マル・ウォルドロン『Live at the Village Vanguard』(1986年)というDVDを入手した。
Mal Waldron (p)
Woody Shaw (tp)
Charlie Rouse (ts, fl)
Reggie Workman (b)
Ed Blackwell (ds)
この豪華なメンバーに目を奪われる。
ウディ・ショウの映像を初めて観た。生硬でちょっとモーダルな感覚のトランペットである。もとより憎からず思っていた人だが、やはり、えも言われぬ魅力がある。男気というのか、背筋を伸ばし、衿を立てているような・・・。どうしても惚れてしまう。
エド・ブラックウェルのズンドコ節も、レジー・ワークマンの独特なリズムも健在。もう少しソロを聴けるとよかった。チャーリー・ラウズのテナーサックスは、これまでセロニアス・モンクとのセットくらいにしかみていなかったのだが、じっくり聴くと実に味がある。特に「All Alone」でのソロが素晴らしい。
そしてマル・ウォルドロンである。ソロでも伴奏でも、単一のトーンの繰り返しを基調として、哀しい印象の和音を積みかさねていく。「Fire Waltz」のイントロ部において、いくつかの装飾のあと、あのテーマが出てくると、やはり動悸動悸する。マルは紛れもない唯一者だった。
1995年、新宿ピットインでマルにサインを貰った。わたしの宝。
●参照
○マル・ウォルドロン最後の録音 デイヴィッド・マレイとのデュオ『Silence』
○『Interpretations of Monk』
○エリック・ドルフィー『At the Five Spot』の第2集