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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

NO UDON, NO LIFE! 東村山『こげら』

2019年03月19日 | そば、うどん
私が住んでいる東京都の西の方、いわゆる「多摩地区」は、名店と呼ばれるうどん屋さんが多い。
ただ、大半のお店が営業時間が短く、だいたい午前中に開店し、15時までには閉店してしまい、夜営業はナシ。
おまけに店舗の場所も、最寄り駅が遠く、車でないとたどり着けない場所にあったりする。
自家用車どころか運転免許も持っておらず、昼まで寝ているグータラの私には、なかなか入店が困難である。

そんな中、朝早く起き(一般的にはだいぶ遅め)、必死こいて自転車や徒歩で通っているお店が、
今回紹介する『手打ちうどん こげら』さん。
住所は東村山市だが、最寄り駅は西武線の小川か東大和市。ただし、どちらも結構な距離があるため、
店主も自虐的に、自身のSNSに「本日も東村山の僻地でお待ちしております」と投稿することが多い。
僻地とはオーバーな、と思いつつ、お店の周囲を見回してみると…


うーむ、確かにのどかな地域だなあ…と納得してしまった(この辺に住んでる人、ゴメン)。
アクセスは良好とはいえないが、こげらさんには、それでも行きたいと思わせる魅力がある。
その魅力とはズバリ、うどんの安さとウマさだ!

基本のうどんメニューは、「かけ」「しょうゆ」「ざる」「釜玉」の4種類があるのだが、並は180グラムで全品300円。
中300グラムが400円で、大420グラムでも500円。小120グラムなら200円だ。
天ぷらは「げそ」「ちくわ」「れんこん」の3種があり、かなりのラージサイズにもかかわらず100円均一。
さらに数量限定だが、お出汁で炊いたご飯に生玉子を添えた、「卵かけご飯」は200円。
以上のうどん並+天ぷら1種+卵かけご飯がついた「こげらセット」は、定価よりさらに100円お得な500円! 


立ち食いでもチェーン店でもないのに、この安価はビックリである。
初入店時の私は、こげらセットを「ざるうどん&げそ天」で注文。
まずは卵かけご飯とげそ天がやってきた。ごらんの通り、ゲソがデカすぎるため、切るためのハサミがついてくる。


出汁炊きご飯は、ほんのり味がついているので、生玉子に醤油は不要。双方の相性もバッチリ。
ゲソ天の方も、歯応え、風味、ともに申し分なし。ビール頼めばよかった。
続いて、ざるうどんの並が登場。うどん玉の切れ端=太い麺がオマケしてあるのがうれしい。


うどんは、たった今店主が伸ばして切って、茹であがったばかりのもの。当然ウマいに決まってる。
濃い目のツユにどっぷりつけて、太めでコシのある麺をズルズルすすり、ハグハグと噛みしめ飲み込む、この快感。
ご飯、天ぷら、うどんのすべてに手抜きナシ。このクオリティで500円とは本当にビックリ。
こちらのお店は、讃岐うどんの本場・香川県の名店『宮武うどん』の流れを汲むと聞いたが、
味だけでなく値段まで本場のスタイルを踏襲するとは…なんていい店なんだ!

調子に乗って、「かけうどん」の小も追加オーダー。これでもお会計は合わせて700円だ。
かけうどんは、温かいツユと温かい麺が「あつあつ」で、「あつひや」「ひやあつ」「ひやひや」の4種があり、
冷たい麺のざるを食べた直後ゆえ、私はあつあつを選択したが、おすすめは冷たいツユと温かい麺のひやあつらしい。
提供されたかけうどんに、セルフの生姜と揚げ玉を入れ、少し七味をかけて食べることに。


冷水で締めたざるだと、やや歯応えがあると感じたうどんも、温かい出汁で食べると、ちょうどいい硬さ。
なにより、金色と書いて「こんじき」と読みたくなる(←なんだよ、この表現)お出汁が、じんわりおいしい!
東日本の真っ黒なツユも好きな私だけど、やっぱり西日本のツユにはかなわないかなあ。
安くてウマいうどんを堪能し、一発でお店を気に入った私は、当然再訪を決意。
しかし、こげらさんの営業時間はお昼の3時間のみ
冒頭で書いたように、なかなか行けなかった私だが、その後、金曜日だけ夜営業を始めたことを知り、喜び勇んで駆けつけた。

到着したのは開店直後だったが、すでに数名の常連さんが、うどんと酒を楽しんでいた。
この日選んだのは「釜玉うどん」の並。茹で窯から直接すくいあげたうどんに、生玉子を絡める。


水で締めてないため、モチモチした歯触りのうどんが楽しめる。この日は麺自体に塩分があり、ダシ醤油もいらなかった。
常連さんたちは、酒だけでなくうどんもお替りしているようなので、私も負けずに(?)、
限定メニューの「肉肉肉汁うどん」並500円を追加オーダー。


国産豚バラを使用し、つけ汁にはお店で提供している日本酒「屋守(おくのかみ)」を加えているとか。原価高そう。
写真を撮っていたら、店主が「かて。」とかわいく告げながら、ネギの天ぷらをサービスしてくれた(写真上の方)。

※そういえば、さっきの「げそ天」の写真にもネギ天があったよね

武蔵野うどんには、糧(かて)と呼ばれる野菜を提供することもあるが、讃岐うどんのこげらさんでもつくのはありがたい。
豚肉のコクが溶けだした、特製つけ汁がおいしかったので、2杯目でもペロリとイケた。
この日も、うどんを2杯食べたのにお会計は800円。次回は常連のマネをして、酒を飲もうと誓った。

それから数日後の入店時も、常連らしき先客が日本酒を嗜んでいた。ヨシ、私も気兼ねせず酒が飲める。
この先客は、「もう1杯もらうよー」と店主に告げると、客席の奥にある冷蔵庫から日本酒を取り出し、自分で注いでいた。
生姜や揚げ玉、そして飲料水だけでなく、常連は酒もセルフサービスか
私はまだ3度目なので、店主に頼み、缶ビールを持ってきてもらう。銘柄はエビスの350mlで300円。利益出るの!?
さっきも触れた、日本酒「屋守」は1杯500円。私は知らなかったが、500円ではもったいない、希少なお酒らしい。
常連さんはガブガブ飲んでるが、私は「ちくわ天」と缶ビール1本で済ませ、うどんに移行。
この日も、限定メニューの「甘いきつねうどん」中500円を注文。


甘味がジュワっと浸み出す、油揚げのウマいこと。まるで高級な和菓子のようだ(←大げさ)。
この日は、店主と少し会話ができたので、うどんを切る様子の撮影許可をもらった。
うどん玉を棒で伸ばし、折りたたんでから、ギロチンみたいな機械で麺にする。


別のアングルから。ストンストンとリズミカルに切っていく。


うどんのアップがこちら。ぶきっちょな私がやったら、自分の手を切っちゃいそうだ。


なお、店主が着ている黄色いTシャツの背中には、「NO UDON, NO LIFE」と印刷されている。
うどん愛あふれるこのシャツは、麺と同様こげらさん自家製らしい。私も欲しいぞ。
この日のお会計は900円。いつもながら安くて申し訳ない。
会計時、店主は笑顔で「次回からは自分で冷蔵庫開けて(お酒を)出しちゃっていいですよ」といってくださり、
さらに、お店のステッカーをいただけた。やったぜ、私も【常連客認定】だ!?


店名でもある「こげら」というのは、キツツキ科の鳥で、「小平市の鳥」でもあるらしい。
店主はうどんだけでなく野鳥も好きで、他にもいろんな趣味があるらしい。今度じっくりお話ししたいよ。

それから数日後のお昼、再びお店を訪れた私は、前回告げられたように、「ビールもらいますねー」と声をかけ、
自ら冷蔵庫から缶ビールを取り出したのだが、お会計時に「どうぞ」と、再びステッカーをもらってしまった。
どうやら、顔を覚えてもらってなかった=常連認定はされていなかったようだ(苦笑)。
この日の注文は、缶ビール計3本と、天ぷら3種盛り(げそ、ちくわ、れんこん)、シメにかけうどん並の「あつひや」。
最初にちくわの磯辺揚げと、糧代わりのうどんの素揚げが登場。


うどんの端っこをそのまま揚げたものだが、程よい塩分が効いていて、なかなかイケた。レギュラー化希望!
続いて、残りのゲソとれんこんの天ぷら、そして切り分け用のハサミがやってきた。


どうよ、このビッグな顔ぶれの盛り合わせ。これで300円でいいのかね!?
気分よく飲んでいたら、近所に住む女子中学生が、お客さんとしてやってきた。
普段は母親と一緒らしいが、うどんが食べたくて初めてひとりで来た、とのこと。
店主も「女の子のひとり客は珍しいよ~」と目を細めていたが、その隣席にいたのが運悪く、
昼間っから缶ビールを3本空けている薄汚い男(私)。お嬢ちゃんに悪印象を与えちゃったな…。
ともあれ、こちらのお店が老若男女、幅広い世代に愛されていることは間違いないようだ。
実際、小うどんなら200円だし、この価格帯なら小学生だって来店しそうだ。
店主も、うどん作りに関してはストイックだが、お客への愛想はよく、ゆったりとした雰囲気がお店には流れており、
頑固で不愛想な、悪い意味での職人気質なんぞ、微塵とも感じさせない。
私は見たことはないが、おそらく小学生がひとりで来店しても、温かく迎え入れることだろう。
安くてウマくて心地よい空気。これなら場所に関係なく、流行って当然だ。

さて、この日のシメうどんを食べ終えたあと、以前常連客がやっていた「替玉」を頼んでみたところ、
店主は快諾してくれ、すぐにひと玉分のうどんを提供してくれた(さっきは「あつ」だったので今度は「ひや」)。


残ったツユに、写真左の替玉を移し、さらにガツガツ食べまくる。替玉のお値段は「100円で」とのこと。
エビス缶ビール3本、巨大天ぷら3個(オマケ1個)、かけうどんにお替わりうどんで、お会計が1600円!
思わず「安い!」と声に出してしまった。普通なら、エビス缶3本+消費税で、それくらい払うのに。
先述したように、2枚目のステッカーをいただき、大満足で退店。今度こそ、店主に存在を認識してもらえたかな?

最初の方で触れたけど、店主はSNSで、限定メニューや臨時休業など、お店の情報を発信しているのだが、
たまに奥様が描くマンガも登場し、これがとっても面白い。
店主夫妻のキャラも含め、「ノーこげら・ノーライフ」と心に刻んでいる常連客は、私も含め大勢いることだろう。



手打ちうどん こげら
東京都東村山市富士見町2-6-72
西武線小川駅から徒歩約15分、東大和市駅から徒歩約18分
店の近くに「団地南」というバス停あり
営業時間 11時~14時、金曜のみ18~20時も
定休日 水曜、その他不定休 大晦日や元日は営業
※うどん売り切れによる早じまいあり
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