ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

08.5.14 TWIN

2008-05-17 07:52:46 | ライブレポ Jazz/Fusion
◇ 2008/5/14 横浜ドルフィー
<ツインベースDUO>
 ツインギターやツインヴォーカルってのは普通にありますよね。そしてツインキーボードやツインドラムも珍しいけどたまにありますね。でもでもツインベースというのは初めてです。ジャス・フュージョン・ロック等、幅広いジャンルで個性的なベースを聴かせてくれる<水野正敏さん>、そして元爆風スランプでチョッパー全開のファンキーなスラップベースを聴かせてくれる<江川ほーじんさん>のお2人。先日お二人が以前参加されたツインベースバンド<Portfolio>のアルバムを聴いたんですけど、その音の厚さとサウンドの心地よさにすっかり魅せられてしまいました。(その後の<ザ・ダブラーズ>のアルバムは、プレミアがついて高くて手に入らないのよね。) 
 先月、4月23日に今度はなんと水野さんとほーじんさんのお2人だけで制作されたベースDUOアルバム「TWIN」が発売されたんです。で、当日CD店に行ったら売ってないんですよね。んで某通販を見たら、いま在庫がなくて取り寄せに1-2週間かかるって。そんなときに会社近くのJAZZスポットのライブ予定表を見たら、5月14日に<TWIN>のレコ発ライブがあると知ってビックリ!もちろんすぐ予約です。ほんとはそれまでにニューアルバムを入手して予習しときたかったけど、まあそのライブのときに買えばいいかなって。それにそこで直接買えばひょっとするとサインしてくれるんじゃないかな、なんてミーハー根性も。あはっ!とにもかくにもベース2本だけで一体どんなサウンドを聴かせてくれるのか、すっごい楽しみにしてました。

 さて、当日。開演が19時半なので、仕事を終えてからのんびり歩いてJAZZスポットへ。10分前くらいに着いて飲み物を注文して開演を待ちます。後ろの席では水野さんがお客さんと談笑されてました。お客さんは20人くらいかな?
 開演時間を10分過ぎた19時40分ころ水野さんがお店のマスターとお話をされて、そしてライブスタートです。ステージスペースにはほんとに水野さんとほーじんさんのベーシストお2人のみ。そして始まった1曲目は「Buffalo Brontide」。チョッパーからはじまるミドルテンポのファンキーっぽい曲。ベースサウンド、心地いいっす。耳だけでなくモロに身体でそのサウンドを感じます。水野さんはレッドボディの6弦フレットレスベース。ほーじんさんはナチュラルボディの4弦でジャズベーっぽいシェイプの1ピックアップのベースを操っています。ほーじんさんのチョッパーがだんだんハードに。そして水野さんがメロディアスにと、お互いにリズムとリードを交互に弾いて。ラストはユニゾンをキメてFin。

 曲が終わるとMCです。お二人とも関西出身なんですよね。ほーじんさんは横浜の街のつくりがイヤなんだそうで。なんでも海と山の方向が大阪と逆なんだとか。水野さんのお話ですと、ほーじんさんはどこへ行っても道に迷うことがないそうで(伝書鳩みたいって)。だけどほーじんさん、横浜だけは方向がわからなくなって道に迷ってしまうとか。水野さんは横浜・神戸・長崎と、港町がお好きだそうで。ちなみに女運は悪いとか。そして食べ物の話になって、神戸の屋台のアイスクリンが美味しいとか、子供の頃は脱脂粉乳が好きだったとか、日の出町駅前の今川焼きが美味しかったとか。
 そして先月発売された「TWIN」のお話に。HMVのジャズ・フュージョンのCD売り上げが15位になったそうで。ほーじんさんが嬉しそうに話しているのを見て水野さんが、「オリコンで1位になったこともあるひとがいちCD店の売り上げ15位でも嬉しいものなの?」って。そういえば爆風スランプといえば・・・ねぇ。でもほーじんさんは1位になる1週間前に脱退されたそうで。メンバーとのわだかまりは全くないのだけど、マネージメントに対しては今でも怒っていらっしゃるみたいです。

 次は2曲続けて。まず2曲目は「F-2-B Goodby」。ミドルテンポのチョッパーリフからはじまり、水野さんはオクターバー効果のメロディアスなフレーズを。そして曲が進むにつれてリズミカルになり、フレーズも爽快なメロディに。なんかスキップしちゃいたなるくらいの軽快な感じです。
 続いて3曲目は「Gaito Bass」。水野さんのフレットレスベースならではのゆったりとした幻想的なサウンドからはじまって、一転してハイテンポに。パワフルなチョッパーリフにのって水野さんがリードをとって。そしてド迫力のほーじんさんのパーカッシブなチョッパーソロも。かっくいいっす!

 曲が終わると、「手がつる!」ってほーじんさん。凄かったもんね。今回お二人はおそろいの小さい300Wのアンプを使っているそうで。それと水野さんのエフェクターケースの鍵がずっと壊れていて移動中にいつも蓋が開いてしまっていたとか。それを今回ほーじんさんが直してあげたそうです。エフェクターもほーじんさんはきっちりセットしてあるそうで。水野さんはおおらかで、ほーじんさんは几帳面なタイプのようで、水野さん、ほーじんさんに「嫁にきてくれ!」っておっしゃってました。あはは!
 ほーじんさんはよくベース教室とかでもお説教もされてるそうで、ここで“ゆとり教育”について言及。2拍で3連について説明するのに生徒さんに「3割る2はいくつや?」と聞いたら「わかりません」って。「じゃあ、30円をふたりで分けたら、ひとりなんぼや?」と聞くと「15円です。」って。「なら3割る2はいくつや?」と聞くと「わかりません」って。「ナメとんのか!」って胸ぐら掴んでドツいたそうですが、マジで小数点の計算が出来ないんだとか。「”ゆとり教育“は絶対にアカン!」って。これにはちょっとビックリですね。ほんまかいな?

 ってなわけで前半最後の4曲目は「イヤホンマ」です。ミドルテンポのファンキーな曲で、水野さんのオクターバー効果のフレーズや、ほーじんさんのフランジャー効果のパワフルなチョッパーベースも。めちゃかっくいいっす。 曲が終わるとお互いを紹介して前半終了。しばし休憩です。

 20分くらい休憩したあとの20時45分過ぎに後半スタートです。5曲目は、ほーじんさんのディレイ効果の幻想的なハーモニクスサウンドからはじまって、そしてアップテンポになってパワフルに。ほーじんさんのリズミカルなリフに、水野さんが広大なイメージを感じるメロディアスなフレーズを。ほーじんさんのベースが後半からフェンダーのナチュラルボディのJAZZベーに。

 「ディレイの美しさ、ですね。素晴らしい!」って水野さんがほーじんさんのサウンドを絶賛されてました。「いやいや、機械がいいんですよ。」「いやいや、それを上手く操るほーじんさんが素晴らしい!」みたいな。 
 ここで水野さんが「スペシャルゲストの、“だんご3兄弟”ならぬ、“タイコ3兄弟”、新人ドラマーを紹介します!」って。でもドラムセットなんてどこにもないし、2人だけじゃないのかなぁ?なんて真剣に考えちゃいましたが、水野さんは足元のエフェクターをいじってます。「それではまず最初は“村上ポンタン”を」って。村上さんのドラムのサンプリングリズムを。「次は“東原リンリン”を。」って東原さんのサンプリングリズムを。「ベードラの音、デカいね」って。東原さんのベードラの音圧で瓦が3枚割れる、なんてお話も。「次は“菅沼コウサン”を」って“手数王”菅沼さんのサンプリングリズムを流して。「彼は4/4が苦手なんですよ」って。そして「もうひとり“えーちゃん”を」って石川さんのサンプリング音も。

 次はこれらのサンプリングリズムを用いて<Portfolio>や<ザ・ダブラーズ>の曲のベースパターンを演奏してくれるそうです。まずは“ポンタン”のドラムでアップテンポのめっちゃファンキーなフレーズを。ところが演奏しながら「これ、早すぎない?」って一旦ストップ。「リズム設定、狂ってる?」「これでいいんじゃない?」なんて。あらあめて仕切りなおしてスタート。アップテンポのパワフルなファンク、めっちゃかっちょいいっす。
 次は“リンリン”のドラムで、ミドルテンポのファンクを。後半にはほーじんさんのチョッパーソロも、水野さんのメロディアスなソロもフューチャーです。

 <TWIN>は、これからレコ発の全国ツアーを始めるそうです。現在69本が決まっていて、年内に100本を目標にやっていくとか。「アンプが小さいから自転車でも廻れるね。」って。それはちょっと無理があるような・・・
 どうもほーじんさんは今日のベースの音に納得がいかないようで、「なんかおかしくない?」って。「電圧が足りないのかも?」って。「じゃあ今度は高圧線の下でやろうか。」なんてとんでもない意見も。昔、大容量のデカいベーアンを使っていたときはよく店のブレーカーがとんで真っ暗になったそうです。でお店の自動販売機の電源を切ってもらったら大丈夫だったとか。「自動販売機って、よく考えたらデッカイ冷蔵庫だもんね。」って。

 次の曲は「Stamp!」という曲で、ルイス・ジョンソン氏の「Stomp」って曲にひっかけたとか。ここで著名ベーシストのいろいろなお話を。某ベーシストのワンフィンガー奏法が凄いっていうけど、あれは単に指が太いから2フィンガーができないんだ。高度なテクではなく、身体的理由である。とか、某黒人ベーシストは日本語ペラペラで、「お前の日本語はおかしい」って逆に注意された、とか。で、よくやく曲に。アップテンポのリズミカルな曲なんですけど、重量感のあるリフです。水野さんのメロディアスなフレーズのあと、ほーじんさんのワウを効かせたベースソロが。

 曲が終わるとほーじんさん「なんか弦の滑りが悪いなとおもったら血が出ちゃった!」って。右手指をいつのまにかケガしちゃったみたいです。あまり感覚がないから痛みはないそうですが・・・お店のひとにおしぼりをもらって指とベースを拭き拭き。ほーじんさん、今日はなんとなく弦を切ってしまうような予感がしたそうです。「でも弦じゃなくて指を切っちゃったね。」って水野さん。ほーじんさん、今日はもしも弦か切れたら、その場で張り替えるつもりだったとか。
 ここで水野さん、次の曲のイメージを忘れてしまったそうで、譜面を見ながら予習を。次の曲は変拍子がはいるそうで、ここで変拍子のお話を。5/4拍子のカウントをするのに「イーケーブークーロ」ってどなたかが言ったそうですが、それだけはやめてくれって断ったとか、7/8拍子は♪あなたのおなまえなんてーの、って数えるとか。そして水野さんが<A.P.J.>のリーダー難波さんのお話を。「あのひとは凄い!」って。変拍子で弾きながら普通におしゃべりもできるとか、以前ほーじんさんがスタジオに入っていたときに難波さんが覗きにきて、わざと変拍子の難しい曲の譜面を渡したら、初見のはずなのに完璧に弾いた、とか。やっぱ難波さんって凄いんですねぇ・・・

 次の曲は「747」。ミドルテンポのめっちゃグルーヴィーなかっこいい曲で、変拍子のリフはユニゾンでキメて。
 「変拍子は苦しい!息継ぎできない!」って。足でカウントできないから身体が固まっちゃうって。

 ここでほーじんさんが昔のお話を。駆け出しのころは様々な場所で様々な音楽をやってきたそうですが、一番勉強になったのは“軍歌パブ”だったそうです。曲は軍歌オンリーで、全部2ビートだったとか。「でもそういうところでアメリカの楽器を使ってもいいの?」って水野さんが素朴な疑問を。その後は、現ワーナーの社長が昔は某バンドのマネージャーだったとか、そういう昔の話というか、ほーじんさんは爆風の頃のマネージメントの話になると目つきが変わって怖くなるって。相当・・・いろいろあったんですねぇ。でなきゃブレイク寸前のバンドを脱退なんてしないでしょうし・・・

 次が本編最後の曲で「指列車/Finger Train」です。アップテンポのパワフルでファンキーな曲で、後半にはほーじんさんの白熱のチョッパーソロを大フューチャー!めっちゃパワフルでエネルギッシュでかっこよかったし凄かったっす!途中で水野さんがお客さんに手拍子をうながしてノリノリに。曲が終わると大拍手です。「江川ほーじん!」って水野さん。
 拍手のなか水野さんとほーじんさんは一旦ベースを置いてステージを離れますが、すぐにステージに戻ってアンコール曲の準備を。

 “りんりん”のサンプリングリズムではじまったアンコール曲は「Railroad Walk」です。ミドルテンポのどこか懐かしさを感じるリズムで、ヨコノリの感じかな。ほーじんさんがリードを弾いて。いい曲ですねぇ。

 「どうもありがとうございました!」って拍手のなかお辞儀を。そしてCD販売の宣伝を。発売されたアルバム「TWIN」と、「もうすぐ高値がつく」って<Portfolio>の1stアルバムです。そうそう、<ザ・ダブラーズ>のアルバムが某オクで高値がついていることもご存知のようで「1万円の値がついてるけど誰も買わないね」「実際7000円くらいで取引されてるんじゃない?すごい利益率だよね」って。お願いだから再発売してくださ~い!切に希望いたしますです。

 時計を見ると22時10分。めっちゃ見ごたえ聴き応えがあって、とっても楽しいライブでした。途中サンプリングが入ったにせよ、ベース2本だけでもこれほど聴かせられるってほんと凄いと思います。“達人”おふたりならではの演奏だからでしょうね。
 そうそう、ひとつだけ気になったのは・・・ベース2本だけだからゆえに、その低音の音圧・振動でお店の家具や調度品がビビってジージーとノイズを発していたんですよね。あれちょっと耳障りだったなぁ。ベースだけだとどうしても気になりますね。今度は余計なものを排したスペースで聴いてみたいです。

 そのあと、お店にチャージと飲み物代を払って、そして「TWIN」のCDを買おうと。すると水野さんが直接販売を。ジャケットにサインもしてくれ、エフェクターを片付け中のほーじんさんにもお願いしてサインしてもらっちゃました。いい歳こいてミーハーしてしまいました。

ポートフォリオ 2

2008-05-15 00:50:14 | フュージョン
 全国ツアー後の同じ年(98年)の10月には早くも2ndアルバム「Election」を発表します。 1曲目は「The Volcano Boyz」。西脇さんの曲です。いきなり早いパッセージリフから始まってビックリ!ミドルテンポの超ヘヴィなブルーズ調ハードロック。時折アップテンポになったり、激しく弾きまくり叩きまくりしたりのテクニカルな面もある曲です。 2曲目は「Election」。西脇さんの曲です。ミドルテンポのヴォーカル入りの曲。ヴァース部はおとなしめなんですけど、サビはめっちゃヘヴィサウンド。 3曲目は「Penguin Dance」。水野さんの曲です。アップテンポのファンキーな曲。途中ベースでトーキングモジュレーターを用いたようなソロもあり、終盤にはドラムソロも。 4曲目は「My Fault」。西脇さんの曲です。優しくふわふわとした感じのベースハーモニクスサウンドからはじまるゆったりと穏やかなヴォーカル曲。ベースをアコースティックギターのように弾く場面も。ハーモニカのような素朴な音色のソロもいいですねぇ。 5曲目は「Clever Roadies」。水野さんの曲です。ウッドベースサウンドからはじまるミドルテンポのファンキーな曲。うねりまくりのベースにハーモニカのような音色の素朴なサウンドがからんで不思議な感覚に。 6曲目は「Ace of Solomon」。江川さんの曲です。アップテンポのファンキーなフュージョンですね。ノリノリのとっても楽しい曲。ワウワウベースもいいっすね。 7曲目は「New El Nino」。西脇さんの曲です。ヘヴィなギター風サウンドからはじまるサザンロック調のヴォーカル曲。 8曲目は「Real Existence」。水野さんの曲です。アフリカンみたいなリズムにのったベースからはじまる曲。ミドルテンポでカリンバみたいな音色やSaxのようなサウンドも。 9曲目は「Groove in The Morning」。江川さんの曲です。バリバリチョッパーからはじまるミドルテンポのやや重めのファンク。ベースうねりまくりです。 10曲目は「If I Give My Heart To You」。江川さんの曲です。メロトロンのようなサウンドからはじまるスローテンポの穏やかな曲。♪ドン、ドドンってリズムで、ベースでのトーキングモジュレーターサウンドでヴォーカルのような雰囲気も。ラストはシンセの幻想的なサウンドに包まれてFin。 前作の路線そのままのハード・ジャズ・ファンクで、前作よりもヴォーカル曲が増えてますね。個性あふれる皆様、思いっきり暴れまくってます。
 アルバム発表後の11月にはあの<野獣王国>とのジョイントライブもあったそうで。壮絶なバトルだったことでしょう。演奏だけでなく舌戦もね。そして12月にもライブを行いますが・・・なんと翌99年に<Portfolio>は解散してしまいます。しかし!これは発展的解散であって、この後、同じく水野さん&江川さんによるツインベースに青柳誠さんと東原力哉さんの4人編成のバンド<ザ・ダブラーズ>が登場します。こちらは今現在、CDがプレミアがついて高額なもので・・・またいずれ手に入ったら紹介させていただこうかと。

ポートフォリオ 1

2008-05-14 07:00:24 | フュージョン
 ロックバンドにおいては、同じ楽器を担当するミュージシャンが2人いることはよくありますね。ツインギターとか、ツインヴォーカルとかは結構ありますよね。そして少ないですけど、ツインキーボードも、ツインドラムも存在します。そんななかでいままで自分が見たことも聞いたこともなかったのが、ツインベースのバンド。それが今回紹介させていただく<Portfolio/ポートフォリオ>です。メンバーは、JAZZ畑出身で、ウッドベースやフレットレスベースで独特のベースサウンドを奏でる<水野正敏さん>と、元爆風スランプで、ファンキーなスラップベースや高速チョッパーの業師<江川ほーじんさん>の超個性的なベーシスト2人と、キーボード&ヴォーカルの<西脇辰弥さん>、そしてドラムス<石川英一さん>の超個性的な4人です。ギタリストがいないんですけど、なぜかギターの音が聴こえてくるそうで。それは西脇さんがキーボードでギターのサウンドも出しているとか。なのでライブでのメンバー紹介では西脇さんを“ギタリスト”と紹介することもあったとか。
 <Portfolio>は1997年6月にこのメンバーで結成され、他にはない編成だけに独特のサウンドを発し、メンバーそれぞれの好みのロック・ジャズ・フュージョン・ファンクなど多用な音楽性を披露して好評を得たようで。そして翌98年1月に1stアルバム「Portfolio」を発表します。 1曲目は「特車」。江川さんの曲です。ミドルテンポのパワフルでファンキーな曲。この重厚感、ブ厚いサウンド、凄いっす。 2曲目は「Snake Charmer」。水野さんの曲です。オリエンタルな雰囲気から始まり、いきなりアップテンポのノリのいいリズムに。この中近東の笛のような音色、なんだったかな?ホントタイトル通りになんかコブラが壺から出てきそうです。うねりまくるベースと、ベースのハーモニクス音、いいですねぇ。 3曲目は「Free」。西脇さんの曲です。ブギー調のベースからはじまるロック調のヴォーカル入りの曲。 4曲目は「Unfaithful Madam」。水野さんの曲です。アップテンポの変拍子のテクニカルな曲。複雑だけどとっても楽しい雰囲気ですね。 5曲目は「Where The Hell is This?」。水野さんの曲です。暗黒空間にベース音が無限に鳴り響いているかのようなディレイ効果を用いた幻想的な雰囲気の曲です。 6曲目は「クルシー」。江川さんの曲です。ハイテンポのテクニカルなベースリフからはじまるスリリングな曲。 7曲目は「The Blame」。西脇さんの曲です。ミドルテンポのめちゃパワフルなロック。ヴォーカル入りの曲です。間奏部は幻想的にベースが鳴り響いて。 8曲目は「Taxi Queen」。水野さんの曲です。最初からツインベースうねりまくり。ですが爽やかな雰囲気のアップテンポのフュージョンですね。後半はファンキーに。 9曲目は「Dark Matter」。西脇さんの曲です。ミドルテンポで重くミステリアスな雰囲気で始まって、徐々にパワフルに。そしてシンセ・オルガンソロ、ドラムソロと続きます。ラストはギターのようなヘヴィなソロが。 太く重い、硬派なハード・ジャズ・ファンク・ロック、凄いサウンドです。ベースファン垂涎の一品ですね。
 アルバム発表後は全国ツアーを敢行し、全国のファンを熱狂させたそうで。もっとも演奏時間と同じくらいMCに時間をさいていたとか?

A.P.J. 2

2008-05-13 06:56:47 | 難波弘之さん
 2年後の2002年11月は2ndアルバム「Labyrinthos」が発表されます。今回からドラマーが<池長一美さん>に交代しています。アルバム1曲目は「Grand Ground」。ピアノの早いパッセージからはじまるミドルテンポのパワフルな曲。前半はベースソロ満載で、後半はピアノたっぷり。それでも終始ドラムが曲をリードしているような感じですね。 2曲目は「Labyrinthos」。優雅なピアノソロからはじまる、スタンダードJAZZのようなロマンティックな曲ですね。軽やかなピアノも、軽いタッチのベースも心地よいです。 3曲目は「Apple Jam」。パーカッション&ドラムからはじまるミドルテンポの曲。リズムはマンボみたいですけど、メロディは綺麗なフュージョンですね。 4曲目は「Talkin’ To Myself」。ベースリフからはじまる、ちょっぴりオリエンタルな雰囲気もあるジャジーな曲。重いようでいて軽やかな感じも。 5曲目は「Green Brick」。ピアノからはじまる、ゆったりとした落ち着いたアダルトムードたっぷりのスローJAZZ。終盤はテクニカルですね。 6曲目は「他人の不幸は蜜の味」。パワフルなピアノリフからはじまる、ミドルテンポの曲。なんとなく憂いを感じますね。 7曲目は「Thrashard In The Cave」。ドラムとベースからはじまる、アップテンポのファンキーっぽいリズムの曲。でもでもピアノはファンクしてなくて軽やかで爽やかです。エフェクトをかけたコミカルなサウンドのベースソロも。 8曲目は「大陸」。最初は、シンバルロールからはじまる超テクニカルなドラムソロ。徐々に迫力が増していってパワフルに。5分を過ぎると今度はピアノソロにチェンジ。とても優雅で壮大なイメージです。が、後半はめっちゃテクニカルです。 9曲目は「Bloody Tears」。ピアノとベースからはじまるゆったりとした叙情的な曲。ベースの音色と池長さんのコーラスが哀愁を感じますね。 
 先日、横浜のJAZZスポットで、時間の都合で1時間だけだったんですけど<A.J.P.>のライブを見ました。素晴らしい演奏に感動し、演奏だけでなくMCもとっても楽しくて、わずかでしたけど素敵なひと時を過ごさせていただきました。また機会があればライブ見に行きたいです。3rdアルバムも手にいれなきゃ!

A.P.J. 1

2008-05-12 06:57:33 | 難波弘之さん
 <Acoustic Progressive Jazz>、略して<A.P.J.>。日本を代表するキーボード奏者<難波弘之さん>の、シンセを一切使わずにアコースティックピアノのみで素晴らしい音楽を演奏するプロジェクトです。2000年11月に1stアルバム「A.P.J.」が発表されました。緑の丘にそびえ立つ古城に青い空、そして下には羊の群れが。なんとも清清しい爽快感あふれるジャケットです。メンバーは難波さんの他に、ベーシスト<水野正敏さん>、ドラマー<山木秀夫さん>の3人トリオ編成です。アルバム1曲目は「薔薇と哲学」。流れるような美しいピアノの調べからはじまり、アップテンポのリフとたおやかなベースラインが交互にあらわれて。それらがだんだんとテクニカルでアツい演奏繰り広げて。 2曲目は「Jellyfish Garden」。軽快なピアノリフからはじまり、そのまま軽やかなリズムの上をピアノ&ベースが心地よく優雅に踊って。 3曲目は「Dimetra」。早いテクニカルなリフからはじまるアップテンポの変拍子いっぱいの曲。中盤は少し落ち着いてロマンティックな雰囲気のピアノソロが。終盤は再びアップテンポで軽快にテクニカルな演奏を聴かせてくれ、ラストには転調も。 4曲目は「Ameba In Maze」。ジャジーでテクニカルなドラムソロからはじまり、そのまま軽やかに曲が流れていきます。中盤にはベースソロも。終盤はパワフルですね。 5曲目は「百家争鳴」。ソロでもExhiVisionでもおなじみの曲ですが、アコースティックでのジャジーなアレンジでもパワフルだし、当然ながらテクニカルですね。 6曲目は「Progroove」。ハイスピードのJAZZロック調の曲。超テクニカルなベースとピアノのアツいバトルも。凄いっす! 7曲目は「阿梵(Ah bon)」。アップテンポの軽快な曲ですが、ピアノの調べはとってもロマンティック。 8曲目は「オーニソプター」。ミドルテンポのパワフルな曲で、どんどんとめまぐるしく展開していってめっちゃプログレってます。中盤にはベースソロも。とっても楽しい曲です。 アコースティック楽器によるナチュラルサウンド、とっても心地よいです。しかも単なるBGMはおさまらない聴き応えのあるアルバムですね。ついつい聴き入ってしまいます。

KENSO 8

2008-05-10 08:06:17 | KENSO
2004年、これまで長い間バンドを支えてきた村石さんが脱退し、小森さんが正式に加入。そして清水さん・三枝さん・小口さん・光田さん・小森さんという新生KENSOで、8月に川崎でライブを行ったそうです。2005年にはアメリカで開催されたプログレ・フェスに参加。そして2006年9月、通算8枚目となるスタジオアルバム「うつろいゆくもの」が発表されます。民族衣装を纏った色っぽい女性の横顔に思わず目をうばわれてしまいます。今回のアルバムではメンバー全員が曲作りに参加されたとか。そして今回のアルバムにも川島さんが素晴らしい歌声を聴かせてくれています。 1曲目は「痛ましき晦冥」。ヘヴィなギターとパワフルなドラムに圧倒されちゃいます。重いリズムのヘヴィロック。終盤には爽やかなメロディも。 2曲目は「あの頃モビーディックと」。いきなりパワフルにはじまるとってもヘヴィなリフと、とっても爽やかなフレーズが交互に表れます。中盤はミドルテンポでパワフルだけど哀愁を感じるメロディがながれて。ラストはヘヴィなギターソロとキーボードソロが。 3曲目は「そこはまあそこはかとなく」。綺麗なメロディのロマンティックな曲なんですけど、けっこうテクニカルだしパワフルな短い曲。 4曲目は「Rhyme-Stone in Cotswolds」。めっちゃテクニカルなんだけど、アップテンポの明るく楽しい曲。中盤にシャッフルっぽいノリノリのリズムになるも再び複雑な展開に。 5曲目は「ウブド寝入りばな幻聴」。ヴァイオリンのような、胡弓のような弦楽器の音色から始まって、ベースとドラムの軽快なリズムが交互に。そして不思議な音色が交錯するなんとも不思議な曲。チャイナ風のメロディがちょっぴりオリエンタルムードを醸し出して。 6曲目は「シヅカへの扉」。幻想的な音色のリフとドラムが絡み合って、ゆったりモードで不思議な魅力を味あわせてくれます。 7曲目は「木霊の舞う情景」。いきなり盛大にはじまってビックリ!静かで神秘的な音色とパワフルなリフが交互にあらわれたり、様々な音色が行き交って、テンポもどんどん変化していて、次の展開が読めないスリルがありますね。 8曲目は「A Single Moment of Life」。ギターとベースのハーモニクスの綺麗な音色によるゆったりとした優雅な短い曲。 9曲目は「GOS」。ミドルテンポのパワフルでゆったりとしたフュージョン。中盤はめっちゃ盛り上がります。アグレッシブなピアノソロやギターソロも。そしてアップテンポになってハードに。終盤では元のゆたりリズムに。 10曲目は「わくわくリーバレー」。タイトル通り、ワクワクしてくるようなリズミカルで楽しい曲。ブラスも入ってファンクっぽい部分もありますが、でもけっこうパワフルでヘヴィですね。 11曲目は「蠱惑島に歌は」。アコースティックギターの幻惑的な音色からはじまって、ゆったりモードでヴォーカルがはいります。なんとなくオリエンタルな雰囲気かな。後半にはフラメンコ調の手拍子からアップテンポでパワフルな展開に。 12曲目「三つ縄6/8」。キーボードの優しい音色とギターのユニゾンではじまる優雅なメロディの曲。でも複雑なリズムなのでやはりテクニカルですね。終盤はゆったりとFin。 13曲目は「風の中の菲林」。ギターとピアノの綺麗なメロディからはじまるロマンティックな短い曲。ラストは盛り上がって次の曲につながって。 14曲目は「暁に楽師が」。アコースティックギターの軽快なリフからはじまるのどかで爽やかな雰囲気の曲。中盤ではヘヴィなリフやドラムソロやオルガンソロなども。様々な音色が出てきてとっても楽しい! 15曲目は「コドン1」。ミドルテンポのドラムからはじまってパワフルで爽やかなカンテヴォーカルが。 16曲目は「コドン2」。キーボードのゆったりメロディアスなサウンドにのってパワフルなカンテヴォーカルが。 17曲目は「コドン3」。テープの逆回転のような効果音からはじまって、ゆったりとしたカンテヴォーカルが。バックではヘヴィなギターや歪ませたベースがうねってます。 アルバム「ESOPTRON」からハードロック寄りのサウンドですが、このアルバムでは以前のシンフォ・プログレのエッセンスもかいまみることができます。前作同様にハイレベルな演奏、綿密に練られ計算しつくされたアレンジの楽曲、と素晴らしいKENSOミュージックが楽しめます。現在も本業の合間の超多忙なメンバーそれぞれのスケジュールにあわせて不定期ながらもライブ活動を続けている<KENSO>。いつかライブを体験してみたいものです。8月にライブあるみたいですね。チケット手にはいるかな? あ、そうそう、自分も歯医者さんに行かなきゃ。。。

KENSO 7

2008-05-09 06:58:55 | KENSO
 2000年には<KENSO>結成25周年を祝うアニバーサリー・ライブを行い、そしてついに世界進出!アメリカ・ロスで行われたプログレ・フェスに参加されたそうです。多忙な光田さんの代役としてT-スクウェア等で活躍されている<河野敬三さん>に急遽参加してもらい、アツい演奏を披露。ライブはスタンディングオベーションで喝采を浴び、“KENSOにオイシイところをもっていかれた”と、好評を得たそうです。 そして帰国後はニューアルバムの創作に・・・
2002年5月に、通算7枚目のスタジオアルバム「天鵞絨症綺譚(びろうどしょうきたん)」が発表されます。このタイトル、ふりがなふってないと読めないっす。“天鵞絨症とは、白昼夢・幻視体験を伴う顕著な性格偏向を示す疾患とのこと。”だそうです。これはググってもひっかからないほどのめったにない奇病とか。大脳生理学で医学博士号をとられた清水さんならではの発想でしょうね。その“天鵞絨症”を描いたコンセプトアルバム、前作ではメンバーそれぞれの原点を思い起こすようなヘヴィロックをも展開されていましたが、今回ではさらにその範囲を広げてクラシック・ジャズ・ロックのみならず、バリ島の“ガムラン”のリズムを用いたり、フラメンコ歌手<川島桂子さん>にゲスト参加してもらって“フラメンコカンテ”をもKENSOサウンドに融合させたりと、あくなき挑戦、新たな展開もみせつけてくれています。アルバム1曲目は「精武門」。ヘヴィなギターリフからはじまるミドルテンポのめっちゃパワフルなハードロック。中盤のキーボードのフレーズは爽やかなイメージも。後半からテンポアップしてキーボードが壮大なイメージのサウンドを響かせて。ラストは元のミドルテンポでアコースティックギターでのリフも。 2曲目は「禁油断者マドリガル」。ゆったりとメロディアスなキーボードとギターのユニゾンからはじまるミドルテンポの落ち着いた感じの曲。でも変拍子いっぱいでテクニカルです。中盤からはパワフルに。キーボードソロ・ギターソロと続き、そして元のゆったりメロディアスモードに。 3曲目は「韗晦序曲」。早いパッセージのリフからはじまるミドルテンポのヘヴィでテクニカルな曲。なんとなくミステリアスなイメージですね。途中にオリエンタルなリズムが入って民族音楽的に。 4曲目は「木馬哀感」。ミドルテンポのブルージーだけどちょっぴりコミカルな音も。いろいろな音が飛び出てくる遊び心いっぱいの楽しい曲ですね。サビメロはとってもメロディアス。後半のピアノソロもとっても綺麗。 5曲目は「Tjandi Bentar」。不思議な神秘的なパーカッション音からはじまるゆったりとしたオリエンタルムードたっぷりの曲。途中からアップテンポになって盛り上がっていきます。 6曲目は「謀反」。ギターからはじまるアコースティックギターのリフが印象的なアップテンポのロック。中盤はテンポダウンして幻想的なサウンドに。再び元のテンポに戻ってラストはゆったりと。 7曲目は「夢想用階段」。シタールのようなサウンドと奇妙な効果音からはじまる、ゆったりモードの不思議な曲。 8曲目は「Echi dal Foro Romano」。幻想的なゆったりとしたキーボードサウンドからはじまり、穏やかで優しいメロディが。中盤からはドラムが入ってアップテンポの軽快でとっても楽しい曲調に。後半はめっちゃテクニカルな展開もありますが楽しいイメージはそのままで。ラストは劇的に盛り上がってFin。 9曲目は「隠遁者の娘」。素朴なキーボードサウンドからはじまる、ゆったりとした叙情的な曲。でも時折コミカルな音が入って楽しませてくれます。 10曲目は「太郎という生き方」。アップテンポのとっても爽やかで心ウキウキしてくるような曲。途中ふたたびオリエンタルモードのパーカッションが。 11曲目は「夜のドッペルゲンガー」。歪ませた不気味なヘヴィなベース音からはじまる短い曲。 12曲目は「Isolated Jiro」。ミドルテンポの変拍子いっぱいのテクニカルな曲。でもでもフレーズはとてもメロディアスですね。ここでも途中で神秘的なパーカッション音が。そしてオーケストラサウンドも。ミステリアスでスリリングな面もありますね。 13曲目は「和解」。とっても穏やかで優しく美しいメロディの心温まるゆったりとした短い曲。 14曲目は「陰鬱な日記」。ドラムとベースからはじまるミドルテンポのミステリアスな曲。中盤のピアノソロも不安げなメロディで。なんとなく憂いを感じるような曲ですね。終盤では一旦アップテンポになったあと、パワフルなカンテが。 15曲目は「自他溶融」。揺れ動くキーボードサウンドからはじまり電子ノイズが。そしてふたたびゆったりとキーボードの音色が聴こえてくるも時折ノイズにかきけされて。 凄腕揃いのメンバーによるハイレベルな演奏、そして練りに練られたアレンジによる印象深い優れた楽曲、「セカンド」や「夢の丘」と並び称される傑作です。
6月に渋谷でレコ発ライブを行い、そのときの映像がのちに「ハレ紀」というタイトルでDVD発売されます。翌2003年に某楽器メーカー主催のイベントに参加されますが、三枝さんがアメリカに音楽留学してしまったために、急遽“スーパーベーシスト”<永井敏巳さん>を迎えて敢行したそうです。この年の秋にもライブを行いますが、村石さんが不在のために<野獣王国>等で活躍されているドラマー<小森啓資さん>に代役をお願いし、さらにアルバムでも素晴らしいカンテを披露された川島さんにも参加してもらってエネルギッシュなライブを繰り広げたそうです。さらに10月にはバンド名の元でもあり、清水さんの母校である県立相○原高等学校の創立40周年記念の式典に招かれて来賓の方々や後輩たちの前でアツい演奏をみせたそうです。

KENSO 6

2008-05-08 06:59:36 | KENSO
 3年後の1995年、「夢の丘」のメンバーが再び集まって2日間ライブを行ったそうです。そのときの音源が「ZAIYA LIVE」として96年に発表されます。そして、96年・97年にもそれぞれに忙しいスケジュールの合間にライブを行い、その97年のときのライブの、たまたま記録用に録音してあった音源を収録したアルバム「IN THE WEST」がのちに発表されます。 翌98年、清水さんは私生活も落ち着きをとりもどし、そして自分のルーツを思い起こし、再び創作活動を再開。 99年に8年ぶりとなるアルバム「ESOPTORON」を発表します。「夢の丘」でそのスタイルを極めたこともあり、今回は清水さんが元々好きだった70年代のハードロックを目指した音作りとなっているようで、プログレ面は薄れて、ストレートにアツいロック魂をぶつけている面がだいぶ見受けられるようです。当初は清水さん・村石さん・三枝さんの3人でレコーディングを進めていたそうですが、当時<スターダスト・レビュー>で活躍していた光田さん、そして小口さんも合流して「夢の丘」メンバーでの発表となったようです。 アルバム1曲目はいきなり3部構成の組曲の「個人的希求」。a).泣き笑い b).少年の気球 c).祝祭。 やはりビックリ!いきなりのヘヴィロックです。ZEPの某曲のようなリフからはじまるミドルテンポのロックで、中盤からシャッフルっぽいヨコノリのリズムに。そして一旦スローテンポになったかと思いきやどんどんスピードアップして、再びスローテンポに。一旦Finしたあと、ギターソロ。そして再びイントロのヘヴィなギターリフでバンドイン。なんかまるで初期のZEPを聴いているかのような雰囲気も。それをキーボード入りでもっとテクニカルにしたような感じですね。いや、こりゃ凄いや!  2曲目は「願いかなえるこどもをつれてゆこう」。子供の話し声からはじまりギターとベースのナチュラルトーンでのクラシックギター協奏曲のようなイントロからバンドが入ってアップテンポの軽快で爽やかな曲調に。青空のもと、草原を走っているかのようなイメージが浮かんできます。 3曲目は「湖畔にて」。アコースティックギターとエレキとキーボードのフォークっぽいフュージョンの短い曲です。 4曲目は「在野からの帰還」。再びZEPのようなヘヴィなリフからはじまり、そこにキーボードがからんで。アップテンポの変拍子いっぱいのヘヴィロックです。中盤はゆったりモードでキーボードの幻想的なサウンドに。そしてそれがどんどんテクニカルな展開になり、再びヘヴィロックに。 5曲目は「知識を超えて」。神秘的なシンセサウンドとドラムのスペーシーな短い曲。 6曲目は「Gips」。ヘヴィなギターリフとキーボードサウンドが絡み合う重いテンポの曲。中盤はアコースティックギターがはいって爽やかな展開に。そしてアップテンポになって盛り上がって。ラストは元の曲調に。 7曲目は「The Egg of Joe」。重いドラムからはじまり、哀愁を感じるメロディアスなギターが。ゆったりとしたほのぼのするような曲調です。中盤でのマウスハープなんてフォークっぽくていいですねぇ。 8曲目は「クロノス・ウーラノス・エソプトロン」。中近東の笛のような音色から始まって民族音楽のようなリズムで様々な音色で、おもいっきりオリエンタルしてますね。終盤にはよくわからないナレーションも。遊び心たっぷりの曲かな。 9曲目は「躁の悲哀」。フォークっぽい雰囲気からはじまってインプロのめっちゃテクニカルな展開に。中盤からはリフとともにヘヴィな展開に。テンポもアップしてハードなバトルを。と思いきや再びゆったりモードに。全く先が読めない、めまぐるしく変る展開にどんどん引き込まれていきます。 10曲目は「Release Yourself」。ミドルテンポのオーソドックスなハードロックの曲調ですが、もちろん“ひねり”がありますねぇ。終盤には変拍子のミステリアスなギターリフが。そしてラストはアップテンポでヘヴィに。 11曲目は「気楽にいこうぜ」。ふわふわとした感覚の軽く爽やかな短いフュージョン曲です。最後の「ありがとうございました」ってナレーションもいいなぁ。 元々ハードロックが好きな自分には嬉しいサウンドですね。このアルバム「ESOPTORON」は清水さんが“作りたい音”であり、“作らなければいけない音”だったそうです。たとえ「夢の丘」の路線を期待していたファンが離れていってしまっても・・・ 
アルバム発表後に大阪・東京・相模原でライブを行ったそうですが、光田さんが多忙のため参加できなかったので、4人で演奏されたとか。でもでもとてもエネルギッシュなアツいライブだったそうです。

スペース・サーカス 2

2008-05-06 07:44:51 | フュージョン
 1stアルバム発表のあと、山際さんが音楽性の違いから脱退してしまいます。岡野さんはその頃シンセの魅力にハマり、バンドの音楽性もプログレ寄りになったとか。山際さんはどちらかというと作曲・編曲方面で、キーボードもピアノ系を好まれていたそうですね。そこでバンドは新たなキーボード奏者に、ヴァイオリニストでもある<豊田貴志さん>を迎えることに。岡野さんはベースの他、ベースペダルやギターシンセも用いるようになり、小川さんもそれまで26インチのワンバスだったのが、24インチの2バスのセットに代えたそうです。そんな風に機材も多くなったにもかかわらず、なんとその機材群を岡野さんの自宅に持ち込んでリハに勤しんだそうで。う~ん、広いお宅なんですねぇ。そして2ndアルバムの制作にとりかかったようで。前作のときほど無茶な日程ではなかったものの、オーバーダブはあまりなく一発録りが多いそうです。岡野さんはギターシンセを弾きながら足でベースペダルを弾くという凄い技も。
 1979年の9月に2ndアルバム「Fantastic Arrival」が発表されます。アルバム1曲目は「Heavy Duty Space Dragon」。スペーシーな効果音からアップテンポの軽快なリズムでスタート。いきなりファンキーなリードベース。そして爽やかな音色のキーボードソロへ。テクニカルな変拍子のあとはギター・ベース・キーボードのソロが交互に。テクニカルなジャズロックです。 2曲目は「Demon Blast」。ミドルテンポのキャッチーなメロのパワフルなロック。中盤はとっても爽やかで壮大なシンフォニックのイメージも。終盤には超テクニカルなユニゾンも。ラストはロックンロールリズムでFin。 3曲目は「Acryl Dream」。メロディアスでゆったりとした幻想的な雰囲気からスタートし、スペーシーでシンフォニックな展開に。ゆったりとしたギターソロのつぎには、艶やかなヴァイオリンソロが。終盤は再びシンフォニックサウンドの壮大でドラマティックな展開に。 4曲目は「Pot People」。ファンキーなギターリフからはじまるミドルテンポのヘヴィな曲。メロディアスなヴァースとめっちゃテクニカルなパートが。中盤は幻想的な雰囲気のなかベースソロが。後半はクラシカルな展開もみせるドラマティックな曲ですね。 5曲目は「The Dawn of Aquarius Age」。哀愁を感じるシンセとヴァイオリンのゆったりとした感じからはじまり、ファンファーレ的なヘヴィなギターが。そしてアップテンポの軽快なリズムにシンフォニックなサウンドをみせるも、そこからミドルテンポのヘヴィなギターリフが。エコーの効いたフレットレスベースサウンドもいいですねぇ。中盤にはゆったりと幻想的でスペーシーなサウンドに。終盤はミドルテンポでバラード調の劇的な展開に。 6曲目は「Arcadia」。透明感のある綺麗なシンセサウンドとギターから始まるアップテンポの軽快で爽やかなフュージョン。 7曲目は「Fantastic Arrival」。ほのぼのとした雰囲気からアップテンポのファンキーでヘヴィなサウンドに。そしてヴァイオリンサウンドも入ってシンフォニックなサウンドに。一旦Finしたあと、幻想的な雰囲気に。そしてゆったりとしたテンポで伸びやかで美しいヴァイオリンの音色が響いて、そこにメロディアスなギターが絡んで盛り上がっていって劇的にFin。 オリジナルアルバムはこの7曲なのですが、やはり2ndアルバムのほうにも今回2008年の再発で、ボーナストラックとして貴重なライブ音源が収録されてます。こちらは79年に目黒区民センターホールで行われたというライブの音源から、「The Dawn of Aquarius Age」のリハーサル音源と、曲前にアドリブ演奏のある「Pot People」の2曲が収録されています。この2曲もやはり凄い迫力のあるサウンドです。 1stもそうですが、この2ndは特に人気が高く、“最高傑作”と賞賛されていますね。テクもさることながら、ドラマティックな構成の曲も多く、シンフォ・プログレとしても素晴らしいアルバムです。
 超速チョッパー・ベース、超早弾きギター、ダイナミックかつ正確なビート、そして繊細で美しいキーボード、それらをもってしてのジャズ・ロック・プログレ・ファンク等の要素を巧みにとりいれたハード・フュージョン・サウンドでファンをとりこにした、まさに音の“サーカス”ともいえる<スペース・サーカス>。 残念ながらこの素晴らしい作品を発表したのちに佐野さんが脱退してしまい、佐野さんのギターなくして<スペース・サーカス>は成りえない、とバンドは解散してしまいます。
 その後は個々に活動されたようですが・・・アルバムには<Dedicated to memory of Yukinao SANO>と書かれています。この2008年4月23日のアルバム再発売を待たずして、ここのところ体調がすぐれなかったという佐野さんが3月に天国へ旅立ってしまったそうです。ひょっとしたら再発を機に再結成もあるのでは・・・なんてふと思ったりもしましたが・・・残念でなりません。謹んでご冥福をお祈りいたします。

スペース・サーカス 1

2008-05-05 10:14:53 | フュージョン
 70年代後半のわずかな期間に存在し、<CROSSWIND>とともに超絶テクでめちゃめちゃハードなフュージョン系ロックを聴かせてくれた伝説のバンド<スペース・サーカス/Space Circus>。いつかその音源を聴いてみたいと、すでに廃盤となったアルバムを探してみたのですが・・・オークション等中古市場では1万から2万というプレミアがついていて、自分のような貧乏人には到底無理な金額だったんですよね。なのでほとんどあきらめていたんですよね。そんなときにいつものように某通販サイトを見ていたら・・・なんと4月23日にCDが再発される、との記載を見てビックリ!すぐ予約しようかと思ったんですが、某CD店ではおまけにCDBOXが付くというのでそちらで購入することに。いやぁ~、こうして過去の名盤を再発してくれるのはめっちゃ嬉しいっす!高いお金だして中古を買わなくて済むもんね。しかも今回再発されるCDにはボーナストラックもあるようなのでそれも楽しみでした。
 <スペース・サーカス>は、詳しい結成のいきさつとか全く分からないんですけど、今回のライナーノーツによれば、バンドの中心人物であるベーシストの<岡野ハジメさん>は当時、チック・コリア等のコピーバンドをやっていたそうですが、そのバンドのドラマーが辞めてしまったとか。そこで当時<スペース・サーカス>に参加していた友人のドラマー<小川宣一さん>に声を掛けたところ、ちょうど<スペース・サーカス>のほうもベーシストが辞めてしまったので、逆に岡野さんが<スペース・サーカス>に加入することになったとか。それが1976年の秋ころで、そのときバンドはギタリスト<佐野行直さん>とのトリオバンドだったそうです。活動を続けていくうちに3人では音の広がりに限界を感じたために、キーボード奏者の<山際築さん>に加入してもらったとか。バンドは月いちでライブハウスでギグを行い、その類まれなる演奏技術の高さと音楽性ゆえに徐々に人気も高まってきて、いよいよアルバムを制作する話もでてきたそうで。機運も高まりいざスタジオへ!ところが、与えられた時間は極端に少なく、初日に7曲のリズムトラック、2日目にダビング、3日目にミックス、というようなほとんど1テイクでしかも不眠不休のような状態だったようです。途中プロデューサーに少し休みをお願いしたこところ、一喝され、プロとしての心構えを説かれたとか。超低予算で制作されたデビューアルバム。しかしほとんど1テイクだったゆえにスタジオ・ライブ的なサウンドのまじりっけナシの音が楽しめるようです。1978年2月にこのデビューアルバム「Funky Caravan」が発表されます。 アルバム1曲目は「Alibaba」。ミドルテンポの幻想的な雰囲気かと思いきや、高速チョッパー全開のハイテンポジャズロックに。めっちゃ複雑なリズムなんですけど、軽快な感じで心地よいですね。でもよく聴くと凄いことやってますよね。途中ストップしてゆったりと幻想的な雰囲気に。それがまたどんどん盛り上がっていて。再びストップすると今度はピアノの美しいメロディが。それがまた盛り上がっていき、ギターの早弾きソロへ。 2曲目は「Network」。アップテンポですけどちょっと落ち着いた感じのおしゃれなフュージョン。メロディアスなムーグソロ、そしてギターソロも。終盤ではクラシカルなオルガンの調べも。 3曲目は「African Reggae」。ゆったりとしたジャジーなピアノの調べからはじまり、バンドインとともにレゲエ調の落ち着いた感じのトロピカルなフュージョンに。後半のギターソロもさりげなく凄いっす。 4曲目は「Funky Caravan」。ブルージーなヘヴィなギターリフからはじまる、ミドルテンポのグルーヴィな曲。中盤にはメロディアスなギターソロから、そのあとクラシカルな展開に。そして元のグルーヴィなリズムにもどったあと一旦Fin。そして強風の吹き荒れる効果音からテクニカルなジャズロック調に。そしてまた一旦Finしたあと風の効果音からドラムが入ってリズミカルな展開になり、ワウギターソロも。 5曲目は「The Way We Were」。幽玄なベースソロからはじまる、スローテンポのトワイライトって感じの曲。夕暮れの静かな海を見ているかのようなメロディアスなフュージョンです。透明感のあるキーボードソロ、とっても綺麗。スライドギターソロもいい感じですねぇ。 6曲目は「Spring Wave」。楽しいファンキーなリズムからはじまる、ウキウキしてきちゃうような明るい曲ですね。軽やかなキーボードソロ、ドラムソロ、そしてチョッパーソロへ。ギターとキーボード掛け合いがちょこっとあってからギターソロへ。そしてトーキングモジュレーターでのコミカルなサウンドも。 オリジナルアルバムはこの6曲ですが、今回2008年の再発CDではボーナストラックとしてなんと初期のライブ音源が2曲収録されています。しかも76年の11月という岡野さんが加入してまもないころの、まだ山際さんが参加していないトリオ編成のときの明大の教室でのライブ音源という超レアなものです。まずは「Funky Caravan」。生々しいド迫力のサウンド、凄いっす。めっちゃパワフルですね。しかも正確だし。 そして「月への旅」という曲です。シャッフルっぽい6/8のヨコノリのパワフルかつめっちゃテクニカルなハードロック。ベースもドラムもギターもほんと凄ごすぎ!演奏後の拍手が少ないのは納得いかないなぁ。
 超絶テクでしかもド迫力の凄い演奏が堪能できる素晴らしいアルバム、ですが・・・岡野さんはもっと時間を掛けて、先輩バンドである<四人囃子>や<ミカ・バンド>に負けないサウンドのアルバムを発表したかったようで、このことが後にご自身が音楽プロデューサーとなるきっかけとなったようです。