ひよりの音楽自己満足

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内田裕也とフラワーズ

2009-03-26 06:56:05 | 70's J-Rock
 日本のロックを語るうえで、やはりこのお方にご登場願わねば、と。日本ロック界の“ゴッド・ファーザー”<内田裕也さん>です。裕也さんは高校の頃からプレスリーに憧れ、1957年に音楽で生きていくことを決心し、バンドボーイを始めて、そしてまもなく佐川ミツオさんと共に<ブルー・キャップス>というロック一本のバンドを結成されたそうです。翌58年には自己のバンド<ブルージーン・バップス>を結成されたとか。メンバーには中村泰士さん、北原謙二さんがいらしたとか。59年には伝説の「日劇ウエスタン・カーニバル」に出演し、60年には、かまやつひろしさん、高見純さんらと<サンダーバード>というバンドに参加されたそうです。62年頃には<田川ジョージとダブル・ビーツ>に参加。当時はポップスが流行していたので、音楽事務所からも要請があったそうですが、裕也さんは拒否したとか。また、<寺内タケシとブルージーンズ>にヴォーカルとして参加されたり、プレスリーの直訳カバーシングルを多数発表されたりしたそうです。
 64年にはThe Beatlesに衝撃をうけ、そして66年の来日公演には尾藤イサオさんらと「ウェルカム・ビートルズ」という曲を作ってオープニングアクトを飾って。その頃裕也さんはタイガースの前身であるファニーズを見出し、当初<内田裕也とタイガース>としてステージデビューされたとか。ところが、67年にタイガースが某音楽事務所に加入したためにロックを貫くことができなくなり袂を別れたそうです。傷心の裕也さんは日本に嫌気が差してヨーロッパへ。するとそちらはCREAMやThe Whoやジミヘンさんの登場で盛り上がっており、裕也さんは新たなロックムーヴメントに衝撃をうけて元気を取り戻したそうです。
 ヨーロッパから戻った裕也さんは68年、“和製ジャニス”とも言える凄い女性ヴォーカリスト<麻生レミさん>を擁するロックバンド<内田裕也とフラワーズ>を結成します。メンバーは裕也さんとレミさんの他、ヴォーカルの<千葉ひろしさん>、ギターの<小林勝彦さん>、ドラムスの<和田ジョージさん>、ベースの<橋本健さん>です。そしてこの年に写真のデビューアルバム「Challenge!」を発表します。インスト1曲以外は全てCREAMやジミヘンさんやジャニスさんなどのカヴァー曲で構成されているアルバム。日本のミュージシャンが英国のニューロックに“チャレンジ”しています。ジャケットは・・・男性メンバーの裸体はともかくも、レミさんの美しいヌードに惚れ惚れしちゃいますね。ちなみにこの写真は男性陣の写真にレミさんの写真を被せた合成なんだそうです。
 アルバム1曲目は「Combination of The Two/ふたりだけで」。英語のナレーションからはじまり、いきなりの絶叫が。そしてアップテンポのファンキーなリズムでノリノリのヴォーカルが。男性ヴォーカルとレミさんのハスキーでパワフルなヴォーカルが絡み合って。間奏のスライドギターソロもハードでエモーショナル。
 2曲目は「Intruder」。ネコの鳴き声のようなギターからはじまって、ミドルテンポのパワフルでファンキーなロックに。レミさんのパワフルなシャウトのヴァース、そしてムーディなサビ、いいですねぇ。間奏ではエモーショナルなギターソロが。終盤ではアグレッシブなギターソロとブンブンうなるベースが。
 3曲目は「Summer Time」。哀愁ただようゆったりとした綺麗なブルーズ。レミさんのソフトでちょっとかすれる感じの艶っぽいヴォーカルが堪能できます。ギター二人のムーディなソロもいいですねぇ。
 4曲目は「I’m So Glad/うれしい気持ち」。この曲は説明不用ですね。男性ヴォーカルが甘くいい味わいをだしてますね。バックのリズムもパワフルだし、ギターもスライドを効かせたかっくいいソロを展開。バックのベースもうねって弾きまくってますね。
 5曲目は「Greasy Heart」。ブンブンベースからはじまるミドルテンポのブルージーでパワフルな曲。レミさんの太く深い味わいのヴォーカルが楽しめます。ワウを効かせたギターも弾きまくりで、ベースもうねりまくってますね。
 6曲目は「Hey Joe」。ジミヘンさんの代表曲。ダイナミックなピアノからはじまって、アグレッシブなギターノイスが炸裂。そしてあのブルージーなギターリフとけだるい感じの男性ヴォーカルが。裏でベースがこれまたいい味だしてますね。ドラムもパワフルに叩きまくりだし。間奏ではエモーショナルなギターソロも。
 7曲目は「White Room」。CREAMの代表曲。力強いドラムからはじまり、パワフルな男性ヴォーカルが。この曲でもベースうねりまくりです。間奏のワウギターソロもいい感じですね。
 8曲目は「左足の男」。アルバム唯一のオリジナル曲でインストです。足音とトライアングルの音色が静かに響いて、そしてベースがリフレインをリズミカルに弾いて、ギターがアヴァンギャルドっぽく弾いて。そしてアップテンポのドラムがはいってギターが弾きまくり。インプロの応酬のアツいセッションをそのままレコーディングしたような感じでしょうか。めっちゃパワフルでドライブしてますね。ラストは徐々にテンポダウンしてFin。
 9曲目は「Piece of My Heart」。ジャニス・ジョップリンさんのバージョンも有名ですね。ミドルテンポのブルージーなバラード。ここでのレミさんのヴォーカルはもう鳥肌モノ。ジャニスさんに負けず劣らずめっちゃパワフルで凄い声を聴かせてくれます。
 10曲目は「Stone Free」。ジミヘンさんの曲。ギターのハーモニクスからはじまって、ファンキーなリズムでちょっと甘い感じの男性ヴォーカルが。ドライブ感たっぷりのアップテンポでノリノリのめっちゃ楽しい曲ですね。
 あの時代に日本人ミュージシャンにこれほどの演奏力があったとは失礼ながらも驚きです。レミさんのヴォーカルは言うまでもなく、パワフルなドラムとブンブンうねるベースに特に耳を奪われました。凄いっす。
 アルバム発表後、裕也さんは売り込みに奔走し、方々で演奏するものの、一般にはまだこの最新のロックは受け入れられず苦労されたそうで。この後、レミさんと小林さんがアメリカに渡ってしまい、フラワーズは解散してしまいますが、あらたにあの伝説のバンドが結成されます。

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