Sightsong

自縄自縛日記

1972年6月のキース・ジャレット・トリオ

2017-08-27 09:26:59 | アヴァンギャルド・ジャズ

キース・ジャレット+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Hamburg '72』が発掘されたのは2014年のこと。ライヴ映像は観たことがあったし、もちろんこのトリオでの吹き込みは他にもあるから驚きでもないのだが、やはりこの3人の噴出させるエネルギーを浴びることは嬉しいばかりなのだった。

最近聴いている音源は、このECM盤よりも前の演奏である。『Paris 1972』(①)が1972年6月9日。『Hamburg 1972 First Set』(②)が1972年6月14日のファーストセットで、『Hamburg '72』(③)が同日セカンドセット。

既にこのトリオでは演奏しているから初顔合わせのハプニングなどはない。しかしそれにしても鮮烈極まりなく、マンネリに陥った後年の「スタンダーズ」(ゲイリー・ピーコック、ジャック・デジョネット)とは雲泥の差がある。キースはチャールス・ロイドのグループから出て、アメリカン・カルテットも始めており、マイルス・デイヴィスとも共演し、たいへんな音楽的エネルギーに満ち溢れていた時代だったに違いない。サイケデリックと言えるほどに豪華絢爛で、フォーク色もあり、ヘイデン、モチアンも得意技を繰り出しまくっている。

③をあらためて聴いたときには興奮させられたのだが、たった5日前なのに、①の粗削りさはまた別の魅力を放っている。同曲を聴き比べてみてもその印象である。②も良いのだが音質があまり良くない。③は最近レコードでも再発されたようである。

ところで②にはなぜか2枚目として1973年11月3日の「クインテット」の音源が付いているのだが、わたしのプレイヤーでは再生できない。何なんだろう。

Keith Jarrett (p, ss, perc, fl)
Charlie Haden (b)
Paul Motian (ds, perc)

●キース・ジャレット
キース・ジャレット『North Sea Standards』(1985年)
キース・ジャレット『Standards Live』(1985年)
ピーター・ブルック『注目すべき人々との出会い』、クリストのドキュ、キース・ジャレットのグルジェフ集 (1980年)
キース・ジャレット『Staircase』、『Concerts』(1976、81年)
キース・ジャレットのインパルス盤(1975-76年)
キース・ジャレット『Arbour Zena』(1975年)
キース・ジャレット『Solo Performance New York '75』(1975年)
キース・ジャレット『The New York Concert』(1975年)
キース・ジャレット『The Bremen Concert』(1975年)
70年代のキース・ジャレットの映像(1972、76年)
キース・ジャレット+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Hamburg '72』(1972年)
キース・ジャレット『Facing You』(1971年)


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