ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

茂木由多加さん

2008-05-31 07:49:18 | 四人囃子
 2008年4月、<四人囃子>の復活ライブを観に行きましたが、ステージにはこの方はいらっしゃいませんでした。いや、ひょっとするといらしたのかもしれません。
 キーボード奏者<茂木由多加さん>は、70年ころから音楽活動を始めて、のちに<四人囃子>に加入する<佐久間正英さん>とバンド活動をされてたそうです。茂木さんは75年2月から同年11月までの短い期間でしたが<四人囃子>に在籍し、シングル「空とぶ円盤に弟が乗ったよ」にも参加されたそうです。脱退後も多く関わっていたそうですね。77年ころからセッション活動や作曲・編曲等も手がけ、佐久間さんが四人囃子のあとに組んだテクノバンド<プラスティックス>や<ジューシーフルーツ>に協力したり、<早見優さん>の83年から85年にかけてのヒットシングルも手がけておられたそうです。
今回紹介させていただくアルバムは78年に発表された茂木さんの1stソロアルバム「デジタル・ミステリー・ツアー」です。The Beatlesのアルバムにひっかけたこのアルバム。78年といえば、<YMO>が1stアルバムを発表した年で、シンセサイザー・ミュージックがポピュラー化する直前だったようですね。茂木さんは様々なキーボードを用いて、佐久間さんが数曲参加している以外は全部お一人で多重録音によって制作されたそうです。シンセサイザーで新たな音世界を探求された、とか。
 このアルバムはレコードでいうところのA面はThe beatlesの曲を、B面では映画音楽等スタンダードな曲を、独特のアヴァンギャルドなタッチでカヴァーされています。 A面1曲目は「Magical Mystery Tour」。この電子音のシーケンスは懐かしいですねぇ。きらびやかなシンセサウンドでえがかれているこの曲、目の前に眩しいくらいに光り輝く世界が広がっているかのようです。 2曲目は「Flying」。透明感があって、ふわふわと浮いているかのような感覚のゆったりとした音世界。いいですねぇ。 3曲目は「Your Mother Should Know」。物を落としたような音から始まる、なんともコミカルな曲。チャッ○リンの無声映画をみているような感覚かも。後半には盛大な拍手音も。 4曲目は「Blue Jay Way」。小鳥のさえずり音や赤ちゃんの鳴き声からはじまって、独特のパーカッション的な電子音が響いて。ゆったりとしたやや暗い幻想的な感覚でしょうか。 5曲目は「Fool on The Hill」。ピアノによる神秘的なサウンドからはじまる、ゆったりとした美しいメロディの叙情的な曲。
 そしてB面1曲目は「星に願いを」。軽快なビートにのってのこのメロディもいいですねぇ。とってもスペーシーでロマンティックでもありますね。 2曲目は「スケーターズ・ワツツ~美しき青きドナウ~」。ストリートオルガンのようなほのぼのとしたサウンド、いいですねぇ。 3曲目は「2人でお茶を」。オシャレでコミカルでポップな感じですね。 4曲目は「Star Dust~Moonlight Serenade」。ゆったりとした幻想的で心やすらぐ感じですね。 5曲目は「“白鳥の湖”より、白鳥の踊り」。 世に知れ渡った名曲をカヴァーする場合、アレンジしすぎるのも、オリジナルに忠実すぎるのも評価されにくいでしょうけど、茂木さんはあえて大胆に“自分らしさ”を出したようです。通常カヴァーする場合は“メロディ”を主体としてアレンジするそうなのですが、茂木さんはあえて“リズム”に主観をおいてアレンジされたそうで。茂木さん独自の解釈、奥が深いです。
 茂木さんは80年にもソロアルバムを発表され、その後も活躍されますが・・・2003年に天国へ旅立ってしまったそうです。謹んでご冥福をお祈りいたします。