明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

競馬スーパースター列伝 vol.1 -ハヤチネ 前編ー

2021年06月20日 | ギャンブル
ちょっと前に、所沢の素晴らしき中華食堂『早池峰亭』さんを紹介したとき、
 ※オススメ商品の「シュウマイ」

文末にて、競走馬のハヤチネについても、そのうち書かせていただくと予告した。
「有言実行」は私のモットーなので(←本当か?)、誰も望んでいないと思うが、
今回はいまから約30年前、競馬ブームの黎明期を駆け抜けた、一頭の名馬について記させていただく。

ここでいきなりお詫びを。
非競馬ファンには申しわけないが、以降では、競馬好きなら知ってて当然と思われる用語、
たとえば「牝馬」や「上りタイム」について、いちいち“メス馬”や“最後の600メートルの走破時計”といった説明はしない。
また、競馬ファンの方でも、約30年前のことなので、見知らぬワードも出てくるだろうが、
それらの詳細については、各自で調べてほしい。とはいえ、「オグリキャップ」や「岡部幸雄」はともかく、
「ベルクラウン」に「小迫次男」などは、ネット検索しても謎のままかもしれないが(笑)。
要するに、普段のように“家系ラーメンとは、横浜発祥で濃厚豚骨スープに鶏油を…”といった解説はしない、ということだ。

さらにもうひとつお詫び。
今回のタイトルは、巨匠・梶原一騎&原田久仁信先生の「プロレススーパースター列伝」が元になっているが、
ハヤチネは、現在でいう2勝クラスで終わったので、全然スーパースターではない
さっきの「~を駆け抜けた、一頭の名馬」という箇所も、誇大表現にあたるだろうが、お許し願いたい。
あと、梶原一騎と原田久仁信の両先生、勝手にパクってごめんなさい。
ここからは、一部を除き敬称略で、ハヤチネ号について語っていく。

ハヤチネは1985年生まれの牝馬。父モンテプリンス、母ラッキースイトピー、母の父ファバージ。
さっきも書いたが、最終的には2勝クラス、当時の表記では900万下条件で、生涯成績は43戦3勝。
所属は美浦(関東)で、調教師は橋本輝雄。主戦ジョッキーは、橋本厩舎所属の根本康広。
彼こそが、ハヤチネが2勝クラスで終わった原因、と私は認識している。
私の周囲にはいないが、20代くらいの若い競馬ファンに、根本の印象を聞いてみたいのだが、
「藤田菜七子の師匠」であり、「騎手時代はダービーや天皇賞を制覇」という情報から、
まさか偉大なホースマン扱いなんてされてないよね?

確かに、“メリーナイスで制した1987(昭和62)年の日本ダービーは6馬身差の圧勝”だったし、
“85年の天皇賞秋では、人気薄のギャロップダイナで、当時無敵のシンボリルドルフを撃破”と、
競馬史上に残る大仕事も遂げているが、その反面、マヌケなミスもいくつかやらかしている。
先述のメリーナイスで挑んだ87年の有馬記念では、スタート直後に落馬し、一瞬で何億円もの損害をファンに与えたし、
89年の札幌記念では、圧倒的人気のレインボーアカサカに騎乗予定だった、安田富夫騎手が前日に負傷したため、
急きょ根本に乗り替わったところ、スタートで大きく出遅れ(約20馬身)、大差のビリに敗れた。
当時、まだ競馬に手を染めていなかった私には、根本に乗り替わった事情が不明のため、
「もっとマシな騎手がいただろう!?」との疑念が強く残る。

この2大事件(?)は、根本本人も反省しているようだが、普段のレースでも、出遅れや仕掛けミスはしょっちゅうで、
申しわけないが、信頼度に欠ける(←言葉選んでるよ)ジョッキー、という評価が一般的であった。
根本は、道中じっくり脚を溜めて直線勝負、というのが主流だった、当時のヨーロッパ競馬に憧れていたらしく、
追込みで戦うケースが増え、直線に入ると、欧州の騎手を模倣した、身体を激しく動かす追い方を披露。
本人が「豪快アクション」と自負していたそのスタイルは、競馬マスコミは「タコ踊り」と嘲笑していた。
馬に乗ったことがない私でさえも、失礼ながら「なんだかムダな動きだな…」と感じたものである。
ハヤチネも例に漏れず、後方待機のレースを強いられ、さらに勝負処では大外を回るロスもあり、惜敗を重ねた。
私は今でも、ハヤチネが好位キープから直線で抜け出す競走をしていれば…具体的にいえば、
鞍上が岡部幸雄なら、900万下なんてとっくに卒業していたと思っているのだが。

ネット時代になり、あらゆる情報が簡単に入手できる世の中であるが、ハヤチネの画像は、見つけることができなかった。
岩手大学馬術部に、昨年までハヤチネという乗馬が在籍していたようだが、年齢的に同名異馬だと思われる。
しかし、競走馬としてのデータは、便利なサイト「ネット競馬ドットコム(netkeiba.com)」で確認できる。
ハヤチネのような条件馬の全成績は、かつては「競馬四季報」でしか見られなかった。いい世の中になったものだ。
全43戦の足跡は、無断転記はダメだろうから、ここをクリックし、各自確認してほしい。

デビュー戦はいきなり出走取消。その後のハヤチネ号の、ツラい道のりを暗示しているかのようだ(苦笑)。
2戦目は東京のダート1200m。「芝の長距離」向きの血統ゆえ、案の定16頭立ての13着に惨敗。
だが、勝った馬も芝の中・長距離向け血統で、数ヶ月後に日本ダービーで2着となる、メジロアルダンだったりする。
ハヤチネは、メジロアルダンにサクラチヨノオー、そしてサッカーボーイ、スーパークリーク、ヤエノムテキ、
さらに競馬ブームの立役者といえる、芦毛の怪物・オグリキャップらの同期であった。
私が競馬ファンだったのは8年ほどであったが、この85年生まれのメンバーこそ、最強世代と評価している。
別の年に生まれていたら、ハヤチネもクラシック路線に乗っていた、というのは過言だろうか……過言だね。
ネット競馬ドットコムの記録は、ほぼ正確だと思われるが、一部レースの上りタイムが変なのはなぜだろう。
ハヤチネのデビュー戦の上りは、52.3と記載されているが、いくらなんでも遅すぎる。
おそらく4ハロンのタイムなのだろうが、理由を知っている方、教えてちょうだい。

取消を除き、東京で2戦したものの勝つことができず、迎えた3戦目は新潟。
騎手が根本から小迫次男に乗り替わり、初の芝レースで2着に好走すると、次戦では3番手から抜け出し待望の初勝利。
血統的に、ダートから芝への変更がプラスになったのは間違いないが、
小迫騎手が根本のように後方待機ではなく、好位追走の戦法に変えたことも勝因だろう。
ハヤチネの生涯連対数は8回だが、その決まり手は逃げ0先行2差脚2追込4。2度の先行はどちらも小迫である。

この数年後、根本はブリザードというオープン馬にも出会うが、あるレースで人気を裏切り敗れた際、
「以前乗っていた、ロードキルターやハヤチネに似てるね。前半からもっと前に付けたいんだけど、
押っ付けても全然反応しないし、そのあとは直線で全然伸びないんだもの…」
というようなことを語っていた。
要するに、「気性面の問題か、好位に付ける器用さがないから、後方待機策しかできない」と弁明しているのだが、
小迫騎乗時のハヤチネは、好位から差す競馬もこなせていたのである。
その後、再び根本を鞍上に迎えると、以前のような中団ないし後方から差す戦法に転換。
再び敗戦を重ねたものの、ハヤチネにとって12戦目、根本とのコンビでは10戦目にして、ようやく2勝目を挙げた。
条件は東京の芝2300m。以降、彼女は引退まで、ほぼ芝の2000m以上しか出走しなかった。

900万クラスに上がり、2着や3着はあっても勝ちきれないレースが続いたが、
またまた新潟で、ベテラン菅原泰夫に乗り替わると、単勝1.7倍という圧倒的支持に応えて快勝。
乗り替わった理由は、小迫の場合と同様、ただ単に根本が新潟にいなかったから(北海道遠征のため)である。
おかげで、菊花賞連覇など大レースを何度も制している、名手菅原が乗ってくれたのだから、
馬主や厩務員ら厩舎関係者たちも、普段と違い1着賞金が入ったため、喜んでいたかもしれない(?)。

次戦も同じく新潟で、夏場のクラス変更により、引き続き900万下条件のレースに参加。
再度菅原が手綱を取り、2番人気に推されたものの、4着に惜敗。
前走は牝馬限定の7頭立てだったが、今回は牡馬混合の16頭と大幅にライバルが増え、捌くのに手間取ったと思われる。

上記レースが、ハヤチネにとって22戦目。全43戦だから約半分だ。
すぐ書き終わるだろうとタカをくくっていたが、意外と文字数が増えてしまった。これでも、
15戦目でハヤチネを破ったスマイルオンユーと、16戦目の勝ち馬ベルクラウンは、
のちに中山のブラッドストーンS(芝3200m、オープン)で対戦し、両馬で1・2着。
あのとき私は、2着ベルクラウンの複勝と、スマイルオンユーとの連複を買っていたから、結構儲けてねえウへへへへ…

というような、対戦した馬についてのウンチクや馬券自慢も、かなり削ったんだけどね。

30年前の2勝クラスの馬について、こんなに語ることがあったとは、自分でも驚いた。
ここから後半の21戦について触れ、さらに私個人のハヤチネへの思い入れ(←気持ち悪い)なども含めると、
かなり長くなってしまうので、申しわけないが予定を変更し、前後編に分けることにする。
次回、「競馬スーパースター列伝 vol.1 -ハヤチネ 後編ー」をお見逃しなく!
昔の少年ジャンプの欄外キャッチコピー風に書くと↓
令和の時代に、ハヤチネの詳細を綴ったコラムを読めるのは当ブログだけ!
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ここの餃子はやっぱりウマい!... | トップ | 梅雨の合間に、春季都大会決... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ギャンブル」カテゴリの最新記事