Sightsong

自縄自縛日記

村上寛@池袋Independence

2018-07-29 00:09:43 | アヴァンギャルド・ジャズ

池袋のIndependenceに足を運び、レジェンド・村上寛のグループ(2018/7/26)。

Hiroshi Murakami 村上寛 (ds)
Shuji Morita 森田修史 (ts, ss)
Naotaka Kusunoki 楠直孝 (p)
Yutaka Yoshida 吉田豊 (b)

ファーストセットは「Nardis」から。「All Blues」では艶やかなベースソロから粘りつくような楠さんのピアノ。そのスタイルはマッコイ・タイナーを想起させるものだったが、飛び跳ねるように攻め続ける独特さもあった。ここで森田さんがソプラノからテナーに持ち替え、スティーヴィー・ワンダーの「I Can't Help It」。低音に執着し響きをうねうねと残すプレイはソプラノよりも印象的に聴こえた。

続いて、村上さんのオリジナル2曲。御大のドラミングは鋭いのだが、それは決して蒸留し抽出させた綺麗な音によるものではない。むしろ重力を得て、その場のもろもろと結合し、あっさりとは去っていかない音作りである。濃淡もあり素晴らしい。

セカンドセットは楠さんのオリジナルに続き、「Summer Night」、ハンコックの「Toys」。ここでドラムスの強度がさらに高まった。「I Want To Talk About You」では、テナーの独奏によるイントロからテーマに入るとき、そのままの勢いではなくオクターブを下げる按配。これによって甘いコルトレーン的なバラードにはならなかった。最後は森田さんのトリッキーなオリジナル曲。ソロに入るときのピキッという異音も良かった。そして遊び心のあるベースソロ。

つい先日、ジェームス・ブランドン・ルイスが、マル・ウォルドロンとゲイリー・ピーコックの『First Encounter』における村上寛のドラムが素晴らしいと言ってきた。その話を村上さんにしたところ、いやそれは22、3の頃のことで今のプレイとは違うよ、と。とりあえず、JBLがジャマラディーン・タクマ、ルディ・ロイストンと共演した『Days of Freeman』を差し上げた。聴いてくださるかな。

Nikon P7800

●村上寛
峰厚介『Plays Standards』
(2008年)
本田竹広『EASE / Earthian All Star Ensemble』(1992年)
『Voyage』誌のネイティブ・サン特集、『Savanna Hot-Line』、『Coast to Coast』、『Gumbo』(1979-84年)
『ネイティブ・サン』(1978年)
菊地雅章『エンド・フォー・ザ・ビギニング』(1973年)
本田竹広『I Love You』(1971年)
菊地雅章『ダンシング・ミスト~菊地雅章イン・コンサート』(1970年)
菊地雅章『再確認そして発展』(1970年)
菊地雅章『POO-SUN』(1970年)


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