運よく、ロンドンのテートモダンでマグダレーナ・アバカノヴィッチ(ポーランドの彫刻家)の回顧展が開かれていた。かつて広島のアバカノヴィッチ展で元藤燁子さんが踊り、齋藤徹さんがコントラバスを弾いたという、その力を体感したかった。
やはり圧巻はサイザル麻や馬の毛やロープなどを使ったアバカンというシリーズ。生命をもつものはどんな不思議な形や動きをしているからといっても、そこには自然界の論理が機能している。人間からは捉えきれないそれを想像し、オーガニックの通路を経てなにかその力を現出させようとする表現であり、たしかに通常の人為でなかったから社会的な力・政治的な力さえも持ってしまったのか。
アバカンいくつか
アバカンのひとつ
「Pregnant」