思惟石

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『ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中)』

2023-08-08 15:29:32 | 日記
『ローマ人の物語 (4) ― ハンニバル戦記(中)』
塩野七生

さて、「ハンニバル戦記」中巻です。
ハンニバルがきたぞ〜。
ハンニバルがアルプスを超えてきたぞ〜。
象さんと馬Pを引き連れてきたぞ〜。
怖いねえ笑

コンスル率いるローマ軍を蹴散らしまくるハンニバル!
トレッビアの戦いとカンネーの戦いで圧勝キメまくるハンニバル!
片目になってもカルタゴがポンコツでもがんばるハンニバル!
かっこい〜!!

中巻はハンニバル無双で、永遠に読んでいたいおもしろさです。

カンネーの戦いは、欧州の戦争史では履修必須らしいですね。
BBCのレポーターが「世界的常識」みたいに言ってたと
塩野先生が苦笑する。
安定の塩野節!

第二次ポエニ戦役の中で、シチリアのシラクサがローマ軍に陥落。
ここに70歳を超えたアルキメデスがいて、
知力のみでローマ海軍を苦戦させます。
このエピソードは記憶にあるぞ!
確か『ヒストリエ』(岩明均)で読んだぞ!
でもあれってアレキサンダー大王じゃない?全然昔じゃない?
と思ったら『ヘウレーカ』という別の漫画だった。

そしてローマにスキピオ登場。
スキピオ、めっちゃかっこいいじゃないですか!
『ローマ人の歴史』に出てたっけ?
こちらは記憶にないぞ!
と思って読み返したら、すごくあっさり書かれていた。
しょんぼり。
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『ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上)』

2023-08-07 19:07:14 | 日記
『ローマ人の物語 (3) ― ハンニバル戦記(上)』
塩野七生

ローマ史を読もう!と思ったら以下の二択であり、
『ローマの歴史』モンタネッリ(文庫1冊)か
『ローマ人の物語』塩野七生(文庫43冊!!!)
もちろん前者を選んだ私であります。

だって43冊だよ?!
「長すぎ小説」の金字塔『失われた時を求めて』だって
文庫で7冊だというのに。
(比べるもんではないけど)

とはいえ愛聴しているコテンラジオで
ハンニバル篇がオンエアされたわけです。
これは併読チャンス!
解像度爆上がりのチャンス!!
読むよ!

というわけで、満を持して『ローマ人の物語』の
第3巻から5巻「ハンニバル戦記」を読んだわけです。
(さすがに第1巻から通読する勇気はなかった)
新潮文庫版。
「ハンニバル篇」は上中下の三冊。

ちなみにカルタゴは、最終的にはローマに完膚なきまでに敗北
ぺんぺん草も生えねえってレベルまで殲滅されたので、
当時の記録や文化遺産がほとんどないらしい。
ポエニ戦争の記録もローマやギリシャ側のものしかない。

その割にハンニバルの強さは広く知られているってことは、
相当に怖かったんだろうな、ローマ人。
(今もイタリアでは子どもが悪さをすると
「ハンニバルが来るよ!」と脅すらしい)

そんなこんなで「ハンニバル戦記」の始まりは
紀元前3世紀後半。
ローマはようやくイタリア半島を統一したところ。
一方のカルタゴは地中海のアフリカ側にある
ぶいぶい言わしてる真っ最中の通商国家です。

ローマとカルタゴの間で、
シチリア島の派遣をめぐって争ったのが
第一次ポエニ戦役(前264-241)であり
長い長い戦いの始まりであります。

というのが、上巻。
ハンニバルの父ハスドルバルが頑張るけど
カルタゴ本国がポンコツすぎて
読んでるこちらが「むき〜!」となる、という話しです。

カルタゴ政府め〜!と憤りつつ、
「ローマ絶対倒すマン」を応援する心の準備万端です!
楽しい。
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『やさしい猫』 猫は出ないけど良い小説!

2023-08-03 14:14:54 | 日記
『やさしい猫』
中島京子

母子家庭育ちのマヤちゃんが
母ミユキさんとスリランカ人青年クマラさんの出会いを
「キミ」のために綴る物語。

冒頭は、
クマさんとの出会い、マヤが小学4年生の頃。
友人のナオキくんと一緒に遊んでもらったり、
ミユキさんの緊急入院に付き添ってくれたり。

そこそこ順調に仲良くなって、
マヤが中学3年の頃にミユキさんとクマさん婚約。
そして突然の入管。

え?
入管!!??

なかなか衝撃の展開ですが、
この小説の本題はここからです。

いや、入管て。
「入国管理」するところよな。
え?収容?牢屋?なんそれ?
私があまりにも無知すぎて、読みながらオロオロしっぱなしでした。

現実でも、品川の入管前で警察が張り込んで、
オーバーステイの外国人を捕まえたりするらしいんですね。

交通違反切符キャンペーンじゃないんだから。
軽く張ってんじゃねえよ!
と読みながら憤慨すること必至です。

その後の「強制退去させたいマン」入管チームと、
婚姻の事実を証明するために奮闘するマヤとミユキさんの戦い。

入管、過酷すぎじゃない?

この話題はニュースでたまに見つつ、
あまりピンと来ていなかった。
小説とはいえ、とてもとても分かりやすく
現代日本と外国籍の人々の関係性が描かれていて、
大変に勉強になりました。
読んでおいてよかった。

(小説としても、もちろんとても良い。さすがの中島さんだから)

私のように、日本人として呑気に日本に暮らしているだけだと
見えないこと、気づけないこと、
他にもたくさんあるんだろうな。と思う。
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『クララとお日さま』 凄いよ怖いよカズオ!

2023-08-02 15:12:44 | 日記
『クララとお日さま』
カズオ・イシグロ
土屋政雄:訳

カズオ・イシグロは凄い。
そして怖い。

この長い小説の内容を3行でまとめろと言われたら
まとめられると思うのだけれど、
この小説の本質や価値はそんな概略にはないわけで。
400ページ超を読む意味みたいなものは読んだ人にしか伝わらない。

凄いよなあ。
そして怖いよなあ。

なぜこのような角度から人の心情を描けるのか。
私たちが生きている世界とほんのちょっとだけズレているのに
こんなにも厳しく残酷な世界をつくれるのか。
その世界の残酷さや複雑さを、短い単語でスパッと提示できるのか。
不思議だらけ。

ほんと、怖いなこの人!
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『世界は宗教で動いてる』 「神」の捉え方って難しい

2023-08-02 14:53:08 | 日記
『世界は宗教で動いてる』
橋爪大三郎

おもしろ教養本『はじめての構造主義』でおなじみ橋爪先生が
慶応大学の社会人向け講座にて講義した内容を、新書化した一冊。
というわけで、読みやすいし学びになるし、ありがたい一冊!
光文社新書。

キリスト教、イスラム教、儒教など
様々な宗教と民族文化の関わりを広くわかりやすく
解説してくれます。
大人の基礎教養として読んでおくと良い内容かもしれません。
私が宗教に疎いだけかもしれません。

いや〜、なにはともあれ、
一神教の神様の苛烈さ、すごいな!
厳しすぎじゃない?
と不思議に思うのが平均的日本人の感覚ではあるようです。
とはいえ厳しすぎじゃない?!

ヤハウェもアッラーも父なる神もおおもとは一緒なのか〜
ってことも、私、意外とわかってなかった。

さらには、
モーセを「海を割る人」としか認識しておらず、
(金曜ロードショーで子供の頃に見たからね!)
「方舟の人」ノアと同じ感覚でいたのですが。

ノアの方舟が登場するのは創世記だそうです。
めっちゃ古い。
紀元前1世紀には「方舟の発掘」の記述があるくらい、
世界の初期の初期の人。

モーセは紀元前13世紀の出エジプトの人。
「創世記(方舟の話しも含む)」「出エジプト記」「レビ記」
「民数記」「申命記」のモーセ五書を書いたと言われる。
知らなかった〜。

というくらいの知識量の大人は、ぜひ読んでおくと良いと思います!

ところで方舟と言えば『スプリガン』だよね!
あれ?
最近同じこと言ってる…?
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