ひよりの音楽自己満足

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PANGAEA

2008-03-09 08:00:37 | ジャパン・プログレ
 <PANGAEA>の「UNU」。このCDはいつもCD店で見かけてたんだけど、どうにも暗く重い感じのジャケットなもので、ずっとパスしてたのよね。ところがアチコチのプログレ・ハードロック系のサイトをみているうちに、このアルバムに元Moon Dancer・VOWWOWの日本を代表するロック・キーボード・プレーヤーである<厚見レイさん>が係わっていると知って速攻で買いました。<PANGAEA>は、マルチ・プレーヤーの<大杉尚史さん>と女性ヴォーカルの<北岡絵里歌さん>のプロジェクトです。お二人は小学校中学校の同級生で、高校からバンドをやりはじめたそうです。どういう経緯で<PANGAEA>が立ち上がったかはよくわかりませんが、レコード会社か何かのオーディションがあったようです。このアルバムは厚見さんのプロデュースで、そしてメロトロン奏者としても参加されています。さらに驚くことになんとあの<King Crimson>の<Ian Mcdonald氏>がフルートでゲスト参加されています。これにはほんとビックリ!一体どういうつながりがあるんでしょ?凄いことですにゃ。
 このアルバム「UNU」は2004年に発売されました。曲自体はおふたりとも10代の頃に作曲されたそうです。まず1曲目は「Muddy Stream」。メロトロンのレトロチックなサウンドからスタートするゆったりとした曲で、ヴァースのヴォーカルはけだるい感じ。それがサビではパワフルに。間奏ではアコースティックギターとフルート、そしてたおやかなスキャットが楽しめます。後半のドラムはパワフルですねぇ。 2曲目は「Mirror」。アコースティックギターのかっちょいいリフからはじまるアップテンポの爽やかなJ-POP調の曲。間奏はしっかりプログレしてます。 3曲目は「Dead Autumn」。スパニッシュ調のアコースティックギターとフルートの幽玄なサウンドからはじまるゆったりとした叙情的な曲。間奏のストリングスは荘厳な雰囲気です。 4曲目は「Possession」。ノイジーなギターとパイプオルガン調のキーボードからはじまるアップテンポの曲ですが、どこか悲しげな雰囲気も。“憂い”っていうのかな?でもサウンドはパワフルです。 5曲目は「Shining Vectors」。かっちょいいギターリフのサザンロック調の軽快な曲。まるでアメリカのハイウェイをかっとんでいるかのようにドライブ感たっぷり。ノイジーなギターソロもかっくいいっす。 6曲目は「Fixed Star」。オルガンのテープ逆回転のような音からはじまるゆったりとしたバラード調の曲。クリアーでよく通る声を存分に堪能できます。中盤ではテンポアップしてピアノとストリングスのリズミカルでパワフルでスリリングなソロが楽しめます。終盤ではリフレインが延々と繰り返されますが飽きることなくどんどん曲の世界に惹かれていきます。13分弱のドラマティックな大作です。 ラスト7曲目は24分にも及ぶ超大作「閉じられた本」。5部に分かれた組曲で、まずa).「the closed book」。宇宙空間のイメージのような幻想的なサウンドからはじまり、ハープとフルートとコーラスの華やいだオープニングに。そして鐘の音が効果的な、ゆったりと叙情的な雰囲気の曲に。けだるい感じのヴォーカルもいいですね。 b).「philosophy burns (in the universe)」。幻想的なディレイ効果を用いたコーラスからはじまり、音空間を浮遊しているかのようなフルートの音色が。それが徐々に盛り上がっていって・・・ c).「クラムボン(out!)」。ビックリするようなオルガンによる衝撃音からはじまる攻撃的な曲で、ヘヴィなギターとパワフルなドラム、凄いっす。そしてSaxとギターの激しいバトルも。その後テンポダウンしてダルい感じのゆったりノンビリしたSaxのソロが楽しめます。 d).「mr, dead night」。アコースティックギターのゆったりとした感じからはじまるボサノバっぽいおしゃれな曲調です。中盤では古いレコードのようなモノラルのアコーディオンの音色が。それが唐突に壮大なサウンドに変化し、グレゴリアンっぽい重厚なコーラスにトランペットのソロも。 e).「life. full on」。ヘヴィなギターリフからはじまるリズミカルなアップテンポの曲調。そしてインディオの咆哮のようなヴォイス音も。そこにナレーションがはいってフェードアウトしていきFin。 このアルバムはもっと早く買うべきでした。J-POPと初期King Crimsonのサウンドが合わさったかのような素晴らしいジャパン・プログレ・アルバムです。次作にも期待したいところですが・・・残念ながら2005年に解散してしまいました。惜しいなぁ・・・

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