以前、この花を河原で見付けた時、この赤い蕾が開いたら、さぞかし可愛い花だろうなと思って
2~3日、現場へ通ったことがあります。
ところが、一向に開花する気配がありません。周りを見渡しても開花したものは一輪も見当たらないのです。
それもその筈、この花は花弁が枯れるまで、決して開くことがない花だったのです。
注目すべきは、花の先端が少し開いて、多数ある雌蕊の柱頭が顔を出している点です。
雄蕊の上に花弁が覆い被さっているのは、恐らく自家受粉を防いで、遺伝子交換が可能な
他の花粉だけを受け入れる構造だと思います。
雄蕊が顔を出すのは、受粉が終わって子房が膨らんだ後、花弁が枯れて脱落してからになります。
しかし、花弁を閉じたこの花にどんな昆虫が花粉を運んでくれているのでしょうか?
和名の「苗代苺」は、苗代の頃に果実が赤く熟することから付けられたものですが、果実は
直径1.5㌢ほどで、密生しているところから採取が容易で、味も甘く、ジャムを作るのに好適です。
ナワシロイチゴ <バラ科 キイチゴ属> 落葉低木
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