鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

「特別展 江戸時代かながわの旅─『道中記』の世界─」について その3

2013-07-01 04:57:39 | Weblog
展示資料およびその解説で興味・関心を持ったこと。「東海道分間絵図」で菱川師宣が街道風景を描いていること。初版は元禄3年(1690年)であるとのこと。「東海道名所記」という仮名草子。作者は浅井了意で、二人連れの滑稽道中記。「東海道中膝栗毛」に先行するもの。「江戸名所図会」は言わずもがな。広重も大きくその影響を受けている。「玉蘭亭写真五十三次勝景」。作者は「空飛ぶ絵師」五雲亭貞秀。お得意の鳥瞰図による東海道行程図」。四冊で総計は30mを超すという。「名勝八景大山夜雨」。歌川国芳や五雲亭貞秀らによって描かれたもの。大山は広重や歌川国芳、五雲亭貞秀らによってよく描かれる。彼らは大山に登ったのではないか。広重による「金沢八景」の肉筆画。嘉永6年(1853年─ペリー艦隊来航の年)の秋に能見堂で描かれたもの。能見堂や野島を中心に金沢の勝景が、浮世絵よりもよりリアルに描かれていて、当時における能見堂付近からの眺望がどのようなものであったかがよくわかる作品。現在の眺望とはまるで違うことに愕然とします。 . . . 本文を読む