満月に聴く音楽

宮本隆の音楽活動(エレクトリックベース、時弦プロダクションなど)及び、新譜批評のサイト

ライブのレポート

2012-03-26 | 新規投稿

今月、新譜批評が書けそうもないのをライブが2本、入ったせいにはしません。
新譜のCDを買わず、何故か実家から昔、買った主にincusやFMPのLPを多く持ち帰り、久しぶりにヨーロッパフリー等の即興音楽ばかりを聴いていたのです。最近、親しくさせていただいている磯端伸一氏のギターにハマった事も一つのきっかけですが、抽象的な音楽を環境音楽的に鳴らすという聴き方の心地よさをいわば、発見したのです。従って、ここではその音量も重要です。つまり、ボリュームはなるべく小さく、しかも耳をそばだてる事なく、漠然と音を流し、決して聴き入らないという事が、より心地よく、響く事になります。例えば、ジョンスティーブンスがかつて組織したspontaneous music ensemble等も以前はそのフリーキーさを感知する為か、私はフルボリュームでいわばフリージャズの欧州版として聴いていたと思いますが、今では音を小さくして、まるでライブの臨場感なしで聴く事による快楽をみつけました。しかも無調というのは実は心に沁みてきますね。雅楽や尺八音楽の無調がずっと日本人の感性だったのだから、今更ながら私達の西洋音楽の音階の呪縛の大きさを感じますが、ただし、そんな西洋音階に反旗を翻したと解される、欧州発の当のインプロヴァイザー達のその知的性分にも、また、私達は呪縛されてました。コンセプト抜きで楽しめる音楽、それが即興音楽の本質であり、決して演奏する側だけの快楽に陥るものではない事を強調したいと思います。

さて、今月は、22日にTIME STRINGS TRAVELLERS(時弦旅団)の今年初めてのライブをさせていただきました。前回、書いたとおり、サックスの横尾君が脱退した事は大きな痛手だったのですが、ヘルプ参加の戸田君を擁し、なんとかライブにこぎつけたという感じです。リハーサルを充分、できなかったので、即興的な要素が強い演奏になり、以後、従来の楽曲志向を戻したいと考えています。会場のVI-codeは初めての出演だったのですが、音が良く、また演奏したいという気にさせてくれるライブハウスです。


DUO IMPROVISATION 木村文彦percussion & 宮本 隆bass



25日は木村文彦のアルバム『キリーク』の発売記念ライブがあり、私も10分ほど、木村氏とデュオで即興演奏をさせていただきました。良い経験をさせてもらったという感じです。しかしやはり、一番の見ものは木村氏と磯端伸一、向井千恵、両氏とのトリオ演奏でしょう。三人によるその音の間の譲り合いと奪い合い、埋め合いと剥がし合いと言った感じの、交感にしびれました。

2012.3.27



TIME STRINGS TRAVELLERS 時弦旅団 live at vi-code 2012.3.22



   

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