Sightsong

自縄自縛日記

『小林裕児と森』ライヴペインティング@日本橋三越

2017-11-12 10:20:12 | アート・映画

日本橋三越本店に足を運んだ(2017/11/11)。6階のギャラリーで小林裕児さんの個展『小林裕児と森』が開かれており、あわせて、小林さんのライヴペインティングが行われた。

Yuji Kobayaashi 小林裕児 (painting)
Tetsu Saitoh 齋藤徹 (b)
Rutsuko Kumasaka 熊坂路得子 (accordion)

小林さんの絵については、齋藤徹さんのいくつかのCDジャケットで知ってはいたものの、本物の作品を観たのは今年の6月、神保町すずらん通りの檜画廊において『ドローイングとスケッチブック』という個展がはじめてだった。そのとき想像の森や人や梟や舟なんかに魅せられると同時に、スケッチブックからあふれ出んとする絵へのエネルギーに圧倒されたのだった。

今回の展示のなかにも分厚いスケッチブックがあり、ちょっと紐解くだけで悲喜が生き物のようにじわじわとこちら側ににじり出てくる。そして壁の作品群。今回愉しみながら観ていて気が付いたことは、皆がいつでも浮遊できるように爪先立っていることだ。人も舟も空を遊泳する。森もひょっとしたら遊泳を準備している。

さて、壁のもっとも大きな作品がビニールで養生され、その上に大きな紙が貼られた。はじめに、小林さんは、いくつもの場所に紫色の点を配する。テツさんがコントラバスの弦に触れるようにして静かに音を出しはじめ、熊坂さんも色を置くように蛇腹を震わせはじめた。

抽象画になるのかと思った。しかし、小林さんは黒で馬の顔と首を、前脚を、躰を生まれさせていった。その上に、空に飛翔せんとする女性。青で空が描き込まれ、どんどん絵に動きが与えられてゆく。馬には茶色で生きる証。そしてクライマックスは、赤い手綱。

コントラバスもアコーディオンも、まるで浮遊するように空中にいくつものアーチを描いた。それは馬と女性だけでなく、小林さんの絵のなかで生きる人々や森とも見事にシンクロしていた。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4

●小林裕児
小林裕児個展『ドローイングとスケッチブック』@檜画廊(2017年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)

●齋藤徹
ロジャー・ターナー+喜多直毅+齋藤徹@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
長沢哲+齋藤徹@東北沢OTOOTO(2017年)
翠川敬基+齋藤徹+喜多直毅@in F(2017年)
齋藤徹ワークショップ特別ゲスト編 vol.1 ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+佐草夏美@いずるば(2017年)
齋藤徹+喜多直毅@巣鴨レソノサウンド(2017年)
齋藤徹@バーバー富士(2017年)
齋藤徹+今井和雄@稲毛Candy(2017年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)
りら@七針(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
齋藤徹『TRAVESSIA』(2016年)
齋藤徹の世界・還暦記念コントラバスリサイタル@永福町ソノリウム(2016年)
かみむら泰一+齋藤徹@キッド・アイラック・アート・ホール(2016年)
齋藤徹+かみむら泰一、+喜多直毅、+矢萩竜太郎(JazzTokyo)(2015-16年)
齋藤徹・バッハ無伴奏チェロ組曲@横濱エアジン(2016年)
うたをさがして@ギャラリー悠玄(2015年) 
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年)
齋藤徹+喜多直毅+黒田京子@横濱エアジン(2015年)
映像『ユーラシアンエコーズII』(2013年)
ユーラシアンエコーズ第2章(2013年)
バール・フィリップス+Bass Ensemble GEN311『Live at Space Who』(2012年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹@ポレポレ坐(2011年)
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(2011年)
『うたをさがして live at Pole Pole za』(2011年)
齋藤徹『Contrabass Solo at ORT』(2010年)
齋藤徹+今井和雄『ORBIT ZERO』(2009年)
齋藤徹、2009年5月、東中野(2009年)
ミシェル・ドネダと齋藤徹、ペンタックス43mm(2007年)
齋藤徹+今井和雄+ミシェル・ドネダ『Orbit 1』(2006年)
明田川荘之+齋藤徹『LIFE TIME』(2005年)
ミシェル・ドネダ+レ・クアン・ニン+齋藤徹+今井和雄+沢井一恵『Une Chance Pour L'Ombre』(2003年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999、2000年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ+チョン・チュルギ+坪井紀子+ザイ・クーニン『ペイガン・ヒム』(1999年)
齋藤徹+ミシェル・ドネダ『交感』(1999年)
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、池澤夏樹『眠る女』、齋藤徹『パナリ』(1996年)
ミシェル・ドネダ+アラン・ジュール+齋藤徹『M'UOAZ』(1995年)
ユーラシアン・エコーズ、金石出(1993、1994年)
ジョゼフ・ジャーマン 


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