ひよりの音楽自己満足

自分の好きなアルバムやアーティストを紹介させていただきます。

HERETIC

2008-07-25 06:59:10 | ジャパン・プログレ
 先日、とあるCD店のサイトを見ていたときに偶然見つけて、ジャケットになんとなく惹かれて、下調べすることなく買い物カゴをクリックしてしまって購入したのがこのCDです。<HERETIC>の「1984-88」。<HERETIC>は1984年に<河原博文さん(vil,Gt,Key)>と、<太田亨さん(Syn,Gt,)>、そして<森卓さん(Cello,Syn,Per,)>のお3方で結成されたそうです。河原さんは結成前は<Ain Soph>の<山本要三さん>ともセッションされてたとか。85年に自主制作で1stアルバム「Interface」(LP)を発表。その後、<浦沢美奈子さん(Voice)>と、<Robbin Lioydさん(Per,B、)>が加入されたとか。そして88年に2ndアルバム「Escape Sequence」(LP)を発表されますが、こののちには活動休止されたようで。
 このアルバム「1984-88」は、タイトルの通り、84年から88年にかけてのバンド活動のなかから9曲を抜粋して1994年にCD化されたようです。ライナーノーツを河原さんが書かれていることから製作には河原さんが携わったようですね。内容は1-3が1stアルバムから抜粋、4-8が2ndアルバム全曲、そして最後が未発表曲です。
 1曲目は「Excerpts From Interface Part1」。この曲は太田さんと河原さんのお2人で演奏&プログラミングされたそうです。叙情的な雰囲気で静かにゆったりとはじまり、打ち込みドラムとメロディアスなギターサウンドが響きます。そして透明感のあるキーボードサウンドがそれらを包んで。中盤ではヴァイオリントーンのギターサウンドが響いたあと、再びメロディアスなギターが。終盤では幻想的なシンセサウンドをバックに再びヴァイオリントーンのギターが波の音とともに。綺麗な曲ですね。
 2曲目は「Excerpts From Interface Part2」。この曲もお2人の作品です。リズミカルなギターリフからはじまり、シンセのきらびやかなサウンドが響いて。キーボードソロのあとは、情感こもったエモーショナルなギターソロが。中盤に一旦リズムが止まって、ゆったりとした幻想的な雰囲気に包まれます。一旦Finしたあと耳をすませて聞かなければならないほど小さなサウンドが神秘的な雰囲気でかすかに響いてFin。
 3曲目は「Excerpts From “El Rayo De Luna”-月影-」。この曲は河原さんがバンド結成以前にお一人による多重録音のプロジェクト<Osiris>で作曲した「月影」からです。ダークな雰囲気から静かにゆったりとはじまって、伸びやかなヴァイオリンのようなサウンドが響いて、暗い夜が徐々に明るくなっていくようなおごそかな雰囲気ですね。終盤になってようやく情感のこもったギターの音色が響いて、そのあと静かにFin。 この3曲は残念ながらオリジナル曲を部分的に抜粋したものです。これはぜひとも1stアルバムを完全版で再発して欲しいところですね。せっかく作った曲をブツ切りなんて、河原さんも断腸の思いだったことでしょう。
 4曲目は組曲「Do Heretic」。a),create b),modify structure c),quit この曲はギターに様々なエフェクターを用いてギター演奏の可能性を追求し、そしてテープコラージュも駆使されたとか。この曲にはAin Soph等のドラマー<Taiquiさん>が参加されているそうです。かすかな音色から静かに厳かにはじまります。暗い水の中のようなダークで神秘的なサウンドが響いて。3分くらいから琵琶のような音色のギターのザクっとしたリフがはいり、そして不気味なヴォイスも。6分くらいからはヴァイオリンの音色も。かなり前衛的な要素が強いですね。苦手な分野です。夜中に真っ暗な部屋で聴いたらトリップしてしまいそう。9分くらいからサウンドがガラッと変って金属系の激しいパーカッション音が。それが徐々にスピードアップしてキィーンって高い音に。12分すぎにようやく静まると、断続的にノイズが。14分過ぎくらいからはシンセのオケサウンドのリフとパーカッションのボレロリズムが。16分くらいからは人の歩く足音が聞こえてきて、そしてスネアのボレロリズムにのってギターのアヴァンギャルドなソロが。曲自体も段々と盛り上がっていき、ギターソロも激しくなってエンディングを迎えます。ラストには人の悲鳴のようなサウンドも。ヤバいっす。
 5曲目は「Fail Safe Error」。太田さんの作曲で、映画「Fall Safe」の仮想サントラとして作られたとか。英語のナレーションからはじまって徐々にシンセサウンドが響き、そして変拍子の打ち込みドラムのリズムが。それがアップテンポのリズムを刻み、シンセの攻撃的でスリリングな効果音が。スペースアドベンチャーっぽい雰囲気ですね。中盤は一旦落ち着いて幻想的でスペーシーな雰囲気につつまれて再びナレーションが。それが徐々に緊迫感を増していって再びスリリングな戦闘モードに。アグレッシブなギターソロが響きます。
 6曲目は「Anonymous」。名古屋の<Anonymous>というバンドの曲で、レコーディングにもメンバーのお2人が参加されているそうです。静かにゆったりとかすかに聴こえるくらいのサウンドからはじまって、徐々に音量アップしていって。素朴な雰囲気のヴォーカル曲です。間奏は叙情的でメロディアスで。
 7曲目は「Tripping On Waves」。この曲は山本要三さんが作曲され、ギターも山本さんが演奏されたそうです。アップテンポの打ち込みリズムと、TELの呼び出し音&ヴォイスからはじまって、ギターが入って。透明感のあるリズミカルでおしゃれな雰囲気ですね。中盤からはギターソロが。そのあとナレーションのようなヴォイスがはいって、今度はパワフルでアグレッシブなギターソロが。ラストも弾きまくりです。
 8曲目は「m・a・f・o・r・o・b・a」。この曲では森さんの弟さんが弾いたピアノソロにエフェクトをかけたそうです。ゆったりとした、透明感のある幻想的で美しい曲ですね。
 9曲目は「Resource」。この曲は88年3月に行われた東京でのライブの翌日にスタジオでセッションした音源だそうです。メンバーは、河原さん、太田さん、Robbinさん、Anonymousの竹内さん、ChihiroSさん、長沼武司さん、Victor Wellsさんの7人だそうです。シンバルとアヴァンギャルドなギターサウンドからはじまって、パーカッション&ドラムがリズムを刻んで。ギターが弾きまくりで、リズム隊が暴れて。白熱のインプロビゼーションセションが収録されています。
 この後、96年にミニアルバム「弥生幻想」が発表されます。メンバーは、河原さん、太田さん、Robbinさんです。このミニアルバムには「弥生幻想」という30分を超える大作と、CD-EXTRAとして映像も収録されています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。