思惟石

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【読書メモ】2015年8月 ②

2021-11-01 17:54:15 | 【読書メモ】2015年
<読書メモ 2015年8月 ②>
カッコ内は、2021年現在の補足コメントです。


『川の深さは』福井晴敏
江戸川乱歩賞の最終選考で落選した作品。
大沢在昌が推しまくったというのでも有名。
処女作だけど、デビュー後の作品のすべての要素が
良くも悪くも凝縮されている。
国家にもはやなんの希望も抱けない、と言いつつ
正義とはなんぞやと考える感じが、初期だからかな、
ちょっと右っぽいしくどかったかも。
でも面白かったです。
一作目でここまで書くってすごいな!!と思う。
爆発が多すぎる気がしたけど…。

(第43回江戸川乱歩賞(1997)で惜しくも落選し、
 翌年の再チャレンジで見事に江戸川乱歩賞を受賞。
受賞作の『Twelve Y. O.』が出版デビュー作となりました。
 で、『川の深さは』も2000年に遅ればせながら刊行。
 よかったね!)


『グレイヴディッガー』高野和明
12時間ほどの逃走劇なのだけど、疾走感が半端ない。
おもしろかった!
脚本家出身とのことで、映画的なシーン転換や多彩な登場人物も良かった。
八神の人物造形がとてもいいね!
最後に女神にお金借りるオチもすごくいい。
動機から犯行への飛躍はちょっと腑に落ちなかったけど、
そんなことまあいいか、と思えるエンタメ性。
墓堀人グレイヴディッガーの伝説は創作とのこと。
ちょっと信じた。良い仕掛け!

(読んだ当時のブログもあります。
 読み比べると、読書メモは読後にガーっと書いているのがわかるなあ)
コメント
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