SFに戻りましたー。
本作‘12年ローカス誌オールタイムベスト43位、1971年刊行、ヒューゴー賞受賞作です。
ローカス誌「ベスト100」読破のために入手しました。
すでに絶版かつ古いため普通にブックオフめぐりをしても見つけられませんでしたのでアマゾンで入手(軽くプレミアついていました。)
本作<リバーワールド>シリーズの第一作です。
当初四部作構想で書き始められたようですが、五部まで書かれたようです。
(邦訳は四部まで)
もともと1951年にコンテスト用に書いた作品だそうですが、紆余曲折あってななかなか出版されず20年越しでやっと出た作品のようです。
内容紹介(裏表紙記載)
青い空が上にあった。英国の探検家リチャード・バートンが死の眠りから目覚めた時最初に目に入ったのがそれだった。次に緑の草原と、幅1マイルはある<河>。この大河の両岸に、ネアンデルタール人から21世紀人にいたる、すべての地球人類が復活していたのだ! だれがこのリバーワールドを創り上げたのか? 様々な疑問を胸にネアンデルタール人のカズ、くじら座タウ星人、ビクトリア朝の淑女アリスらと共に、バートンは果しなき河を遡る探索の旅に出たが・・・・・・ 1972年度ヒューゴー賞受賞に輝く傑作長編
構想が1950年代だからなのか、70年代のSFにしては古臭さがあるというか、40-50年代の「細かいことはともかくおもしろきゃいんだろ」的なテイストで書かれており楽しく読めました。
細かいところはともかく「ネアンデルタール人から21世紀人」すべてが復活しているという無茶な設定を細かいところは気にせず活かして書いています。
主人公のリチャード・フランシス・バートンなる人物は全く知りませんでしたが、相当個性的な人物だったんですね。
1821年生まれ“イギリスの探検家、人類学者、作家、言語学者、翻訳家、軍人、外交官。『千夜一夜物語』(アラビアン・ナイト)の翻訳で知られる。19世紀の大英帝国を代表する冒険家”(wikipedia)だそうです。
ヴィクトリア湖の共同発見者としても知られているようです。
19世紀の地球はまだまだ冒険家の活躍の余地のある世界だったんですね。
20世紀の冷戦下の閉塞感のある世界から見たらなんとも魅力的な世界ですね。(今は冷戦はなくなっていますが閉塞感は変わらないか?)
バートンは1960年代のアメリカで再評価されているようでその辺も本作の出版を後押ししたんでしょうね。
(作者は先見の明を示せず面白くなかったかもしれませんが…)
またヒロインにあたる人物が「アリス・リデル」なる女性。
この名前もとんと知らなかったので調べてみたら「不思議の国のアリ」のモデルになった女性らしいです。
“『不思議の国のアリス』の物語は1862年、アイシス川(テムズ川)をゴッドストウへさかのぼるピクニックの際に、特にお気に入りの子供であった当時10歳のアリスのために、キャロルが即興で作って聞かせた話が元になっている。この物語が気に入ったアリスが書き留めておいてくれるようキャロルにせがんだため、キャロルは内容を膨らませながら『地下の国のアリス』というタイトルの手書きの本を作って1864年にアリスにプレゼントした。”
そうです。(これまたwikipedia)
これまた「へー」です…。
登場人物の人選がなんとも渋いですね。
物語の方は上記の人物にゲーリングや宇宙人、この世界の創造者たる謎の存を絡め波乱万丈で進んでいきます。
ただ本書だけだと「序章」といっていいようなところで終わっている感じなので展開された伏線がまったく回収されないで終わります。
「よくヒューゴー賞とれたなぁ」と思いますがそれだけ「冒険」が強く当時の読者の心をとらえたんでしょうね。
ちなみにこの「リバーワールド」を探検するためにバートンが何度も絶命し生き返るという展開はほぼ間違いなくハイペリオンシリーズの「エンディミオン」のデ・ソヤ神父大佐の追跡の元ネタな気がします。
ハイペリオンシリーズ「いろんなSF作品の設定入れてるんだなぁ」と改めて認識しました。
「リングワールド」も「本作の設定をモチーフに使っているのかなぁ」とも思いましたがこちらは1970年発刊なので違うんでしょうね、規模壮大な異世界の創出とある意味シンプルな冒険行という意味では共通です。
1970年代初頭はこういう設定が受けたのかもしれませんね。
「リバーワールドシリーズ」は本作以降サミュエル・クレメンス=マーク・トゥエイン(アメリカ人はトゥエイン好きなんでしょうね…)やらジョン王も登場し、この世界の謎を解明していくようです。
全て絶版なので入手困難なのもありますが、今のところは正直「どうしても読みたい」とは思えていません。
男気溢れるアメリカンな「冒険行」が繰り広げられるんだろうなぁというのは想像できるのですが…繊細さはなさそうなので今一つ気が乗らない(汗)
私の中では同じ「ワールド」でも「リングワールド」シリーズの方が気になりますね。
こちらは翻訳されているものはすべて入手済みなのですが…いつ読むかなぁ…。
↓よろしければ下のバナークリックいただけるとありがたいです!!!コメントも歓迎です。
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本作‘12年ローカス誌オールタイムベスト43位、1971年刊行、ヒューゴー賞受賞作です。
ローカス誌「ベスト100」読破のために入手しました。
すでに絶版かつ古いため普通にブックオフめぐりをしても見つけられませんでしたのでアマゾンで入手(軽くプレミアついていました。)
本作<リバーワールド>シリーズの第一作です。
当初四部作構想で書き始められたようですが、五部まで書かれたようです。
(邦訳は四部まで)
もともと1951年にコンテスト用に書いた作品だそうですが、紆余曲折あってななかなか出版されず20年越しでやっと出た作品のようです。
内容紹介(裏表紙記載)
青い空が上にあった。英国の探検家リチャード・バートンが死の眠りから目覚めた時最初に目に入ったのがそれだった。次に緑の草原と、幅1マイルはある<河>。この大河の両岸に、ネアンデルタール人から21世紀人にいたる、すべての地球人類が復活していたのだ! だれがこのリバーワールドを創り上げたのか? 様々な疑問を胸にネアンデルタール人のカズ、くじら座タウ星人、ビクトリア朝の淑女アリスらと共に、バートンは果しなき河を遡る探索の旅に出たが・・・・・・ 1972年度ヒューゴー賞受賞に輝く傑作長編
構想が1950年代だからなのか、70年代のSFにしては古臭さがあるというか、40-50年代の「細かいことはともかくおもしろきゃいんだろ」的なテイストで書かれており楽しく読めました。
細かいところはともかく「ネアンデルタール人から21世紀人」すべてが復活しているという無茶な設定を細かいところは気にせず活かして書いています。
主人公のリチャード・フランシス・バートンなる人物は全く知りませんでしたが、相当個性的な人物だったんですね。
1821年生まれ“イギリスの探検家、人類学者、作家、言語学者、翻訳家、軍人、外交官。『千夜一夜物語』(アラビアン・ナイト)の翻訳で知られる。19世紀の大英帝国を代表する冒険家”(wikipedia)だそうです。
ヴィクトリア湖の共同発見者としても知られているようです。
19世紀の地球はまだまだ冒険家の活躍の余地のある世界だったんですね。
20世紀の冷戦下の閉塞感のある世界から見たらなんとも魅力的な世界ですね。(今は冷戦はなくなっていますが閉塞感は変わらないか?)
バートンは1960年代のアメリカで再評価されているようでその辺も本作の出版を後押ししたんでしょうね。
(作者は先見の明を示せず面白くなかったかもしれませんが…)
またヒロインにあたる人物が「アリス・リデル」なる女性。
この名前もとんと知らなかったので調べてみたら「不思議の国のアリ」のモデルになった女性らしいです。
“『不思議の国のアリス』の物語は1862年、アイシス川(テムズ川)をゴッドストウへさかのぼるピクニックの際に、特にお気に入りの子供であった当時10歳のアリスのために、キャロルが即興で作って聞かせた話が元になっている。この物語が気に入ったアリスが書き留めておいてくれるようキャロルにせがんだため、キャロルは内容を膨らませながら『地下の国のアリス』というタイトルの手書きの本を作って1864年にアリスにプレゼントした。”
そうです。(これまたwikipedia)
これまた「へー」です…。
登場人物の人選がなんとも渋いですね。
物語の方は上記の人物にゲーリングや宇宙人、この世界の創造者たる謎の存を絡め波乱万丈で進んでいきます。
ただ本書だけだと「序章」といっていいようなところで終わっている感じなので展開された伏線がまったく回収されないで終わります。
「よくヒューゴー賞とれたなぁ」と思いますがそれだけ「冒険」が強く当時の読者の心をとらえたんでしょうね。
ちなみにこの「リバーワールド」を探検するためにバートンが何度も絶命し生き返るという展開はほぼ間違いなくハイペリオンシリーズの「エンディミオン」のデ・ソヤ神父大佐の追跡の元ネタな気がします。
ハイペリオンシリーズ「いろんなSF作品の設定入れてるんだなぁ」と改めて認識しました。
「リングワールド」も「本作の設定をモチーフに使っているのかなぁ」とも思いましたがこちらは1970年発刊なので違うんでしょうね、規模壮大な異世界の創出とある意味シンプルな冒険行という意味では共通です。
1970年代初頭はこういう設定が受けたのかもしれませんね。
「リバーワールドシリーズ」は本作以降サミュエル・クレメンス=マーク・トゥエイン(アメリカ人はトゥエイン好きなんでしょうね…)やらジョン王も登場し、この世界の謎を解明していくようです。
全て絶版なので入手困難なのもありますが、今のところは正直「どうしても読みたい」とは思えていません。
男気溢れるアメリカンな「冒険行」が繰り広げられるんだろうなぁというのは想像できるのですが…繊細さはなさそうなので今一つ気が乗らない(汗)
私の中では同じ「ワールド」でも「リングワールド」シリーズの方が気になりますね。
こちらは翻訳されているものはすべて入手済みなのですが…いつ読むかなぁ…。
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