思惟石

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『エンド・オブ・ライフ』良い本。でもギュってなる、心が。

2021-11-11 16:21:34 | 日記
『エンド・オブ・ライフ』佐々涼子

<Yahoo!ニュース|本屋大賞ノンフィクション本大賞>
受賞作(2020)。
ん?
Yahoo!ニュースなの?本屋大賞じゃないの?
なにそれ?
と、まず思いましたが。
本屋大賞がノンフィクション部門を設立した際に
Yahoo!と組んだということです。

それよりはこっちの方が良いのかな?
<第52回大宅壮一ノンフィクション賞>
ノミネート作。

まあ、いずれにせよ、
ノンフィクションの話題作なのであります。

タイトル通り、命の終末期を取材した作品。
京都の在宅医療センターを基点にした
在宅での終末医療現場の取材と、
看護師であり作者の友人でありガン末期患者となってしまった
森山さんの物語でもある。

在宅医療の現場ルポ部分は、本当に様々。
それぞれの暮らしも事情も全然違うし、
誰が末期癌に襲われるかなんて全くわからない。
この事例たちからは、学ぶというよりも、知る&考えるしかない、というか。
心の柔らかい部分が、ざわつく。
身近な人の死について向き合い考えるのは、やっぱり怖い。

著者のお母さまの在宅看護事情も、色々と考えさせられる。
末期癌の「残り時間の無さ」に対して、
全身が動かせずコミュニケーションが取れないけれど
何年も生きている状態の「無期限」感。
患者である母も、介護を一手に担う父も、それぞれに辛いと思うし
著者は否定も肯定もせずにフラットに描いているけれど、
これも、学ぶことはできない。
ただ、知ってしまった以上、そういうことについて
ちゃんと考えることは必要だと思う。

心がギュってなる。
良くも悪くも。
コメント
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