ケーキを作るのが好きです。
「忙しいのに、いつ作るの?」とよく聞かれますが、
だいたいは夜中です。
初めて自分でケーキを作ったのは、
長女がまだ3歳ごろのことでしたが、
その頃から、
みんなが寝たあとの台所で、
一人の時間を楽しみながら、
ケーキやクッキーを焼いたり、
飾り付けを考えたりしていました。
きっかけは、
長女の友人宅で、おいしい手作りケーキをいただいたこと。
家でもふわふわのスポンジケーキが焼けるんだ、ということに感動し、
自分もチャレンジしてみたくなりました。
1歳と3歳の子育て真っ最中だったので、
習いに行くことなど頭にも浮かばず、
手ごろなケーキの本を数冊買って、
我流のケーキ作りが始まりました。
本に書いてあるケーキのいくつかは、
何回かチャレンジして、まあまあそれらしく焼けましたが、
スポンジケーキだけは、
うまく膨らまず、失敗ばかり。
いつもの私なら、
イヤになって諦めるところですが、
なぜかケーキづくりはイヤにならず、
毎日毎日焼き続けては、
失敗し続けました。
失敗した数は、たぶん100個近いと思います。
本によって微妙に分量が違うので
いろいろ試し、
書いてあるアドバイスは全部実行しました。
ほぼ毎日、
日々の反省を生かしながら1ヶ月焼き続けたら、
ふわふわのスポンジケーキにだいぶ近いものができるようになり、
諦めないことの大切さを感じました。
今でも、気を抜くとうまく膨らまないこともあるので、
自分の慣れや拙速への戒めのためにも、
ケーキづくりは私にとって大事な時間です。
ちゃんと習ったことがないし、
器用でもないので、
美しいデコレーション技術はなく、
いたってシンプルなケーキしか作れませんが、
家族の誕生日やクリスマスの他にも、
1年に何回かは、
友人からのリクエストで作らせてもらっています。
ふだんは、
話を聴いたり、人を繋いだり、子どもたちとあそんだり、
とても充実した毎日だけれど、
「これができた!」という形のないもの。
ケーキ作りは、「自分のがんばりが形になって見えるもの」で、
子育てに明け暮れた日々の癒やしの時間でもありました。
いつまでやれるかわかりませんが、
大切にしたい時間です。
写真は、30年以上使い続けているケーキの本たち。
表紙が破れたり、中のページが汚れたりしていますが、
愛用しています。