞」。ピアノのリズミカルなリフからはじまって、リコーダーの力強い音色が響いて。フォルクローレ調の複雑なリズムの曲です。リコーダーのソロにピアノも加わってダイナミックな感じに。その後チェロのゆったりとした伸びやかなソロが響き、再びリコーダーのパワフルなメロディがながれて。アコアスのときは自分の席はステージから10m以上離れてましたけど、今日は3mくらいの距離ですからアコアス以上に迫力を感じましたね。
曲が終わると大拍手。「ありがとうございました」って筒井さん。「MCがまだ慣れてなくて固くなってしまって・・・」って。で、次の曲が最後ということでここでメンバー紹介を。「チェロ、井利智子!」「キーボード、川越好博!」「クラリネットとリコーダー、筒井香織でした」って。メンバーそれぞれに大きな拍手が送られます。
次の曲も川越さんの作曲ということで筒井さんは再び川越さんに振って。次の「紅河」はAcoustic Asturiasのアルバムにも収録されている曲で、大河に夕日がいい感じで映っている、ゆったりと流れている景色を思い描いて作られたそうです。で、元々は歌って踊る曲を演奏するバンドのライブに参加していたときに、お客さんが退場するときの曲を急遽生演奏でやることを思いついて、そのとき即興で作曲されたものが元になっているとか。「今日初めてバラすんですけど」って。爆笑です。
本編最後の12曲目はその「紅河」。アコアスでは歌入りですが、今回はインストで。ピアノのゆったりとした美しいリフレインからはじまって、そこにチェロの深く伸びやかな音色が響いて。ピアノの綺麗なソロのあと、チェロとクラリネットの深い音色が。たおやかに美しくながれ、それが徐々に盛り上がってドラマティックな展開に。再びピアノの綺麗な音色のソロのあと、ピアノとチェロのユニゾンのリフにのってクラリネットのメロディがながれ、ラストはピアノのしっとりとした調べが。
曲が終わると大拍手。メンバーの皆さんは立ち上がって深くお辞儀を。そして拍手とアンコールを求める手拍子のなかメンバーの皆さんは一旦楽屋へ行こうとしますが・・・井利さんがチェロを持って行こうか置いて行こうか迷って。チェロスタンドは用意されなかったんですね。なので仕方なく床に横にして置こうとしますが、先に行っていた筒井さんを川越さんが呼び戻して、そのままアンコールへ。
「暖かい拍手をありがとうございます」って筒井さん。そして川越さん「すいません、段取を失敗しました」「ハケるつもりでしたが、チェロのことすっかり忘れてました。ごめんね」って。爆笑です。「予定通りの(アンコール)ありがとうございます」って。
オーラスのアンコール曲は「un chat~灰色猫」。パリの下町に住む灰色のネコの物語で“アンニュイ”な曲だそうです。
ピアノのワルツリズムのリフからはじまって、クラリネットのゆったりとした深い味わいのあるメロディがながれ、チェロの伸びやかな音色が響いて。なんとなくネコが路地裏をこっそり歩いているような雰囲気も。ピアノのリフをバックにチェロの深い音色のソロが。続いてクラリネットのテクニカルなソロ、そしてピアノのミステリアスな感じのソロも。終盤再びチェロのソロ、クラリネットのソロと続いて、ラストはオールユニゾンでゆったりとFin。
曲が終わると大拍手!「ありがとうございました」って筒井さん。メンバーの皆さんは立ち上がって深くお辞儀をして楽屋へ・・・時計を見ると21時20分。約70分のすっごい素敵なライブでした。
とっても優雅で瑞々しく、爽やかで心地よく、しかも優しく美しいサウンドでほんと素敵でした。川越さんのエレピの綺麗な音色、井利さんの味わい深く繊細なチェロの音色、そして筒井さんのときに鋭く、ときにまろやかなクラリネットの音色&良く通る素朴で美しいリコーダーの音色、たっぷりと堪能させていただきました。まさに“至福のひと時”でしたね。そうそう、筒井さんの初々しいMCも可愛くていい感じでしたね。
また機会があれば観にいきたいっす。できれば今度は生ピアノでも聴いてみたいかな。あとスクリーンで絵も映し出してもらえたら視覚聴覚両方でより楽しめるかもしれませんね。