Sightsong

自縄自縛日記

マル・ウォルドロン+ゲイリー・ピーコック『First Encounter』

2018-10-08 10:28:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

マル・ウォルドロン+ゲイリー・ピーコック『First Encounter』(Victor、1971年)を聴く。

Mal Waldron (p)
Gary Peacock (b)
Hiroshi Murakami 村上寛 (ds)

ちょうど日本で絶大な人気を集めていたマル・ウォルドロンが来日していて、このように日本で録音するというパターンがいくつかあったらしい。とは言っても、ゲイリー・ピーコックとの初顔合わせでもあり、また曲はふたりのオリジナルであり、日本製作盤によくみられたおかしな商売気はない。

プレイはさすがである。ふたりとも粘って引っぱりまくるし、ゲイリーがずっと変わらずにもっている香りもあってとても良い。A面2曲目の「The Heart of the Matter」などはだんだんせっつかれて早くなってくるようで、それが静かなふたりのやることだから尚更にスリリングである。

ドラマーは村上寛。ライナーでは悠雅彦さんが力量的にふたりに対等でないというようなことを書いているが、聴いてみるとそんなこともない。勢いがあってスタイリッシュで聴き応えがある。このアルバムはテナーのジェームス・ブランドン・ルイスが好きだそうで、彼も村上さんのドラムスを気に入っていた(だからわたしもレコードを探し出したのだ)。その話を村上さんにしたところ、いや俺が22、3の頃だろ、今と全然違うよ、と言った。わたしには今の村上さんも本盤の村上さんも同じ人物だと思える。

●マル・ウォルドロン
マル・ウォルドロン最後の録音 デイヴィッド・マレイとのデュオ『Silence』(2001年)
マル・ウォルドロンの映像『Live at the Village Vanguard』(1986年)
『Interpretations of Monk』(1981年)
マル・ウォルドロン『Meditations』(1972年)
エリック・ドルフィー『At the Five Spot』の第2集(1961年)
ビリー・ホリデイ『At Monterey 1958』(1958年)

●ゲイリー・ピーコック
プール+クリスペル+ピーコック『In Motion』(2014年)
ゲイリー・ピーコック+マリリン・クリスペル『Azure』(2011年)
フランソワ・キャリア+ミシェル・ランベール+ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Travelling Lights』(2004年)
テザード・ムーン『Triangle』(1991年)
ポール・ブレイ+ゲイリー・ピーコック『Partners』(1991年)
キース・ジャレット『North Sea Standards』(1985年)
キース・ジャレット『Standards Live』(1985年)
キース・ジャレット『Festival de jazz d'Antibes 1985』、『Canada '84 Japan '86』、『Live in Sendai 1986』(1984-86年)
ローウェル・デヴィッドソン(1965年) 

●村上寛
村上寛@池袋Independence(2018年)
峰厚介『Plays Standards』
(2008年)
本田竹広『EASE / Earthian All Star Ensemble』(1992年)
『Voyage』誌のネイティブ・サン特集、『Savanna Hot-Line』、『Coast to Coast』、『Gumbo』(1979-84年)
『ネイティブ・サン』(1978年)
菊地雅章『エンド・フォー・ザ・ビギニング』(1973年)
本田竹広『I Love You』(1971年)
菊地雅章『ダンシング・ミスト~菊地雅章イン・コンサート』(1970年)
菊地雅章『再確認そして発展』(1970年)
菊地雅章『POO-SUN』(1970年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。