ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

Salle Gaveau La Cumparsite

2011-06-12 07:11:42 | 鬼怒無月さん
 “タンゴ”の可能性を追求し、拡大した独創的な室内楽を聴かせてくれる、ギタリスト<鬼怒無月さん>率いる<Salle Gaveau/サル・ガヴォ>。2003年に結成され、ライブを重ねて、2007年1月に1stアルバム「Alloy」を発表され、翌2008年6月に2ndアルバム「Strange Device」を発表されます。その年にはヨーロッパツアーも敢行され、各地で大盛況で、いまや“世界のSalle Gaveau”として活躍されています。メンバーは前回同様に鬼怒さんの他、ヴァイオリニストの<喜多直毅さん>、アコーディオン奏者の<佐藤芳明さん>、コントラバス奏者の<鳥越啓介さん>、そしてピアニストの<林正樹さん>の5人です。
 そして2010年6月にこの3rdアルバム「La Cumparsite/ラ・クンパルシータ」が発表されます。ジャケットは、ケースにはCD直径の円が赤で縁がイエローのプラ板が、CD盤にかの岡本太郎氏の太陽の塔の“顔”がモノクロで描かれています。面白いアイデアですねぇ。
 アルバム1曲目は「La Cumparsite」。ピアノのダークな音色が低くゆったり響き、そこにヴァイオリンが加わり、そしてアコーディオンの衝撃的なリフとギターもはいって。その後アヴァンギャルドな雰囲気になりかけるも、元のリフが徐々にテンポアップしていて激しくパワフルなタンゴ調に。そしてピアノリフをバックにヴァイオリンとアコーディオンがアヴァンギャルドに弾きまくって。中盤では一旦止まって再びダークなリフが響き、そしてエモーショナルなギターソロが。その後ダークリフが徐々にテンポアップしていくも静かになって、ギターリフをバックにアコーディオンのソロとピアノ&ヴァイオリンのダークなリフが掛け合いのように。そして一転ピアノの美しく優雅な音色がゆったりと響き、そこにヴァイオリンが伸びやかで艶やかな音色のソロを。しかし弦を引きずるような不快な音を響かせ、再びダークなバンドリフがはいって徐々にテンポアップしてそしてアグレッシブな弾きまくりギターソロが。バックではピアノも力強く弾きまくって。ラストはオールユニゾンでダイナミックに。めっちゃパワフルでスリリングな曲ですね。
 2曲目は「Ecosistema representado por cuentos infantiles/童話で書かれた生態系」。ピアノの軽快で優雅なリフレインから明るく爽やかにはじまって、そこにヴァイオリンが加わって。そしてアコーディオンの軽快なリフ、ヴァイオリンの伸びやかで艶やかな音色が響き、ギターの軽やかな音色も加わって、そしてユニゾンでリフを。その後アコーディオンリフやピアノリフをバックにヴァイオリンソロが。続いてアコーディオンリフをバックにリズミカルなピアノソロが。続いてヴァイオリンソロにピアノがカウンターを入れ、アコーディオンとギターが同じような展開を。中盤ではピアノとギターの追っかけリフからアコーディオンとヴァイオリンがフリーで弾き、それが徐々にユニゾンでまとまっていきます。終盤ではヴァイオリンが爽やかで優雅なリフを奏で、続いてアコーディオンとギターも加わってユニゾンに。ラストはピアノリフのみとなって静かにFin。
 3曲目は「Endiablamos ai Diablo/悪魔にやられた悪魔」。ピアノのミステリアスなスパイラルモードのアップテンポのリフからはじまって、そこにギターも加わってユニゾンで。そしてヴァイオリンとアコーディオンがユニゾンでミステリアスなフレーズを奏で、めっちゃスリリングに展開していきます。その後ギターのアグレッシブなソロ、パワフルなユニゾンが。中盤一旦止まって静かになったあと、ヴァイオリンのダークで不気味なソロが。それが徐々にアグレッシブになっていき、ギターも加わって盛り上げ、さらにピアノやアコーディオンもくわわって、そしてユニゾンのスパイラルリフが。終盤ではギターリフをバックに激しいピアノソロ、そしてアコーディオンとヴァイオリンのユニゾンでのダークリフが。ラストはスリリングでダイナミックなユニゾンリフが怒涛のように激しく押し寄せてFin。
 4曲目は「Rain at 3:00PM/雨は午後3時に」。美しくしっとりとしたピアノのリフレインから哀しげにはじまって、アコギの素朴な音色が哀愁をただよわせてしっとり響き、アコーディオンとヴァイオリンが伸びやかな音色を響かせて。中盤ではピアノ・アコーディオンのリフをバックにヴァイオリンが叙情的な音色をゆったりと伸びやかに、そして切なげな悲しい音色のソロを。続いてアコギの素朴な音色が美しく哀しく響き、そしてヴァイオリンとピアノのユニゾンのゆったりとしたフレーズから静かにFin。
 5曲目は「Magic shadow show/影絵遊び」。ギターの爽やかなリフからヴァイオリンの音色がおしゃれに優雅にながれて、そこにリコーダーが加わってユニゾンで。そしてワルツリズムでアコーディオンとリコーダーがリズミカルに心地よくフレーズを奏でて。続いてピアノのリフからギター・アコーディオン・ピアノのリズミカルなリフ、そしてピアノソロへ。そこにヴァイオリンも加わってリフを。そのリフにアコーディオンも加わって徐々に盛り上がっていってユニゾンで。中盤一旦止まったあとアコーディオンのリフとヴァイオリンのアヴァンギャルドなソロがアップテンポで展開してギターも加わってスリリングに盛り上がって。それが突然止まって静かになって神秘的な雰囲気になるも、アコーディオン・ヴァイオリンのリフからギターのヘヴィなリフがはいってそのままアグレッシブなギターソロへ。終盤再び止まってヴァイオリンの不快なノイズが響くもすぐに元のギターの爽やかなリフからヴァイオリンの音色がおしゃれに優雅にながれて、そこにリコーダーが加わってユニゾンで。そしてワルツリズムでアコーディオンとリコーダーがリズミカルに心地よくフレーズを奏でて、ラストはゆったりとFin。
 6曲目は「Three Sundays in a Year/年に3度の日曜日」。アコーディオンとアコギのリズミカルなリフから躍動感たっぷりにはじまって、アコギのパワフルなかっちょいいカッティングリフから、アコーディオンとヴァイオリンがユニゾンでめっちゃスリリングなリフを。そしてアップテンポのピアノリフをバックにヴァイオリンが伸びやかな音色を響かせ、そこにアコーディオンも加わって。その後アコーディオン・ヴァイオリン・アコギがスリリングにリフを。中盤では一旦とまって、そしてアコギのソロとバンドリフ、ヴァイオリンとギターのアヴァンギャルドなソロバトル、そしてユニゾンリフと続きます。その後リズミカルなピアノリフをバックにアコーディオンのアグレッシブなソロが。終盤再びパワフルでスリリングなリフが迫り来るように展開するも、一転アコギリフをバックにヴァイオリンの優雅な音色がゆったりと艶やかに響いて。その後再びアップテンポのスリリングなリフがはいってパワフルにダイナミックにFin。
 7曲目は「Saya melihat terang bulan di gang/ロジウラのトゥランブラン」。ベースの低音リフから静かにゆったりとはじまって、アコギの素朴で哀愁だだようメロディがしっとりとながれて。そしてアコーディオンとヴァイオリンの音色がゆったりとながれ、そこにピアノがはいってアクセントを加えて。中盤ではギターとベースのリフをバックにヴァイオリンの幽玄なソロとアコーディオンの哀しげなソロが。終盤静かになってベースがしっとりと低く響き、ギターリフをバックにヴァイオリンとアコーディオンがユニゾンで叙情的なメロディをしっとりと奏でて。
 8曲目は「Rhinoceros vipers marched/行進するライナセロスヴァイパー」。ヘヴィなギターリフとアコーディオンの力強いリフからパワフルにはじまって、ヴァイオリンとベースのリフをバックにエモーショナルなギターソロが。そしてヴァイオリンとギターのユニゾンリフ、ヴァイオリンとベースの迫りくるようなリフにピアノが印象的に響き、そしてヴァイオリン・アコーディオン・ピアノのユニゾンリフが。その後一旦止まってヴァイオリンのアヴァンギャルドなソロ、そしてベースとアコーディオンのリズミカルなリフにのって力強いピアノソロが。終盤ダイナミックなユニゾンリフから静かになってギターソロへ。そしてギターリフからパワフルなバンドリフ、そしてアップテンポのスリリングなピアノリフにのって、アグレッシブなギターソロとアコーディオンソロの掛け合いの激しいソロバトルが。ラストはダイナミックなユニゾンリフが。
 9曲目は「Afterglow adove Jumbo-cho/神保町夕暮れ」。ガットギターの哀愁ただようリフからはじまって、ヴァイオリンの伸びやかでしっとりとしたフレーズがながれ、そしてアコーディオンのほのぼのした感じのメロディがながれ、ヴァイオリンと美しいハーモニーを奏でて。続いてヴァイオリンとアコーディオンのユニゾンリフからピアノをバックにヴァイオリンとアコーディオンがハーモニーを奏で、そしてピアノの美しいソロが。中盤でアコーディオンのリフからヴァイオリンが加わり、ピアノが加わり徐々に盛り上がっていき、ギターもはいってドラマティックに。その後一旦とまって再びガットギターの哀愁ただようリフがゆったりとながれ、そこにアコーディオンが寄り添って。そしてヴァイオリンの優雅な音色がゆったりとながれ、アコーディオンとハーモニーを。終盤ではギターリフをバックにヴァイオリンとアコーディオンがハーモニーでしっとりとした美しいメロディを奏でて。
 10曲目は「Messy order/ぐちゃぐちゃな秩序」。いきなりヴァイオリンとアコーディオンの早弾きテクニカルユニゾンリフからスリリングにはじまって、ベースリフからピアノのハイテンポのリフがはいって、さらにギターがテクニカルユニゾンに加わって、そのままアグレッシブな弾きまくりギターソロへ。その後ふたたびテクニカルトリプルユニゾンから、ミドルテンポになってヘヴィなギターリフがはいってそこにヴァイオリンとアコーディオンも加わってパワフルなユニゾンリフに。そしてピアノとヴァイオリンがユニゾンでスリリングなフレーズを鳴らして。中盤では短いピアノソロからパワフルなリフにのってアグレッシブなヴァイオリンソロが。その後ピアノ・アコーディオン・ヴァイオリンの輪唱リフからパワフルでスリリングなリフが。そして再びハイテンポでスリリングなテクニカルユニゾンが。 
 しっとりとした美しい曲や叙情的な哀しい曲も楽しめますが、どんどんと展開していく複雑な構成のなかで、さらにめっちゃパワフルでエネルギッシュでアグレッシブな演奏がたっぷりと。超絶テクの応酬、ほんと凄いっす。これはやはりライブを楽しみたいですね。また機会があれば観にいきたいっす。白熱バトルを生で見たいっす。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。