ひよりの音楽自己満足

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金子飛鳥さん TWELVE MYTHS

2010-04-28 21:55:41 | フュージョン
 92年にソロアルバム「Multi Venus」を発表されたあとも精力的に音楽活動を続ける<金子飛鳥さん>。様々なプロジェクトに参加され、様々なミュージシャンと共演され、国内にとどまらず世界中を駆け巡って大活躍。そして95年にこの2枚目のソロアルバム「神話の時代 ~TWELVE MYTHS」を発表されます。
 世界各国を旅されて、世界各国の人々と出会い、世界各国のミュージシャンと交流し、世界各国の楽器を見て聴いて、世界各国の異文化に触れてきたという飛鳥さん。各国特有の音楽文化や楽器の制約などの多くの“壁”を知り、その“壁”を越える方法を時間をかけて模索し、各国の楽器の特性を生かした上で、ご自身の音楽性を乗せてオリジナリティあふれる楽曲を作曲されたそうです。
 そして多くの伝統楽器奏者と交流し、時に食を共にしてコミュニケーションを重ね、時にはぶつかりあいながらも共通する音楽への想いを分かち合って、試行錯誤を繰り返しながらこのアルバムをレコーディングされたそうです。ライナーノーツの最後には「出会いが音になったのです」「すべての出会いに心から感謝します」と綴られています。素晴らしいですね。
 アルバム1曲目は「Nataraja」。けだるい感じのヴァイオリンの音色からはじまって、そしてパーカッションがはいってミドルテンポで雄大な雰囲気を感じる曲展開に。まずは妖しい感じのエモーショナルなヴァイオリンソロ、そして大地を感じるリフからパーカッションソロへ。続いて美しいピアノリフをバックに、テクニカルなギターソロが。終盤では小さいラッパのような音色のソロ、そしてそこにヴァイオリンが加わって。アフリカンな雰囲気ただよう力強さを感じる曲ですね。
 2曲目は「Echoes」。ゆったりと幻想的な雰囲気からはじまって、美しい女性ヴォーカルが優しく艶やかにながれて。そしてこぶしの効いたスキャットも。中盤からパーカッションが入って、そしてヴァイオリンのけだるく伸びやかな音色がゆったりと響いて。その後ファンキーなベースがはいって躍動感が増してリズミカルになり、そしてアップテンポになってトロピカルな感じでアヴァンギャルドなヴァイオリンソロが。そしてとっても楽しいラテンリズムで軽快なヴォーカルが跳ねるように踊って。
 3曲目は「Marg」。ミドルテンポのアフリカンなパーカッションとぶっといベースサウンドからはじまって、二胡とヴァイオリンの伸びやかな音色とコーラスがはいって。中盤ではエモーショナルなヴァイオリンソロ、そして二胡の妖しい音色が艶やかに響いて。
 4曲目は「Dawn」。ヴァイオリンのゆったりとした幻想的な音色からはじまって、そこに透明感のあるキーボードやパーカッション等の音色が加わって。中盤からパーカッションのミドルテンポのリズムがはいって、ヴァイオリンのエモーショナルなソロが。ヴァイオリンのゆったりとした伸びやかで心地よい音色、うっとりと聴きほれてしまいます。
 5曲目は「Where The Roc Lands」。アフリカンなパーカッションからミドルテンポではじまって、ヴァイオリンの妖しく伸びやかな音色がながれ、そして女性のスキャットもくわわって、ヴァイオリンと交互にメロを奏でて。
 6曲目は「Tamayura」。シタールの妖しい音色のソロからはじまって、そしてミドルテンポのリズムがはいって、美しい女性ヴォーカルが妖艶にながれます。中盤ではリズミカルなヴァイオリンソロ、そしてシタールの音色が響いて再び幻想的なヴァースに。美しいコーラスのあとはリズミカルなパーカッションをバックにテクニカルなガットギターソロが。ラストはシタールのソロも。
 7曲目は「花の翼(Wreath of Flight)」。神秘的なサウンドから幻想的にはじまるも、アップテンポでポップな女性ヴォーカルがはいって爽やかな歌声を聴かせてくれます。サビではコーラスがはいって、そして盛り上がって。中盤ではアップテンポで軽快に展開するも再び幻想的な雰囲気に。その後力強いコーラスがはいってドラマティックにFin。
 8曲目は「夢の跡」。ヴァイオリンの抒情的な音色がしっとりと響き、そこに二胡の艶やかな音色が妖しく響いて。続いてタブラのリズムがはいって、ヴァイオリンの伸びやかな音色、そしてお琴の情緒あふれる音色がしっとりとながれて。“和”と“中”が渾然一体となって心地よいアンサンブルを聴かせてくれます。懐かしさや郷愁を感じる曲ですね。終盤ではタブラの激しいリズムでアップテンポでにぎやかに。
 9曲目は「Jane Man Jane Jana」。エレキヴァイオリンの妖しい音色からアップテンポではじまり、タブラのリズムで中近東メロディがながれ、ヴァースはラップ調のヴォーカルが。そしてサビではアラビアンな雰囲気に。間奏ではエレキヴァイオリンのエモーショナルなソロ、そしてキーボードソロが掛け合いのように。ラストではアグレッシブなヴァイオリンソロも。妖しく、しかもとっても楽しい曲です。
 10曲目は「Upstream」。浮遊感のある、やさしくほのぼのとした可愛らしく綺麗なコーラスの30秒ほどの小曲です。
 11曲目は「春の声(Voice of Spring)」。二胡の素朴な音色からゆったりと幻想的にゆらゆらとはじまって、そして徐々にダイナミックなスケールの大きなサウンドに。ストリングスオーケストラのような重厚なサウンドも。その後、動物の鳴き声のようなアヴァンギャルドな音色が響き、そしてゆったりとたおやかに二胡の音色が心地よくながれ、そこにお琴の音色も加わって。中盤では再びストリングスオーケストラのダイナミックなリフがはいってパーカッションとともに盛大なサウンドに。とってもドラマティックですね。終盤では再びお琴のリフレインがながれ、そして盛大なエンディングを迎えます。
 12曲目は「Earth Turns Eternal」。浮遊感、そして透明感のある女性ヴォーカルの囁くような歌声がゆったりと優しくながれて。間奏ではけだるい感じの伸びやかなエレキヴァイオリンの音色がながれて。幻想的で穏やかな心休まる曲ですね。
 どこか懐かしく、郷愁を感じるようなメロディや、中国の大河のゆったりとしたのどかでのんびりとしたながれ。さらには東南アジアや中近東の景色が浮かんできそうなメロディも。もちろん“和”の情緒もたっぷりの、とっても素敵な“音楽の旅”ですね。他国の楽器と和楽器とのアンサンブルも綺麗に調和されていてとっても心地よい美しいサウンドを聴かせてくれますね。

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