思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『すべての見えない光』長いね…

2021-11-18 18:37:52 | 日記
『すべての見えない光』
アンソニー・ドーア
藤井光:訳

2015年度のピュリツァー賞の受賞作で
アメリカではベストセラーになった作品だそうです。
アマゾンの評価もめちゃ高い。

作者のアンソニー・ドーアはアメリカ人作家ですが
内容は、ドイツ軍の少年兵とフランス人で盲目の少女のお話し。

ふたりの邂逅をクライマックスとして、
二人の人生を細やかに描写する長編物語。

主人公のひとり、ヴェルナーは、ドイツの田舎生まれの孤児。
機械いじりが得意なおかげでナチス少年兵学校に進学する。
もう一人の主人公は6歳で盲目になるマリー=ロール。
父親が博物館の錠前係で、目が見えない娘を支え導く、
超いいお父さん。
パリがドイツ占領下になり、親娘で避難した街サン・マロでは
大叔父のエティエンヌやお世話係のマネック夫人に
愛情を注がれ、教育を受け、賢く育ちます。
よかったね。

一方でヴェルナーは最初から最後までハードモード。
かわいそすぎじゃない…。
何この落差…。

そんな二人の邂逅までが、超絶長いのだけど…。
章立てが短く、表現も読みやすいのでスイスイ進むけど、
文章の繰り返しやディテールのクドさと
主人公の扱いの差(笑)は、ちょっと、だいぶ、気になった。

100ページくらいの中篇だったら良かったのではなかろうか。
コメント
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