NHKの大河ドラマはいつも話題になっていますね。
現在は「西郷どん」が放映されていますが、
私がこれまで見たシリーズは「龍馬伝」と「江」、「女城主・直虎」
だけなので大河ドラマのファンとは言い難い。
それでも大河ドラマを通して、過去の歴史を知るのは
とてもいい機会になると思っています。
その「女城主・直虎」で心に残っている句がこれです。
白黒をつけむと 君をひとりまつ
天つたう日ぞ 楽しからずや
これは小野政次が直虎たち伊井家を守るために
処刑になる前に愛する直虎のことを想って詠んだ句です。
それを辞世と言うのですが、戦いの世にはこういう風習があったのですね。
「辞世(じせい)とは、もともとはこの世に別れを告げることを言い、
そこから、人がこの世を去る時(まもなく死のうとする時など)に詠む
漢詩、偈、和歌、発句またはそれに類する短型詩の類のことを指す」
何度読んでも切なくて哀しくて美しい句です。
直虎と政次は幼なじみで後年、二人で碁を打ちながら
伊井家を守るための戦略を立てていました。
それが二人の大切な「時」でもありました。
この句が書かれたあとに、敵を欺くために
直虎は自ら処刑場に出向き、
大切な政次を槍で突き絶命させるのです。
真実が本当はどうだったのかはわかりませんが
ドラマティックで悲しくて残酷なこのシーンに
この深い愛の句が染みわたってきて、
今でも心打つものとなっています。
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