Sightsong

自縄自縛日記

エリザベス・ミラー+クレイグ・ペデルセン+秋山徹次+中村としまる@Ftarri

2018-10-25 08:00:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2018/10/24)。

Elizabeth Miller (amplified clarinet)
Craig Pedersen (amplified trumpet)
Tetuzi Akiyama 秋山徹次 (g)
Toshimaru Nakamura 中村としまる (no-input mixing board)

1時間ほどの演奏を1セット。自分としては昨年から何度か観てきたエリザベスさん、クレイグさんのライヴの中でベスト。

4人それぞれの脈動がまったく異なる背景を持っているようで、まったく異なる表出を行う。中村さんのエレクトロニクスは慣性と加速度が大きい。油断もなにもできずどこかに踏み込んで移動するマッスの恐ろしさがある。秋山さんはギターを横に置き、金尺や棒を挟み、バターナイフやブロッターや回転子を用いて音を創出する。容赦のなさという点では共通していても、素材のナマ感をより感じさせる。

中に座ったふたりは、管のマージナルな音を中心に増幅する。それはまさに、山猫軒の南達雄さんが書いておられたように呼吸そのものであり、ときにこちらが同調させられ、ときに無情に離れてゆく。クレイグさんはピストン分解もその音に混ぜ、管を鳴らしたときには呼吸との対比で目が醒めるようだった。エリザベスさんのクラは、呼吸であるだけに、木管らしさが強調されているように思えた。

今後、このカルテットによる昨年(2017年)の録音、クレイグさんのトリオ(ギター、ドラムス)、エリザベスさんのソロ、山㟁直人さんとのトリオ(山猫軒、2018/10/22)が作品として出る予定とのことである。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●クレイグ・ペデルセン、エリザベス・ミラー
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+吉本裕美子+照内央晴@高円寺グッドマン(2018年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる、エリザベス・ミラー+広瀬淳二@Ftarri(2018年)
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+徳永将豪+増渕顕史+中村ゆい@Ftarri(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
クレイグ・ペデルセン、エリザベス・ミラーの3枚(2016-17年) 

●中村としまる
クレイグ・ペデルセン+中村としまる、エリザベス・ミラー+広瀬淳二@Ftarri(2018年)
フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)
竹下勇馬+中村としまる『Occurrence, Differentiation』(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
中村としまる+沼田順『The First Album』(2017年)
内田静男+橋本孝之、中村としまる+沼田順@神保町試聴室(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)
山内桂+中村としまる『浴湯人』(2012年)
中村としまる+ジョン・ブッチャー『Dusted Machinery』(2009年)

●秋山徹次
「響きの今」(ジョン・ラッセル、ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ、ピーター・エヴァンス、秋山徹次)@両国門天ホール(2018年)
高島正志+古池寿浩+秋山徹次「Blues Frozen Xīng ブルース 凍てついた星」@Ftarri(2018年)
ファビオ・ペルレッタ+ロレンツォ・バローニ+秋山徹次+すずえり@Ftarri(2017年)
池田謙+秋山徹次@東北沢OTOOTO(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)