Sightsong

自縄自縛日記

ハービー・ハンコック『Jazz in Marciac 2017』

2018-10-08 22:57:02 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハービー・ハンコック『Jazz in Marciac 2017』(Jazz Time、2017年)を聴く。

Herbie Hancock (p, key)
Terrace Martin (as, key, vocorder)
Lionel Loueke (g, vo)
James Genus (b)
Vinnie Colaiuta (ds)

ハービー・ハンコックのステージだけあって、謎に新旧の豪華メンバーが集っている。ヴィニー・カリウタとかジェームス・ジーナスとかいると嬉しいのだけど、とは言えこういう音だよなあと脳内再生と重ね合わせるくらい。つい「Chameleon」とか「Cantaloupe Island」とかをリピートしてしまう。

テイストが新しいのはリオーネル・ルエケではなく、やはりテラス・マーティンによるものか。かれのサックスだけを取ってみるとそんなに面白いわけでもないのに不思議。それでハービーが出てくると世界はハービー色。さすがハービー、かれはこうして生き続ける。

●ハービー・ハンコック
小沼ようすけ+グレゴリー・プリヴァ、挟間美帆 plus 十@Jazz Auditoria(2017年)
ドン・チードル『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス空白の5年間』(2015年)
ハービー・ハンコックの2014年来日ライヴ(2014年)
『A Tribute to Miles Davis』(1992年)
ベルトラン・タヴェルニエ『ラウンド・ミッドナイト』(1986年)
ハービー・ハンコック『VSOP II TOKYO 1983』(1983年)
ハービー・ハンコック『Velden 1981』(1981年)
ジャッキー・マクリーン『The Complete Blue Note 1964-66 Jackie McLean Sessions』(1964-66年)
マイルス・デイヴィスの1964年日本ライヴと魔人(1964年) 


マル・ウォルドロン+ゲイリー・ピーコック『First Encounter』

2018-10-08 10:28:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

マル・ウォルドロン+ゲイリー・ピーコック『First Encounter』(Victor、1971年)を聴く。

Mal Waldron (p)
Gary Peacock (b)
Hiroshi Murakami 村上寛 (ds)

ちょうど日本で絶大な人気を集めていたマル・ウォルドロンが来日していて、このように日本で録音するというパターンがいくつかあったらしい。とは言っても、ゲイリー・ピーコックとの初顔合わせでもあり、また曲はふたりのオリジナルであり、日本製作盤によくみられたおかしな商売気はない。

プレイはさすがである。ふたりとも粘って引っぱりまくるし、ゲイリーがずっと変わらずにもっている香りもあってとても良い。A面2曲目の「The Heart of the Matter」などはだんだんせっつかれて早くなってくるようで、それが静かなふたりのやることだから尚更にスリリングである。

ドラマーは村上寛。ライナーでは悠雅彦さんが力量的にふたりに対等でないというようなことを書いているが、聴いてみるとそんなこともない。勢いがあってスタイリッシュで聴き応えがある。このアルバムはテナーのジェームス・ブランドン・ルイスが好きだそうで、彼も村上さんのドラムスを気に入っていた(だからわたしもレコードを探し出したのだ)。その話を村上さんにしたところ、いや俺が22、3の頃だろ、今と全然違うよ、と言った。わたしには今の村上さんも本盤の村上さんも同じ人物だと思える。

●マル・ウォルドロン
マル・ウォルドロン最後の録音 デイヴィッド・マレイとのデュオ『Silence』(2001年)
マル・ウォルドロンの映像『Live at the Village Vanguard』(1986年)
『Interpretations of Monk』(1981年)
マル・ウォルドロン『Meditations』(1972年)
エリック・ドルフィー『At the Five Spot』の第2集(1961年)
ビリー・ホリデイ『At Monterey 1958』(1958年)

●ゲイリー・ピーコック
プール+クリスペル+ピーコック『In Motion』(2014年)
ゲイリー・ピーコック+マリリン・クリスペル『Azure』(2011年)
フランソワ・キャリア+ミシェル・ランベール+ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Travelling Lights』(2004年)
テザード・ムーン『Triangle』(1991年)
ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Partners』(1991年)
キース・ジャレット『North Sea Standards』(1985年)
キース・ジャレット『Standards Live』(1985年)
キース・ジャレット『Festival de jazz d'Antibes 1985』、『Canada '84 Japan '86』、『Live in Sendai 1986』(1984-86年)
ローウェル・デヴィッドソン(1965年) 

●村上寛
村上寛@池袋Independence(2018年)
峰厚介『Plays Standards』
(2008年)
本田竹広『EASE / Earthian All Star Ensemble』(1992年)
『Voyage』誌のネイティブ・サン特集、『Savanna Hot-Line』、『Coast to Coast』、『Gumbo』(1979-84年)
『ネイティブ・サン』(1978年)
菊地雅章『エンド・フォー・ザ・ビギニング』(1973年)
本田竹広『I Love You』(1971年)
菊地雅章『ダンシング・ミスト~菊地雅章イン・コンサート』(1970年)
菊地雅章『再確認そして発展』(1970年)
菊地雅章『POO-SUN』(1970年)


ポール・ブレイ+ポール・モチアン『Notes』

2018-10-08 09:16:29 | アヴァンギャルド・ジャズ

ポール・ブレイ+ポール・モチアン『Notes』(Soul Note、1987年)を聴く。

Paul Bley (p)
Paul Motian (ds)

このふたりのデュオが悪いわけはない。

ブレイの耽美的というか過激に美だけを抽出したようなピアノも勿論いいのだが、この人の時間感覚はどうなっているのだろうと思う。そのブレイの時間遊泳と、モチアンのブラシとシンバルがもたらす時間の伸び縮み。

聴いていると部屋のどこが上でどこが下か、いまは何時だったかさっきは何時だったかという奇妙な気分にとらわれる。

ほとんどはブレイのオリジナルだが、2曲目のカーラ・ブレイ曲「Batterie」にはやはりぞくりとする色気がある。

●ポール・ブレイ
フランソワ・キャリア+ミシェル・ランベール+ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Travelling Lights』(2004年)
ポール・ブレイ『Solo in Mondsee』(2001年)
ポール・ブレイ『Synth Thesis』(1993年)
ポール・ブレイ『Homage to Carla』(1992年)
ポール・ブレイ『Plays Carla Bley』(1991年)
ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Partners』(1991年)
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』(1990年)
チェット・ベイカー+ポール・ブレイ『Diane』(1985年)
イマジン・ザ・サウンド(1981年)
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)
ポール・ブレイ『Bremen '66』(1966年)
ポール・ブレイ『Barrage』(1964年)
ポール・ブレイ『Complete Savoy Sessions 1962-63』(1962-63年)

●ポール・モチアン
ベン・モンダー『Amorphae』(2010、2013年)
トニー・マラビー『Adobe』、『Somos Agua』(2003、2013年)
ポール・モチアン『The Windmills of Your Mind』(2010年)
ポール・モチアンのトリオ(1979、2009年)
ビル・マッケンリー『Ghosts of the Sun』(2006年)
マリリン・クリスペル『Storyteller』(2003年)
ポール・モチアン『Flight of the Blue Jay』(1996年)
P.M.P.『Miles Mode』(1993年)
テザード・ムーン『Triangle』(1991年)
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』(1990年)
ゴンサロ・ルバルカバ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン(1990年)
ジェリ・アレン+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Segments』(1989年)
キース・ジャレット『Eyes of the Heart』(1976年)
キース・ジャレットのインパルス盤(1975、1976年)
キース・ジャレット『Treasure Island』(1974年)
70年代のキース・ジャレットの映像(1972、1976年)
1972年6月のキース・ジャレット・トリオ(1972年)
キース・ジャレット+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Hamburg '72』(1972年)
スティーヴ・レイシー『free for a minute (1965-1972)』(1965-72年)
ビル・エヴァンス『The Complete Village Vanguard Recordings, 1961』(1961年)