Sightsong

自縄自縛日記

ポール・ブレイ『Complete Savoy Sessions 1962-63』

2015-05-06 00:18:36 | アヴァンギャルド・ジャズ

ポール・ブレイ『Complete Savoy Sessions 1962-63』(Savoy、1962-63年)という再発盤を見つけた。サヴォイでのブレイの演奏は聴いたことがなかったし、『Footloose!』と『Syndrome』の2枚分が収録されていてお得。

Paul Bley (p)
Steve Swallow (b)
Pete La Roca (ds)

ブレイは1932年生まれだからこのとき30歳くらいだ。そんなに若いのに、既に、我こそは美なりといったような、自らの発する音に耽溺するようなスタイルを確立していて、ちょっと感動してしまう。実際に、次々に繰り出す和音が気持ち悪いほど美的なのだ。かつて新宿ピットインでブレイのソロピアノを聴いたとき、近くに座っていた観客が、「美しい・・・」と漏らしてしまったことを思い出した。ビル・エヴァンスとはまた違った形で、後のプレイヤーに大きな影響を与えているに違いない。

曲もいい。一緒に活動していたオーネット・コールマンの「When Will the Blues Leave?」や、前妻(このとき既に離婚していたんだっけ?)のカーラ・ブレイによる「Vaskar」など、聴いているこちらが溶けそうである。

スティーヴ・スワロウのベースはメリハリがあって気持ちがよいのだが、でろでろの変態的な甘さを全面に出してくるのはいつ頃からだろう(もちろん、褒め言葉である)。

●参照
ポール・ブレイ『Plays Carla Bley』
ポール・ブレイ『Homage to Carla』
ポール・ブレイ+チャーリー・ヘイデン+ポール・モチアン『Memoirs』
ポール・ブレイ『Solo in Mondsee』
イマジン・ザ・サウンド


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