思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』心にお花畑

2020-09-14 11:50:33 | 日記
ヘビー級ディストピア『侍女の物語』の衝撃が凄かったので
小説界の清涼剤・瀬尾まいこを読むわけです。
本棚に瀬尾まいこさんがいてくれて良かったよ!

田舎の中学校が舞台の、中学生駅伝のお話し。
『あと少し、もう少し』。

あ〜〜〜〜癒される〜〜〜。
頭にお花畑を咲かせたかったけど、
心にお花が咲きました。ありがとう瀬尾さん!

私はスポーツにまったく縁がない学生生活を送り、
(おかげで近年では体力無さすぎてジム通いするハメに)
スポーツ観戦にもまったく興味ないまま大人になったのですが。
数年前から箱根駅伝を観るのが正月行事になりました。
ただ走るだけなのに、なんで心が浮き立つんでしょうね。
歳か?
まあ、年齢とともに感動のハードルが下がっているのは否めない。

とはいえ「走る」って、なんか不思議な感動がありますよね。
三浦しをん『風が強く吹いている』もすごく良かったし。

ちなみに本屋大賞を獲った瀬尾まいこ作品の
『そして、バトンは渡された』は陸上の話しじゃないですよ!
「瀬尾さんは陸上がお好きなのね〜」って、
ずっと勘違いしてましたよ!!!

さて、元気になったので、
次はちょっと珍味系でも読むか。
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『侍女の物語』なにこのディストピア…!

2020-09-11 18:28:44 | 日記
Amazonかブクログあたりで評価が高いので
興味を持っていた小説。
マーガレット・アトウッド『侍女の物語』。

中世ヨーロッパ版「家政婦は見た」みたいな小説かな〜
超たのしそう!
と、脳内にお花畑状態で読み始めました。

ぜんぜん違う笑
超絶ディストピア!

ザ・ディストピアのオーウェル『1984年』に対して
女性作家によるディストピア名作として有名なようです。
タイトルしか脳みそにインプットしてなかったわ…!

以下、衝撃的感想。

アメリカに突如クーデターで登場した男性優位社会。
「侍女」は出産装置として社会システムの一部に組み込まれた存在。
その役割しか与えられていない、超絶人格否定。
侍女の一人「オブフレッド」(訳すと「フレッド氏の所有物」
であり、本名ではない。記号。怖っ!)の語る物語。

不自由(という表現も空虚なくらい装置だ)な現在と、
自由だった過去の記憶を織り交ぜながら語る。

カズオ・イシグロ『私を離さないで』を思い出した。
が、あちらはシステムをよく理解してなかった幼年時代と
現代との対比。
「侍女」の方が「自由」の意味や、
過去と現状の落差や諦念が大きくて、
読んでいてヘビー!

しかも主人公は過去に夫と娘を持っていた33歳
(出生率が低下している環境下で、出産可能な女性ってことで、
必然的に出産経験のある女性が集められたということでもある)。
別れた家族との幸せな思い出がツライ。
なんなのこのディストピア!

なんかもう、色々と衝撃的だった。

凄い小説だと思うけど、次はもうちょっと
脳内にお花が咲くものを読もうと思う…。
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何かと酷い目に遭う主人公

2020-09-09 12:14:59 | 日記
何かと酷い目に遭う主人公が好きです。

いきなり何言ってんだって感じですが。

怪異と怖い女に巻き込まれてなにかと酷い目に遭う
猿渡くんや、(津原泰水<幽明志怪シリーズ>
宇宙でせっせと借金取りに励みつつSF的にも日常的にも酷い目に遭う
主人公「ぼく」(宮内悠介『スペース金融道』
みたいなのが好きなんです。

ワトニー(アンディ・ウィアー『火星の人』)にいたっては
好きすぎてやばい。
とはいえ、ワトニーの特大災難より、
日常的に酷い目に遭う前者たちみたいな方が小説としては好みです。
ワトニーは別枠殿堂入りだけど。

酷い目に遭いながらも、飄々と、粛々と、
災難の波を乗りこなす感じが好きなのかな?
と自問自答しますが、よくわからん。

そういえば、遠い昔、兄が買っていた少年サンデーの
『GS美神極楽大作戦』の横島くんも好きだったんだよなあ、
なんてことを思い出しました。

別に不幸話は好きじゃないんですよね。
むしろ読みたくない。
酷い目に遭いつつ、元気な人の話を読みたい。
そういうジャンルってないのかな?
SFとかミステリみたいに、
「酷い目に遭うけど元気です」枠みたいなのが
Amazonの検索タブにあったら、めっちゃ見るのになあ。
まあ、何言ってんだって感じですが。

今日も暑いなあ。
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【読書メモ】2013年11月

2020-09-08 09:28:36 | 【読書メモ】2013年
<読書メモ 2013年11月>


『鎌倉河岸捕物控 下駄貫の死』佐伯泰英
下駄貫あっさり死んだなあ。


『乱鴉の島(らんあのしま)』有栖川有栖
とても面白く読めた長編だったけれど、
偶然の出会いを重ね過ぎではなかろうか。。。
あと、若者が32歳前後に密集する意味はよくわからない。
もう少しバラけてても良かったのでは。


『おそろし』宮部みゆき
解説に「やさしい怪談」とか書いてあったけれど、
まったくやさしくない。怖い。
人の心の襞にある闇を書くのがうまいなあと思う。
彼岸花の間に見える顔とか。


『ぐうーの音』大田垣晴子
(メモなし。)


『ポートレイト・イン・ジャズ』村上春樹・和田誠
(メモなし。)
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奥泉光『雪の階』クセが強い笑

2020-09-04 17:07:55 | 日記
読んだのか読んでないのか自分でもわからなかったけど
読んでないな!じゃあ、読むか!!
というわけで早々に読んだ自分を褒めたい。

奥泉光『雪の階(きざはし)』ちゃんと読みました。

二・二六事件直前の不穏な時代が舞台です。
(日本史が江戸で終わってる自分のための覚書ですが、
 二・二六事件は昭和11年ね。了解!)

主人公は伯爵令嬢の笹宮惟佐子。
親友の不可解な心中事件が「謎」として物語の軸にあります。

この主人公の惟佐子さんがだいぶクセの強いヘンテコな人。
で、その兄・惟秀(これひで)は名前は出るけど本人が
なかなか登場しない、謎の人。
さらに失踪してドイツにいるらしき謎の叔父、
叔父に紹介されて来日した謎のドイツ人ピアニスト、
事件を追うとともに現れる謎の尼さん。

あとからあとから、謎と不穏な情報とトンデモ思想と、
ついでに『鳥類学者のファンタジア』でおなじみの心霊音楽協会が登場。

そして相変わらず一文が長くてクセの強い奥泉光の文章!!
(三人称で視点が自在にあちこち行くし、ひとつの文章が
10行以上にまたがる超長文だったりする。
とはいえ飄々としながら小気味良くて結構好きなんですよね…)

とにもかくにも、全体的にクセが強い笑。

唯一まともなのが、物語の探偵役であり女性写真家の千代子と、
相棒役で記者の蔵原氏。
いつでも美味しそうにもぐもぐしてる千代子にホッとする〜。
あと、蔵原の発酵食品大好きトークもいい。オアシス!

そんなこんなでクセが強い割に話が進まない感のある物語終盤。
最大の謎キャラ惟秀兄様が、血の浄化とか「獣人」の殲滅とか
「神人」の国の維新とか、マジでやばい民族浄化思想を炸裂させた時には、
私は数日かけて何を読んでたんだっけ?と恐怖を覚えた。

さらにどんでん返しというか、雪の夜の神社で(タイトルここかよ!)
さらなるビッグウェーブがやってきて、
やっぱり何の話しを読んでたんだっけ?と脳みそが迷子になった。

あちこち翻弄されて、まあ、読後感でいうと、
相変わらず奥泉光はクセが強いな!発酵食品か!と。
嫌いじゃないよ!!
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