August

　勉強のためにあちこちのレビューサイトも覗いておりますが、そのなかで絶賛されているアルバムとかはやはり自分も聴いてみたくなるものでして・・・今回紹介させていただくアルバムも、某サイトで“名盤”と称えられていたもので、いつか聴いてみたいと思っていたんです。でも残念ながらとっくに廃盤。以前某オクに出品されていたときはちょっと高くて手がでなかったのよね。その後しばらく出てこなくてほとんどあきらめていたんですが、先日ふと某中古サイトをみていたら、ほぼ定価で売られていたのですぐにＧＥＴしちゃいました。「八月の印象/August」というアルバムです。青地にブルーのアゲハチョウとお花というとてつもなくシンプルなジャケットです。いったいどんなサウンドを聴かせてくれるのでしょう・・・
　バンドの詳しいことは全くわかりません。メンバーはギターの＜河合良典さん＞、ドラムスの＜西田等さん＞、ヴォーカルの＜工藤美鈴さん＞、ベースの＜菅野荘さん＞、そしてキーボードの＜高田礼人さん＞の5人のようです。で、ＣＤ裏ジャケには、ディレクターにあの＜夢幻＞の林克彦さんのお名前と、E-プロデューサーに“J-PROGの仕掛け人”ヌメロウエノ氏のお名前も。それとこのアルバムは1989年の12月にレコーディングされたようです。
　このアルバムの“売り”は、なんといっても工藤さんの透明感のある美しいヴォーカルのようでして・・・すっごい楽しみです。ではアルバムのほうへ。
　1曲目は「ナポリを見て死ね！」。静かに静かにゆったりとはじまります。そして澄んだ綺麗な声のスキャットが響いて。落ち着いた雰囲気でそれが徐々に力強くなって。中盤はベースのリフとともにテンポアップしてドラムも激しくなり、ギターもキーボードもハードに。しかしそれがおさまるともとのゆったりとしたムードになりますが、ラストでは再びハードなギターソロがはいってパワフルなモードに。
　2曲目は「8月の印象」。小鳥のさえずりとアコースティックギターのリフレインの短いインスト曲です。
　3曲目は「雪」。アコースティックギターの寂しげなリフからはじまって、叙情的なヴォーカルがはいって。雪国の素朴な感じですね。深深と降り積もる雪を眺めているかのような。間奏のピアノソロもおだやかでしっとりと。
　4曲目は「月影」。鐘の音からはじまって、力強いミドルテンポのリフが。やや暗めのパワフルな曲です。間奏ではアグレッシブなピアノソロ、終盤ではエモーショナルなギターソロを聴かせてくれます。
　5曲目は「夏飼い」。ゆったりとした美しいピアノフレーズからはじまる、ほのぼのとする穏やかな曲です。演奏はパワーバラード調ですね。パワフルな演奏と透明感のある美しいヴォーカルの対比がいいですねぇ。ラストはドラマティックにFin。
　6曲目は「青い灰」。激しい足音からはじまり、扉の閉まる音からゆったりとしたスローテンポのギターリフが。ヴァースは叙情的にしっとりとした雰囲気で歌い上げます。
　7曲目は「春は泡沫」。アップテンポのリズムでパワフルなリフがはじまりますが、ヴァースはピアノのリフレインをバックにしっとりとしたヴォーカルが。間奏はピアノのリフレインをバックにエモーショナルなギターソロが。しかしドラムはめっちゃパワフルに叩きまくってます。終盤は美しいスキャットとともに盛り上がっていってアグレッシブなギターソロでFin。
　8曲目は「8月の印象/リプライズ」。素朴な雰囲気のアコースティックギターのリフレインと力強いベース＆ドラムによるインスト。ドラムはめっちゃ叩きまくりで、ほとんどソロ状態ですね。　
　透明感のあるとってもピュアで綺麗な声のヴォーカル、聴き入ってしまいます。演奏自体は派手さのないとってもシンプルな印象ですが、なにか不思議な魅力を感じます。聴いていたらいつのまにか終わっていたような。こういうのもいいかもしれませんね。もっともこのバンド（プロジェクト？）もこのアルバム1枚だけのようですが・・・