Sightsong

自縄自縛日記

菊地雅章『再確認そして発展』

2015-11-07 08:41:11 | アヴァンギャルド・ジャズ

菊地雅章『再確認そして発展』(Phillips、1970年)を聴く。

Masabumi "Poo" Kikuchi 菊地雅章 (p)
Kosuke Mine 峰厚介 (as)
Masahiro Kikuchi 菊地雅洋 (el-p)
Yoshio Ikeda 池田芳夫 (b)
Hiroshi Murakami 村上寛 (ds)
Keiji Kishida 岸田恵二 (ds)

菊地雅章さんが亡くなって、ユニヴァーサルから1970年代の記録が廉価盤として何枚も出された。わたしもこのあたりを部分的にしか聴いていないこともあり、まとめて聴こうと思っていたのだが、やはり音楽とその背後に見え隠れするものの密度が濃いため、とてもそんな聴き方はできない。

サウンドの響きはモードのようだが、この暗鬱な情念のようなものは何だろう。菊地雅章の弟・菊地雅洋のエレピはキレがよくてスタイリッシュ。峰さんのサックスは、あの独特の音色(テナーだからか)ではないが、やさぐれていて聴き惚れる。

しかしそれよりも、菊地雅章が執拗な繰り返しと変奏によって構築するノリの世界が素晴らしい。これはのちの『Susto』や『All Night, All Right, Off White Boogie Band』にも通じるものかと思ったのだがどうか。そして響きは幻のようで。

●参照
菊地雅章『ヘアピン・サーカス』(1972年)
菊地雅章+エルヴィン・ジョーンズ『Hollow Out』(1972年)
『銀巴里セッション 1963年6月26日深夜』


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。